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聖地クアロア。

オアフ島の東側にあるクアロア。ここにはクアロアランチと呼ばれる牧場があり、さまざまなアトラクションを楽しめる観光メッカとなっている。
クアロアランチの歴史は1850年までさかのぼる。カメハメハ三世の相談役だったジャッド氏が土地を譲り受けたのが始まりである。
そのあたりのことはクアロアランチのサイトにも書かれているので参考にしてみて欲しい。

クアロアは自然の景観を生かしながら歴史や文化の継承、自然との融合に力を入れている。そのためにその自然の景観を生かして映画のロケなども数多く行われていてロケ地ツアーなども人気のようだ。
映画のロケ地で巡るカアアヴァの谷はその雄大な景色に心洗われ意識も広がっていくはずである。

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ここはその昔、王族だけが立ち入ることを許されたオアフ島の聖地で次のような言い伝えが残っている。

「クアロアの聖なる土地を奪われることは、オアフ島全土を奪われることと同じだ。クアロアの地を失えば、あなたはもう王ではなくなる。クアロアの地だけは決して譲ることはできない」

昔、オアフ島の王が他島の王にクアロアを差し出すように要求された際に、王に仕えていたカフナが告げた言葉である。
王族の居住区だったこの地にはそれを示す旗が立てられ、カヌーで沖を航行する際には、カヌーの帆を降ろして進んだと言われているほど、古代ハワイアンはこの土地を愛し、海から山の麓まで、聖地として特別な意味を持っていた。そんな聖地には数々の伝説が残されている。

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クアロア沖には三角形の島のモコリイ島、通称チャイナマンズ・ハットが浮かんでいる。この島はハワイ島に住む火の女神ペレの妹のヒイアカが、ペレの使者としてカウアイ島のロヒアウ王子を迎えに行く道中、この地の住民に悪事を働いていたモオ(大トカゲ)を退治し、切り刻んだ尻尾を海に投げ込んだものが島になった、という伝説の島である。

また海辺には伝説の小人族メネフネが造ったモリイ・フィッシュポンド(養魚池)やコホラレレの堀があり、さらに半神のサメが住んでいたという伝説が残る泉など数々の神話が残されている。

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ハワイには数々の神話や伝説が今も語り継がれている。手軽に読める書籍もあり、ハワイの神話は今では日本語でも読めるほどハワイが好きな人たちには知られている。
世界的な歴史学者アーノルド・J・トインビー博士はこう指摘している。

「12、13歳くらいまでに民族の神話を学んでいない民族は例外なく滅びる」

ハワイには数々の神話が伝承され、ハワイが好きな日本人なら知っているという神話がたくさんある。きっとハワイ民族が滅びることはないだろう。
では私たち日本人はどうだろうか。民族の神話が詰まった『古事記』や『日本書紀』を学んだという人は少ないし、人に語れる人はさらに少ない。神話を伝承することは民族の精神性、アイデンティティを伝えることと同じであり、そこには民族としての魂が宿っている。日本人も改めて神話を学ぶことで自分の国にもっと強い誇りが持てるようになるのではないかと思う。

ハワイアンは今でも彼らの神話が語り継がれているクアロアの土地を聖地として崇めている。クアロアはオアフ島に住むハワイアンの誇りであり、民族の歴史を伝える大事な場所。クアロアランチはアクティビティを通して、文化と歴史を伝える大切な役割を担っているのである。

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