パワースポットの巡り方。

もうすっかり当たり前の言葉になったパワースポット。私がハワイのパワースポットの本を書いた2009年頃に登場した言葉のように記憶している。
本に書いた通りハワイにもたくさんパワースポットがある。いやハワイ諸島全体が地球のパワースポットと言っても過言じゃないくらい自然界や宇宙の素晴らしいパワーを秘めているのがハワイだと思っている。

人の魂にも過去世から蓄積してきたデータがあるように、土地や空間、物質にも同じようにデータがある。このデータは一般的に「氣」とか「波動」とか「エネルギー」いう言葉で表現されていて、高次元のデータ、高品質のデータ、簡単に言えば光が存在している場所がパワースポットなのだ。
こうしたデータは高いところから低いところへ、強いところから弱いところへと流れていくと言われている。人は強いパワーがある場所へと訪れ、強いパワーのある人に惹かれ、強いパワーのある持ち物を身に着け、そのパワーと同調して自分自身も同じようなパワー（光）を身にまとおうとする。

ハワイのパワースポットの本を執筆した経験から言えば、パワースポットを訪れる前にはちゃんとした心構えが必要だと思っている。
一番最初にハワイのパワースポットの取材を前にオアフ島の東側にあるマカプウという海岸に行った。ここは浄化のエネルギー、そして調和のエネルギーが流れている場所だ。当時の私は今思うとエネルギー的にひどく淀んでいたのだと思う。体感を伴わないということで土地のエネルギーを軽視していた私は、師匠が言う言葉を軽く聞いていた。

師匠「ここは浄化のエネルギーが強いから、足を海に浸けて心身の浄化の助けをお願いするといいわよ。かなり浄化が必要な人だとだんだん水位が上がってきて膝上くらいまで水が上がってくることがあるから気をつけてね」
私「わかりました」
（心の中では…… (*￣-￣)ふ～ん、そんな水位が変わることなんてあるわけないじゃん）
と思っていた矢先、大波がやってきて頭からずぶ濡れに……。最初のハワイでの「洗礼」を受けたのだ。それ以来、パワースポットや聖地と呼ばれている場所には、目には見えなくても、体感がなくても、人知を超えた何かが存在するんだということを心に刻んだ。

パワースポットや聖地は決して何かをお願いしに行く場所ではない。
その土地のエネルギーに触れられることにまず感謝し、「これから自分はこういうあり方で過ごします」と誓いを立てたり、宣言をしに行く場所だと思っている。
何か御利益を得ようと欲を持って行ったり、ネガティブな感情を持って行ったりすると、清浄であるはずの場が穢れてしまうことになる。そしてそんな人たちが大挙して押し寄せるとせっかくのパワーも穢れてしまったり、消滅してしまったりしてしまうのだ。

オアフ島のパワースポットとして有名な聖地「クーカニロコ」という聖地がある。ここはかつて古代ハワイアンの王族の女性が子供を産むために使われたという聖域だ。かつては一般人が踏み込むことはカプ（タブー）とされ、それを犯したものは死罪となった。

日本の雑誌とかネットの情報を検索すると、この場所が子宝に恵まれたり、安産を祈願できる場所のように書かれているが、実際はそうではない。
王族が出産した場所というだけで安易に「子宝」「安産」と結び付けて情報を流してしまったメディアの影響だろう。

ハワイアンが大切に守り続けてきた聖地に入るにはそれなりの「しきたり」がある。それは日本で神社を参拝する時にしきたりがあるのと同じことだ。
ハワイの聖地が観光化されて多くの人たちが訪れるようになった。私がかつて書いた本もそのきっかけを作っていることもあると思う。パワースポットや聖地を巡ることは構わないが、重んじるべきしきたりを忘れてしまっている人も少なくないことはとても悲しいことなのだ。

今から５年以上前のことだが、クーカニロコの入口で聖地を守り継承するワヒアワのハワイアン市民クラブの人たちがアンケートを取るとともに、このような案内を配布していた。

その後、この場所には入ることができなかったと聞いているが現在はどうなのだろう？ 素晴らしい場所だっただけにとても残念なことだ。

パワースポットは「聖域」だ。
決してネガティブな感情を持ち込むことがないようにして欲しい。自分自身を浄化するという意識を持ち、その土地のエネルギーに触れられることに感謝して訪れて欲しいと思う。
また、その場所がどのような場所なのか、単に情報誌やネットの情報を鵜呑みにするのではなく、信頼のおける情報をみずから調べ、あるいはその土地に詳しい人に同行してもらってから行くようにするといい。
また現地のツアー会社の人でさえ、パワースポットや聖地のことに詳しいとは限らない、ということもお伝えしておく。
こちらにも書いたが、大事なのは情報ではなく「自分が何を感じたか」ということだ。人それぞれ感じるものが違っていい。正解など本当はないのだ。

そして最後にひとつ。
訪れるだけで安易に望みを叶えようとしても無理な話だ。パワースポットや聖地に流れる氣と交流できるように日々自分を整えておくことが大切だ。
言葉使い、態度、意識、あり方。常に感謝できる自分であることが何より大切だし、それが自分が望むものを引き寄せる力を強くしたり、運を良くしたりすることなのだ。