UXデザインとは?今からでもUXデザインを学び始めよう!

どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

これからUXデザインを学び始める方向けの「UXデザイン」とは何か、なぜ必要なのか、について書きたいと思います。


最近、UXデザインという言葉を今まで以上によく耳にするようになりました。
個人的に興味関心が高いからなのか、業界全体として賑わってきているのでしょうか?


気になったので、Google Trendsで「UXデザイン」という言葉を調べてみると、2017年頃から検索数が増加していることがわかります。


Google TrendsでUXデザインを調べる
Google TrendsでUXデザインを調べる


プロダクトマネージャーである僕も昨年からUXデザインに興味を持ち始めたので、書籍「UXデザインの教科書」等で学びながら、UXデザインに関する記事を書いていきます。

UXとは

User Experience(ユーザーエクスペリエンス)を略して、UXと呼ばれる。
日本語では、ユーザー体験と訳される。

UXデザインの教科書」にも次の記載があるが、製品やサービスを使う体験がUX である。

私たちは日常的に、たくさんのモノを使って日々生活をしている。朝起きてから、学校や職場に向かい1日を過ごし、自宅に帰って寝るまでの間に、どれほどのモノと関わっているだろう。モノといっても、さまざまな種類がある。ここでは、形のある「物」だけでなく、ソフトウェアやサービスも「モノ」としてとらえておこう。これらの日常的に関わるモノはすべて誰か作る人がいて、その人が便利にしたいとか、楽しんでもらいたいとか、何らかの意図を持って作り出したものだ。作る人の立場から見れば、こうしたモノは使う人に提供する「製品」や「サービス」である。このような製品やサービスがあるからこそ、私たちは自分のやりたいことを達成できるだけでなく、便利で豊かな生活を送ることができている。製品やサービスを使うのは、それを使うことで得られる結果がうれしかったり、便利だったりするからだ。ゲームのように、使うこと自体が楽しいこともある。つまり、製品やサービスを使う体験が使う人にとってうれしいことがあるからこそ、その製品やサービスを使う。製品やサービスを使ってもうれしいことがなければ、一度は使っても次第に使わなくなるだろう。UXデザインの教科書


UXデザインとは

User Experience Design(ユーザーエクスペリエンスデザイン)の名前の通り、UX=製品やサービスを使うユーザー体験をデザインすることである。

UXデザインとは、ユーザーがうれしいと感じるような体験を実現する製品やサービスを作ることを目指したデザインの考え方であり、またそのための方法論であり、方法論に基づくデザインの実践である。

UXデザインは、その名称からわかる通りデザインの一分野であるが、一般にデザインと言った時にイメージするようなプロダクトやグラフィックの色や形を計画して形にするものとは異なる。製品やサービスなどを企画・設計・開発・デザインすることを総称して、広い意味で「デザイン」と呼ばれている。


UXデザインの対象物は限定されておらず、理想とするユーザー体験(UX)を検討し、それを実現するのに必要となるものをデザイン対象物として制作する。製品やサービスを利用する前にユーザーが触れるWebサイトやチラシから、商品パッケージや取扱説明書、故障対応のサポートセンターの応対の仕方に至るまで、実にさまざまなものがデザイン対象物となりうる。

UXデザインが他のデザイン分野と異なる特徴は、デザインの対象物の種類にとらわれず、ユーザーの理想的な体験を目標に、それを実現する手段をデザインしていく点にあるといえる。

UXデザインの教科書」には、次のようにUXデザインの知識の必要性が書かれているので、読んでみてほしい。

UXのUは、ユーザー(User)のU。つまり使う人を意味する。使う人の体験=UXが良いモノになるようにと考えるのは、ものづくりに関わる全ての人の願いでもある。しかし、これを実現するのはなかなか難しい。特に、ユーザーの状況を理解することは、思った以上に難しい。同じような属性の人であっても、生活の中で実践している行動はまったく違ったり、逆に同じ行動をしているのに、考えていることは正反対だったりすることさえある。こうした現実から、本当にユーザーに望まれていることを探し出すためには、UXデザインの知識が必要となる。また、例えばアプリを作るにしても、ちょっとした表現の仕方や言葉の選び方が良くないだけで、使う人にはまったく理解できないものになってしまうこともある。ユーザーに理解される製品やサービスにするためには、UXデザインの知識が不可欠となる。UXデザインの教科書


UXデザインを学ぶ上では、UXデザインの手法のみを知るのではなく、UXデザインの理論やプロセスに対する知識を学ぶべきであるようだ。

UXデザインの手法は、ユーザーのことを考えたものづくりを実践するために考え出されたものであり、その方法を適用するだけでも実施しないよりは良い効果を得ることができる。しかし、UXデザインの理論やプロセスに対する知識があれば、その手法を適用する目的や意義について考えることができるようになり、さらに良い結果を導くことができるはずである。UXデザインの教科書


UXデザインが注目された背景

UXデザインが注目された背景として、インターネットの普及とスマートフォン・タブレットの普及がある。

Apple社が発売したiPhoneは、マルチタッチが可能なタッチディスプレイを採用しており、指でディスプレイをなぞる操作方法が注目され、多様で多彩なアプリが提供され誰もが自分の目的にあったアプリを簡単に入手でき、自分なりに使いこなす体験が容易にできた。

iPhoneそのものが極めて優れたUXデザインであることは言うまでもないが、そのこと以上に、スマートフォンが瞬く間に普及したことが、UXデザインの必要性を高める上で大きなきっかけとなった。

スマートフォンは、いつでもどこでも利用でき、さまざまな状況で利用する。電車の中で、ソファーでくつろいでいる時に、道を歩きながら、カフェでコーヒーを飲みながら。スマートフォンの普及前はインターネット企業にとって、ユーザーはパソコンの前にいることが前提だったが、スマートフォンによってさまざまなユーザーの利用状況に対応した、使いやすいサービスの提供が求められるようになった。


また、世界中の優れたサービスがインターネットを通して利用可能になり、話題のサービスは国境を越えて誰もが体験することができるようになったことで、優れた利用体験に接する機会が増え、使いやすい製品やサービスへのニーズが顕在化することになった。

このことは、インターネットサービス企業だけでなく、製造業の企業にも大きなインパクトを与えた。例えば、カーナビである。従来、非常に高価な製品で、自動車メーカーの純正品が主流だったが、使いにくいとは言わないまでも代替品があまりなく、ユーザーはその操作性を受け入れていた。しかし、スマートフォン用のカーナビアプリが登場したことによって、純正のカーナビは値段が高い割りに使いにくい製品と感じられるようになってしまった。

このように、スマートフォンの普及は、製品やサービスを提供する企業が今まで以上にUXに意識を払わなければならない環境変化をもたらしたといえる。


ビジネスにおけるUXデザイン

UXデザインが、ユーザーがうれしいと感じるような体験を実現する製品やサービスを作ることを目指したデザインの考え方であり、またそのための方法論であり、方法論に基づくデザインの実践であるが、

ビジネスにおいて、ユーザーである顧客にとってうれしい体験を提供することは、どんな産業分野であっても共通して重要なことであり、いつの時代も変わらない経営の目標である。

つまり、ビジネスにおいてUXデザインは当然の取り組みであり、最近始まった取り組みではないのです。

昔から優れた製品がユーザーに提供していたのは、うれしい体験だったのです。


UXデザインの教科書」に、米イーストマン・コダック社のフィルムカメラの事例が紹介されていました。

米国のイーストマン・コダック社が1888年に発売したフィルムカメラは、革新的な製品だった。フィルムカメラ登場以前のカメラは、ガラス乾板に像を定着させていた。そのため、ガラスをカメラにゆっくり差しこみ、撮影したらガラスをゆっくりしまう、という写真を撮ること以外の行為にユーザーは時間や意識を費やしていた。ところがフィルムカメラの登場によって、ユーザーは写真を撮ることだけに注意を払えばよくなった。撮ったフィルムをカメラごと現像所に持って行き、現像を依頼すれば後日写真が手に入る。実際、フィルムカメラ発売当時のチラシには「ANIBODY CAN USE IT」と書かれていた。「誰でも使える」ことこそ、フィルムカメラが実現した新たな体験なのである。ユーザーから見たら、技術はうれしい体験を生み出すための手段にすぎない。ユーザーは技術や機能が欲しいわけではない。それによってもたらされる結果にしか、本当は関心がないのだ。UXデザインの教科書


UXデザイン=ユーザーがうれしいと感じるような体験を実現する製品やサービスを作ることに置いて、ここに書かれている「ユーザーは技術や機能が欲しいわけではない。それによってもたらされる結果にしか、本当は関心がないのだ。」という言葉をしっかりと理解することが重要である。

その製品やサービスを通して得られるうれしい体験こそが、ユーザーが得たいものであり、ビジネスにおいて目指すべきものである。


「経験経済」におけるUXデザイン

ジョセフ・パインとジェームス・ギルモアが1999年に発表した「経験経済」の中で示した、経済発展の一つの経過である経験経済が、現代のビジネスの実情を非常に良くとらえていると言われいる。

経験経済とは、消費価値として、農産物のような「コモディティ」、工業製品のような「製品」、接客サービスのような「サービス」、そしてこれまでの経済発展がたどってきた経済価値とはまったく異なる消費価値として経験を位置付けられ、「消費者は単に製品やサービスを消費するのではなく、その消費から得られる体験そのものに価値を見出す」。

通常、製品はコモディティ化する為、そこから抜け出すためにカスタマイズの手段としてサービス化する。しかし、サービスもいずれはコモディティ化するため、さらなるカスタマイズの方法が、「経験」であるとされている。

経験経済は、経験価値の経済であり、顧客の感動や個人的な思い出に残るような演出が重要だとしている。

経験価値と、製品やサービスによる経済との大きな違いは、価値をもたらすのは製品側ではなくユーザー自身にあるということである。経済価値は、ユーザー側の要求に合わせて、企業側が価値あるものを提供するという形態だった。経験経済では、ユーザーが価値を実現する手段の一つとして、企業が製品や製品やサービスを提供するという視点に変わる。「ユーザーに価値を与える」ではなく「ユーザーが参加して価値が生まれる」と考えるのである。

UXデザインは経験経済である現代において、ビジネス価値を生み出す具体的なアプローチと言っても過言ではない。

余談ではあるが、経験経済の次にくる経済価値は、「変革価値」であり、変革志願者に対して、個性的で効果的な変革への誘導を長期的に提供し続けることが価値になると言われている。

2019年現在、オンラインサロンの発展やサブスクリプションモデルの台頭などから変革経済の始まりを感じ、少しずつ短期的な経験から長期的な変革に価値がシフトしていくんだと思う。

まとめ

年々、耳にすることが増えてきたUXデザインについて、書籍「UXデザインの教科書」等で学び始めましたが、経験経済と言われる現代のビジネス価値を生み出すアプローチとして必要不可欠なものである。

UXデザインとは、ユーザーがうれしいと感じるような体験を実現する製品やサービスを作ることを目指したデザインの考え方であり、またそのための方法論であり、方法論に基づくデザインの実践である。

ユーザーは技術や機能が欲しいわけではない。それによってもたらされる結果にしか、本当は関心がないのだ。」この本質を見失うことなく、ユーザーがうれしいと感じる体験を提供するために、UXデザインを学んでいこう。

twitter: マツバラヤスユキ(@yaspontax


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