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スポーツ教室の設立・運営に必要な基礎知識

私にとって、スポーツ業界の入り口は「スポーツ教室の経営」でした。

ここであえて「経営」という言い方をしたのは、募集・営業・サービス(指導)・売上管理・顧客管理の全てを担っていたからです。
この経験が私の原点であり、『スポーツを一生の仕事にしたい』という原動力にもなっています。

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今回はスポーツ教室を設立・運営する際に必要な基礎知識を3つ紹介します。
学ぶ姿勢さえあれば誰でも身に付けられる程度の知識ですので、気軽に目を通してみてください。


Ⅰ:『スポーツ教室』の定義

先ず、ここで言う「スポーツ教室の定義」を明確にしておきましょう。

今や世の殆どのスポーツ団体が最低限の月謝や年会費を徴収しており、ボランティアチームでさえ運営や指導に携わる人たちに金銭的負担をかけないよう配慮されています。

ですので今回は、運営に必要な最低限の費用を徴収し、お金が残れば繰越金として翌年度の活動費に充てたり備品補充などに充てたりする団体を少年団。子どもへのスポーツ指導をサービスとし、事業性(収益性)に対する成長志向があるクラブやスクールをスポーツ教室と定義することにします。

※成長志向 = 事業によって得た収益を、携わるスタッフへの報酬や育成・強化への環境投資、事業の拡大などに活用すること

そして大前提として、ここで言うスポーツ教室は「ビジネスとしての思想や構造を持っている」ということです。

それではここからは、スポーツ教室をビジネスの手法で成功・成長させるために必要な3つの基礎知識を紹介します。


Ⅱ:①市場調査

先ず1つ目は「市場調査」です。

その地域にはどんなスポーツ団体が存在するのか。
子どもはどれくらい住んでいるのか。
娯楽やお習い事など子どもを対象とした競業相手はいるのか。
設備費や交通費はどの程度の負担になるか。

各地域によってこれらの条件は違いますから、どこかでの成功や誰かの真似が必ずしも上手くいくとは限りません。
こういった情報を一つでも多く集め、地域に合わせた戦略やプロモーション、プライシングに繋げる必要があります。

Ⅲ:②SWOT分析によるマーケティング

次は経営戦略です。

自分たちのやりたいこと(持っている強み)』を中心にしてもいいですし、『地域の課題(地域に求められていること)』から生み出してもいいでしょう。

どちらにしても、戦略を練る上で最低限SWOT分析程度のマーケティングは必要です
どうすれば人が集まるのか?」をベースに、自分たちの武器や長所、脅威や短所を自覚しておくことが大切です。

特に都会と地方では戦略が全く違ってきます
子どもの数が多い都会では、自分たちの強みを活かす理念を掲げ、他団体との差別化を図りながら宣伝広告に励む必要がありますし、逆に子どもの数が限られる地方では、同業とテリトリーが重ならないよう配慮しつつ、自治体や地元議員、地域住民と関係を構築する必要があります。

もちろんどんな地域であろうと「良いものは良い」「悪いものは悪い」が大原則です。
しかし事業を短期間で最大限成功させるには、こういった最低限のマーケティングは必須です。

Ⅳ:③サービスの明確化と実現力

そして最も大切なのは、やはりサービス力です。

特に自分たちの武器(もしくは社会使命)を謳い人を集めるからには、それを実現する必要があります。

「試合に勝たせる指導力」「子どもを導く教育力」「身体的能力の開発」「地域コミュニティとしての地域活性化」などなど、教室によってセールスポイントは様々でしょう。

大切なのは、何を謳いお客様から対価を頂いているのか(サービスの明確化)と、実際にそれを実現できているか。(実現力)

この2つです。

よくスポーツ指導を担う団体に関する議論で、『勝たないと人が集まらない』というお話しを聞きます。
個人的な見解ではありますが、これは全ての団体に当てはまるのではなく、「勝つことを売りにしている」もしくは「勝利を優先した運営・指導をしている」団体で強く起きる現象だと理解しています。

Ⅴ:意外とできていないビジネスの基本

この「市場調査」「SWOT分析によるマーケティング」「サービスの明確化と実現力」は、ビジネスの基本中の基本です。
ビジネス本を購入する必要すらなく、ネット検索で出てくるレベルの基礎知識です。
しかし世のスポーツ教室はこの基本をおざなりにしていることが多いのです。
「試合に勝たせる」「技術を向上させる」ことが唯一の教室繁盛の秘訣だと勘違いしている場合も・・・

大切なのは、市場を把握し、己を知り、対価に対して何を提供するのかを明確にし、且つ実際にそれを実現するサービス力を身に付けること。
これができていれば必ず人は集まります

Ⅵ:最も重要なのは関係者全員のベクトル

最後に、これを実践する上でかかせない最重要事項をお伝えします。

それは「関係者全員のベクトルを合わせる」ことです。

こういった知識は意外と感覚的に誰もが理解できているものです。
しかしなかなか実践できていないのは何故か。
それは現場レベルで「関係者全員が事業を成功させたいと思ってるわけではない」という現実です。
そしてここで言う「全員」と言うのは、指導者や運営者はもちろん、子ども達や保護者、関わる地域の人々全員のことです。

増やしたい」「増えてほしい」「増えると嬉しい
そういう想い、ベクトルを合わせるためには、子ども達にとっても地域にとっても無くてはならないスポーツ教室にならなくてはなりません。

道のりは険しいかもしれませんが、先ずは知識を身に付け、仲間と共に実践し、関係者に想いを伝えていきましょう。
その想い、ベクトルが合致すれば、必ず人気のスポーツ教室になるはずです。

最後に、ここで記した内容はあくまでスポーツ教室設立・運営の基礎基本です。
もし実践レベルでもっと詳しい内容を知りたい、聞きたい方はお気軽にご連絡ください。
また、私が所属するリーフラス株式会社では、スポーツ教室運営のノウハウをeラーニングで学べる教材も開発しています。

皆さんの、スポーツ教室運営の参考になれば幸いです☆

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