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ML世界選手権参戦記【2024 Memory League World Championship】

こんにちは。メモリーアスリートのYasです。
Note初投稿です。

2024年1月7日から2月3日までの約1か月間、「2024 Memory League World Championship」が開催され、僕個人としては3年連続3回目、過去最高の第5シードとして出場しました。遅くなりましたが、今回は自分の試合を中心に、大会全体を振り返っていきたいと思います。

Memory League World Championshipとは

Memory League World Championship」とは、「Memory League」(メモリースポーツのサイト)で行われる年に一度のメモリースポーツ世界大会のことです。
Memory Leagueでは、World Tourという枠組みで、1年を通じていくつかのトーナメント戦やリーグ戦を開催し、その実績に応じたポイントで世界ランキングを決めるという仕組みになっています。
Memory League World Championshipは1年の最後(World Tourは2月-1月の年度なので、1月~2月上旬に開催)に開催され、その年の上位16人のみが出場できる世界最高峰の大会です。

ルール

Memory League World Championshipの基本的なルールは以下の通りです。

・ダブルエリミネーション方式(2回負けたら敗退
・決勝で敗者ブラケット側が勝利した場合、優勝決定戦を実施
・2セット先取(1セット4ゲーム先取)
・第1,3セットは上位ランクの選手が、第2セットは下位ランクの選手が先攻
・第1セット第1ゲームはSurpriseで、第1セットのみ5ゲーム先取

※Memory Leagueには6種目(Cards/Images/International Names/Names/Numbers/Words)ありますが、同セット内にInternational NamesとNamesはどちらかしか選べません。
※第2、3セットは4-4時タイブレーク採用(お互いに2種目消し、残った2種目からランダムで選ばれた種目で決着)

日程

1月7日に開幕し、決勝戦を2月3日(優勝決定戦は2月4日)に実施する、ということがあらかじめ決められています。各ラウンドが4日間で区切られており、選手同士でその期間内でスケジュールを調整して試合日を決めます。

出場選手

2024 Memory League World Championshipの出場選手は、年間獲得ポイント上位のこの16人です。

1.Alex Mullen(世界ランク1位、アメリカ、世界王者)
2.Simon Reinhard(世界ランク2位、ドイツ、超ハイレベル安定感)
3.Vishvaa Rajakumar(世界ランク3位、インド、神まであと一歩の怪物)
4.Don Michael Vickers(世界ランク4位、カナダ、NamesとWords激速)
5.Yasuhira Yamaguchi(世界ランク5位、日本、全部そこそこ)
6.Matteo Cillo(世界ランク6位、イタリア、ほぼ怪物)
7.Ewelina Preś(世界ランク8位、ポーランド、ハイレベル安定感)
8.Katie Kermode(世界ランク9位、イギリス、Inter世界記録保持者)
9.Sayaka Hokazono(世界ランク10位、日本、Names最強の日本女王)
10.Andrea Muzii(世界ランク11位、イタリア、元世界王者)
11.Braden Adams(世界ランク12位、カナダ、爆発力あるタイプ)
12.Mohamed Ramadan(世界ランク13位、エジプト、強い)
13.Jan Zoń(世界ランク14位、ポーランド、爆発力×スタミナ)
14.Islombek Madaminov(世界ランク15位、ウズベキスタン、期待の若手)
15.Fayoz Mardonov(世界ランク17位、ウズベキスタン、期待の若手)
16.Konstantin Skudler(世界ランク18位、ドイツ、安定感)

メモリースポーツ詳しくない人がこの名前だけ見ても「誰やねん」となると思うので、僕主観の各選手の特徴を付け足しておきました。なんとなくで雰囲気感じてください。

いや、錚々たるメンバーすぎる。名前並べるだけで圧がすごい。
何よりも、元世界王者Andreaが第10シードとして参戦している…(この1年間、彼は10種競技をメインで戦っておりMemoryLeagueの大会には出ていなかったため、ポイントが少なかった)
初戦の相手になってしまったEwelinaは大変だ…

ちなみに、選手の詳細情報は以下リンクから見ることができます。
記憶のシステムや各種目のステータス、選手の競技背景まで載っています。https://memorysports.tv/competitors/

大会の展望(全体)

2021から始まったWorld Tour、絶対王者AlexがMemory League World Championshipも2連覇しており、今回も大本命であることは間違いありません。対抗馬になりそうなのはAndrea、Simon、Vishvaaあたりでしょうか。
正直この4人は抜けており、優勝争いはここら辺になりそうです。
ダークホースはMatteo、Don、Katie…くらいかなあ。(自分の名前も加えたいところだけど、タイプ的に厳しい)

大会の展望(Yasの気持ち)

初戦のMohamedはほとんどの種目でこちらのほうが上位なので、さすがに勝ちたいところ。
次戦はDonかJanで、正直どっちが勝ってもおかしくない。どっちも猛者だけど、個人的にはDonよりはJanのほうが相性がいいので、Janのほうがありがたいか。いや、どっち来ても厳しい試合にはなるな。
3戦目はAlex予想。さすがに勝てないだろうけど、ここまで行くとベスト6が確定している。一昨年、去年がベスト8だったので、とりあえずの目標はここになりそう。

2回戦敗退の場合、敗者ブラケット初戦はBradenかIslom。どちらも相性は良さそうなので勝ちたい。勝つとEwelinaかKatieとベスト6をかけて戦うことになりそう。ここらへんがかなり怪しいので、やっぱり2回戦は勝っておきたい。
3回戦敗退の場合は、敗者ブラケット初戦でベスト4進出を争うことになる。戦うのは、AndreaとSimonの敗者、DonとJanの敗者、MatteoとVishvaaの敗者、KatieとSayakaの敗者あたり。大本命はSimonかMatteoで予想していたが、正直誰が来ても厳しい。

というわけで、この大会の現実的な目標はベスト6
第5シードだし、本当はベスト4以上いきたいけど…レベル高すぎるって…。

Round1

試合前

僕の初戦は1月10日の22時からでした。
当初は20時スタートでスケジュールが組まれていたのですが、エジプト国内で計画停電があったようで、2時間遅れてのスタートになりました。
(試合始まるときもエジプトはまだ停電中で、Mohamedのカメラは真っ暗だった)

さて、ここでお互いの直近1年間のベストを見てみましょう。

これを見る限り、Names以外は余裕がありそうですね。
特にInterとWordsは下振れを引いても取れそうだったので、この2つを軸に戦うことにしました。
相手はNames、Imagesを選択するだろうと予想していたので、この2種目も調整をしました。

試合

試合開始10分前までに選手はzoomに入り、審判に部屋チェックを受けます。また、Surpriseの補足説明がある場合はここでその説明を受けます。

この大会は全ての試合がSurpriseから始まります。
Surpriseは事前準備ができないので、即興力、対応力が試されます。
しかもその日の一番最初のゲームなので、取れるかどうかは結構大事です。
(ちなみに僕はSurpriseの勝率はいいほうです。)

そんな初戦のSurpriseは…

Interの名前をWords風に出題したものでした。
先述の通り、InterもWordsも相手より得意なのは分かっていたので、問題を理解してから落ち着いて取り組むことができました。そしてしっかり先取。

あまり緊張はしていませんでしたが、このSurpriseを取ることでかなり心に余裕をもって戦うことができました。

完全に波に乗ってますね。
WordsもInterもImagesもかなり感覚良かったです。

このまま2セット目も取るぞ、といいメンタル状態でしたが、ここで軽くハプニングが起こります。
セット間の休憩は最大5分と決められているのですが、5分過ぎてもMohamedが帰ってこないのです。zoomをチラ見すると審判と話しているようでしたが、Memory Leagueでは特に指示がなかったので、ひたすら待っていました。

なんとこの時、第1セットでPCの充電が切れたMohamedが別PCへの切り替え作業をしようとしていたらしいのですが、その最中にエジプトの電気が復旧し、再度元のPCに戻すという作業をしていました。なんじゃそりゃ。笑

その時の映像がこちら。

電気が戻ってニッコニコのMohamedと、10分近く連絡なしで待たされている自分、あまりに対照的な姿に実況のJohannesも笑っていました。(いやだったらあと何分かかるとか教えてくれよ…笑)

そんなこんなでやっと始まった第2セット、時間が空いたので集中しないと、と思っていましたが、やはりあまり集中できていませんでした。

ただ、ここで1ゲーム落としたことで気合いが戻りました。
第1セットを先取していたことでメンタルにもかなり余裕があったので、強気に戦うことができました。

ということで、危なげなく初戦を勝利で飾ることができました。よかった。
全てのゲームをほぼ計画通りに進めることができたので、内容にも非常に満足しています。

Round1全体

Round1で個人的に注目していたのは、実力が拮抗しているDon vs Jan、同じメモアカメンバーのSayaka vs Katie、そして第10シードながら元チャンピオンのAndrea vs Ewelinaですね。

Don vs Janはやはりとんでもない試合をしていました。
両者譲らず、2時間半以上の試合の末…

Janの勝利でした。いや、どっちもえぐすぎる…

ちなみに、この試合は僕の初戦の前に行われていたので、初戦勝ったら相手はJan、負けるとDonということは分かっていました。余計に初戦に向けて気合いが入りましたね。

メモアカメンバーのSayakaも惜しかったです。内容はかなり良かったんですが、Katieが強かったですね。
そしてAndrea、1年休んでどんなもんよと思いましたが、圧巻のパフォーマンスでした。Ewelinaも相当の実力者ですが、赤子の手をひねるようにあっさり勝ってしまいました。

というわけで、Andreaに当たってしまったEwelina以外は上位ランクの選手が順当にコマを進める結果となりました。
Round2、どの対戦も激アツすぎる…

Round2

試合前

さて、Round2の対戦相手がJanになったわけですが、Janとは過去にも対戦経験があり、かなり実力が近い選手です。
お互いの直近1年間のベストはこちら。

InterとWordsはこっちが有利で、ImagesとNamesはちょっと不利。
CardsとNumbersはあまり変わらないので、この2種目が勝敗を分けることになりそうです。

そんなわけで、CardsとNumbersが主な調整種目となったわけですが、実はCardsが昨年末から絶不調でした。初戦はCardsをやらずに済んだのでよかったですが…
何とか調子戻ってくれと思いつつ練習していましたが、変換の感覚も悪いし全くパーフェクトが出る気がしません。当たる気がしないときは当たらないものなんです。
幸いNumbersの調子はそこそこだったので、Words+Inter+Numbersを抑えながら、相手の選択のどれか(ImagesかNames)を取るしかないと考えていました。

また、この試合はお互いのスケジュールがあまり合わず、日本時間の1月13日朝8時、ポーランド時間の真夜中0時スタートでした。
最悪長期戦になっても時差でこちらが有利そうなので、最後まで強い気持ちで戦うことを強く思っていました。(いつもそうですが特に)

試合

この試合は個人的に一番しっかり臨むことができた試合だったので、他より長めに振り返ります。

試合当日、7時に起きて朝ご飯を食べ、少ししてから試合へ。
睡眠はしっかりとれていましたが、試合開始時間になってもまだ少し眠かったです。

ラムネをかじって目を覚ましながら臨んだSurprise。
実力が拮抗している相手なので特に重要ですが…

一見通常のNumbersに見えますが、リコール時80桁目から順に1桁目に向かって答えるという、不思議な種目でした。
一度その桁を入力すると後戻りできない(=訂正できない)ので、記憶も2周して、リコールもかなり慎重に行いました。

しっかりパーフェクトは出せましたが、タイムで負けており取れず。
Janも同じく2周したらしいので、シンプルに実力負けですね。
正直これを取れなかったのは痛いですが、自分のミスで落としたわけではないので、仕方ありません。

その後、Wordsを選び勝利、Namesを選ばれ負け、1-2で迎えた第4ゲーム。
計画通りInterを選び、2-2に追いつくはずでした。

やってしまった。大下振れ。
記憶時から全く頭に入ってこず、リコールも全然出てきませんでした。
この試合前までのInter直近5ゲームは「21,19,20,20,22」だったので、ここまでひどいスコアは想定していませんでした。
Inter始まる前の集中パートが少し雑だったかなと思います。

1-3となったこの時点で「Images選ばれる→何か選ぶ→Cards選ばれる」という流れが見えてしまったので、無理をせず布石を打つ作戦に切り替えます。
Imagesは鬼守り、Cardsもタイムよりスコア重視でいきました。

こうなってしまうと厳しいです。1セット目を落としました。
Interの負けが強烈に響いてますね。

セット間の休憩で2セット目の作戦を考えます。
恐らく相手は1セット目同様「Names、Images、Cards」の順で選んでくるので、Names取れたらImagesとCardsは守り目、Names取れなかったらImagesかCardsは攻めることにしました。(自分の選択「Words、Inter、Numbers」は取る前提)

そして迎えた第2セット。先攻の相手はやはりNamesを選んできました。

ぬああああああああ
ニアミスの恵、ひかる、百華、最後思い出せたけど入力が間に合わなかった彩羽…どれか一つでも正解できていれば…
と言ったところでスコアは戻ってこないので、次のWordsに切り替えましょう。

危うくこちらの選択したWordsを取られるところでした。
これでとりあえず1-1です。

ここで次にImagesを選ばれるわけですが、セット間に考えていた通り、Namesを落としたのでこのImagesは攻めることが自分の中で決まっていました。
その中でどれほどのタイムを出すかですが、先ほど相手は13.14s、こちらは鬼守りでした。これを見て相手はどう思うでしょうか。
僕としては、相手に「Yasは1セット目みたく守ってくる可能性もあるし、さっきよりはスピードいらないかも。少なくとも全力じゃなくて、パーフェクト優先でやろう。」と思ってほしいなあ、と考えていたわけです。まあ実際どう思われているかは分からないんですけどね。
なので、僕がここで出すタイムはさっき相手が出した13sを上回るくらい、11sまでは攻めなくていいだろう、と考えて臨みました。

出来すぎです。完璧of完璧。
リコールもスムーズで、この試合の中で一番感覚よくできました。
(もしかしたら、脳がハッキリ目を覚ましたのがこの辺だったのかも)

ここで相手の選択を取ることができたので、後は自分の選択種目を落ち着いて取りきるだけです。

1セット目でとられたInterもリベンジして、Numbersも落ち着いて決めきって、第2セットを取りました。
さっきのImages以降、完全に流れが来ているのを感じていました。
どの種目も自信を持って戦えていたし、相手もタイムも少しずつ落ちてきていたので、最終セットはスコア重視で戦えば問題ないだろうと考えていました。

WordsとInterが取れた時点で、Imagesは守ろうと考えていました。
リードしているし、さっき僕が攻めたことで相手が攻めるだろうと考えていたからです。そして案の定、相手は攻めてミスが出てしまっていました。

最後のNumbersも、相手は攻めるしかない状況だったので、こちらは守ってパーフェクト出せればいいかな、と考えていました。
2分くらいでリコールを終え自信満々にFinishを押すと、似たイメージでミスっていました。その時点で相手には6桁分の空欄があり、思い出せないことを祈っていました。競技中の2分はあっという間なのに、待ってる間の2分は本当に長い…

結局相手は思い出せずタイムアップ。微妙な締めくくりでしたが、何とか勝ち切ることができました。
この試合は2時間半くらいやっていたので本当に疲れました。が、不思議なもので、勝てたあとの疲労感は気持ちよく心地いいんですよね。本当に勝ててよかったです。
(そういえば、Janは2試合連続の2時間半ゲームでした…)
これで過去最高のベスト6以上が確定し、残りは強者たちとどれだけ戦えるかになりました。

Round2全体

AlexとVishvaaは上位ランクの力を見せつける、素晴らしい内容の試合で勝っています。さすがですね。
一方、Andrea vs Simonは一進一退の白熱した試合になりました。フルセットのタイブレークまでもつれ込んだ試合はAndreaが勝ち切りました。
本当に1年間休んでいたのか?ほんとはコソ練してたんじゃないの?むしろしててくれよ。

というわけで、メインブラケットに残ったのはAlex、Andrea、Vishvaa、僕ということになりました。
世界王者、元世界王者、怪物、僕。
気分は完全に子猫です。

というか、SimonとかMatteoとかがこの段階で敗者ブラケットに行ってしまうレベルの高さ。普通にやばすぎです。改めてすごい大会だな…。

Round3

試合前

ついに絶対王者Alexとの戦いです。
一応直近1年間のスコア見てみましょう。

見るまでもなかったか。Images以外取れる未来が見えないっすけど…
なんならAlexは最近Imagesも13s付近で安定してきているので、普通に厳しいです。
一応1選択目はImagesにして、2選択目はNamesかInterかWordsのどれかにするか…

試合時間は22時スタートですが、もはや時間帯はあまり関係ありません。
とりあえずできることをやりましょう。そんな気持ちです。

試合

いつも通り、Surpriseで試合が始まります。
今日に限っては一番取れる可能性の高いSurprise。絶対取りたい。

今回はMemory Leagueのロゴをいろいろ加工したImagesでした。
2周しましたが、復習したときに記憶の残りの良さをかなり感じたので、「1周でもよかったかもな」と思いながら59sでストップ。Surpriseは同スコアの場合があるので、60s直前のタイマーストップは有効です。

見たところは完全正解して、勝つことができました。
とりあえず完封負けは逃れられた…

1セット目
2セット目

「え、なんて?完封負けを逃れられた?」

…すみませんでした。

Surprise以外オール完敗の完全敗北でした。全く歯が立たなかったです。
Imagesで当てられなかったのは僕のミスですが、それを当てたとて、どうにかなった試合ではないですね。絶対王者の強さを肌で感じました。

正直現状では彼を追うレベルには到底ないですが、いつかはしっかり戦えるようになりたい。
といっても、Alexも年々進化しているので、そんな日が来るとはなかなか思えません。
現時点のAlexのレベルに到達することすらあるのだろうか…

Round3全体+敗者ブラケットベスト8まで

さて、もう片方のメインブラケットは大激戦でした。
第1セットはAndreaが1-4からの大逆転で先取。第2セットはVishvaaがNames39.29sでパーフェクトを出すなど圧巻の攻めで取り返しましたが、最終セットで力尽きAndreaが準決勝進出となりました。

どっちもすごすぎる

敗者ブラケットでも激戦が繰り広げられていました。
Don vs Matteoの実力者対決、Janの4試合連続のフルセットゲーム、EwelinaとKatieの女王対決…この大会見るの面白すぎるな。

僕の敗者ブラケットの相手はSimonになりました。メインでAndreaに惜しくも敗れ、敗者ブラケットでMatteoを下して勝ち上がってきたところです。
なんで第2シードがこんなところいるんだ…

敗者ブラケットRound4

試合前

僕とSimonの直近1年間のスコアです。

前提として、Simonはかなり安定している選手で、ほぼミスが出ません。試合で強いタイプですね。
各種目のスコアもあまり穴がなく、同じくバランス型の僕にとっては完全上位互換のような選手です。こういう選手との戦いはいつも厳しくなります。

この前提を踏まえて各種目に目を向けると、まずInterが圧倒的に厳しいですね。また、SimonはWordsのパーフェクト率がめちゃくちゃ高いので、Wordsも厳しいです。
逆にImagesは絶対取りたいところ。勝負種目はCards、Numbers、Namesでしょうか。ただどれも相手のほうが少し強いので、どこかで無理して取る必要がありそうです。

幸いなことに、Alex戦からSimon戦まで1週間くらい間が空いたので、少し調整の時間がありました。絶不調のCardsは何とか普通くらいまで戻り、WordsやInterも相手の下振れ次第で取れるくらいまでになりました。

勝負種目取れれば、可能性あるぞ。

試合

試合は22時スタートになりました。ヨーロッパの選手と戦うときはどうしてもこれくらいの時間が多くなってしまいますね。

ちなみに、この試合の前にXで少しバズっていたのが、inゼリーのラムネ味。
共通テストでめちゃくちゃ集中できるぞ!というポストがすごいインプレッション数になっていました。
調べてみたら、ブドウ糖が30g含まれているとのこと。

僕は競技中たまに森永の大粒ラムネを食べているのですが、袋の裏面を見ると、1粒当たりのブドウ糖含有量は0.9g。

………え、ラムネ33個分も入ってんの?やりすぎじゃない?

さすがに気になりすぎたので、試合前に買ってきました。

まだウィダーと言いかけてしまう…

一気飲みは気が引けたので、半分くらい飲んで、もう半分はセット間に飲むことにしました。普通に美味しくて助かります。

そんなこんなで22時になりました。
inゼリーの思いも勝手に背負って試合開始です。
運命のSurpriseは…

小さくて分かりにくいですね…すみません

画像がずっとグルグル回っているImagesでした。
途中酔いそうになりながらも、Imagesなら負けるわけにはいかない、と気合いで乗り切りました。

Surprise取れたのは正直かなり大きいですね。
この勢いで行けば勝てるかもしれない…!!

第1セット
第2セット

…現実は甘くなかったです。Alex戦に続きSurprise以外全敗、完全敗北。

Imagesを2回とも当てていれば…
NumbersやNamesでパーフェクトを取れていれば…
Wordsであと1個でも思い出せていれば…

各種目のタイムの作戦はとても良かったんですが、スコアが出なければそれらのタイムも意味を成しません。このような場でも全種目で完璧のスコアを出してくるSimonには脱帽です。スコア以上に大きな壁を感じた試合でした。もう少し戦いたかった…

あ、そういえば試合前にinゼリー飲んでましたね。
試合にはかなり入り込めていたので、集中力上昇の効果はあったと思います。(プラシーボかもだけど)
ただそれなりにコストかかるので、普段はラムネを食べて、大事な試合でinゼリーを飲むことにします。完全に薬扱いですね。

ベスト4以降

もう僕は負けてしまったので、ここからは軽く。

Simonとともにベスト4を決めたのはVishvaaでした。
Alex、Andrea、Simon、Vishvaa…やっぱり強い人が残りますね…

準決勝は昨年と同じくAlex vs Andrea。
全力を出していないのか、実力が戻し切れていないのか、ここまで本来のスピード感を感じない内容(それで勝ってるってどういうこと…?)だったので、Alex相手にどのように戦うのか注目が集まりました。

にわかには信じがたいタイムを連発する両者。常人には理解が追い付きません。結局Andreaも強いままなんかい…
フルセットまでもつれましたが、Alexが振り切って決勝進出を決めました。
安定感も攻めた時のタイムもAlexのほうが上でしたね。

敗者ブラケットのSimon vs Vishvaa、Andrea vs Vishvaaもフルセットの大激戦。もうここら辺は大差ないんだなあ…
と言いながらも、敗者ブラケットを勝ち上がったのはやはりAndreaでした。

というわけで、準決勝の再現となったAlex vs Andreaの決勝。
準決勝ではフルセットまでもつれましたが、決勝ではAlexがより状態を仕上げていました。
圧倒的なスコアを連発し、なんとストレートでAlexが勝利。3連覇達成です。

この決め方はかっこよすぎる…

振り返り

全体振り返り

結果は以下の通りです。(名前縮めてます)

優勝:Alex
準優勝:Andrea
3位:Vishvaa
4位:Simon
ベスト6Yas、Ewelina
ベスト8:Matteo、Jan
ベスト12:Don、Katie、Islom、Konstantin
ベスト16:Sayaka、Braden、Mohamed、Fayoz

あまり下剋上は起きず、概ね実力通りの結果になったように見えます。
ここら辺の選手たちは試合で大ゴケすることもあまりないので、割と実力が反映されますね。ダブルエリミネーション方式なのも大きな要素だと思います。

大会中の各選手のベストスコアはこちらです。

NamesでVishvaaが世界記録を更新していました。
パーフェクト出すのも難しいのに、30s切るって…やばすぎ。

僕は全種目微妙なところにいますね。
このあたりの細かい分析は別で書けたらと思います。

個人振り返り

過去最高のベスト6を嬉しく思う反面、Simon戦が試合の流れ次第では勝てる算段もあった中での負けだったので、悔しさが強く残る大会となりました。(この敗戦にはかなり心理的ダメージを食らった…)
ただ、去年までだとSimonに負けてもこんなに悔しさは出なかったと思うので、少し成長できているのかもしれません。

そして、この大会の結果をもって世界ランクも4位まで上がりました!

やったぜ

このランクも過去最高なので、嬉しいです。よかった。
(優勝or準優勝したことない&世界記録持ってないので、名前の横にマークがありません。無冠界の帝王です)
周囲を完全に強者に囲まれてしまっているので、これからも練習に励みます。

最後に

あったことや思ったことをつらつらと書いていたら1万字を超える超大作になってしまいました。我ながら衝撃的なnoteデビューです。
ここまで読んでくれてる人いますか?(いてくれたらありがとうございます)

また大会出た時はnote書きます。(ここまでは長くならないはず…)
大会なくても何かしら思いついたらnote書きたいと思います。
お題は常に募集してます。てかお題ください。

それでは、また。



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