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だいたい日刊読んで面白かった漫画#6「鬼頭莫宏短編集 残暑」(鬼頭莫宏編1)

好きな寿司ネタを聞かれてマヨコーンと答える皆さんこんにちは
本日もやっていきたいと思いやす。

鬼頭莫宏短編集
残暑

作:鬼頭莫宏
小学館 IKKI COMIX

表紙から既に切なさがあります

「なるたる」や「のりりん」の鬼頭莫宏氏の初期の短編集です。

氏の漫画は「鬱系」とカテゴライズされる作品が有名ですが、この短編集では割とライトといいますか、そこまで身構えて読まなくても大丈夫な内容になっています。

それでも氏特有の読書後の消化不良感と淡々とした雰囲気は味わえます。スッキリしない終わり方がありますが、何故か読んだ後は爽やかな気持ちになれます。ふたつの感情がごちゃるかんじですね。

この漫画のタイトルは「残暑」であり、つまり先に居なくなってしまったものがあるということでもあります。

この短編は全て「残った」側の話であり、「残らなかった」方へ捧げる歌のようなものであると感じました。

この本の中に含まれる短編は7つあり、その中でも特に好きなものを紹介したいと思います。

「パパの歌」

妻の出産の為に実家へ向かう夫婦の会話なんですが、いまいち実感の無かった子どもも妻のお腹と実家に挨拶に行くという行為で父になるという自覚が芽生える。

タバコもやめるし愛車の車も売って子どもの為にお金を貯めるってなるまでの過程が良い。

鬼頭莫宏先生のコマ割りと静寂の使い方がより話に深みを与えている

そこから妻の実家に着くと地味だったけど家庭に寄り添ってくれてたお父さんの車が(なんとマスタングマッハ1)娘が生まれる際に家計の為に売ったのだという。

もうここの時点でちょっと泣きそうでしたね。
どのお父さんも父の自覚を持った瞬間に自分よりも子どもの為を思って行動し出す。っていうのが伝わってきて好きなシーンです。

この後も車に乗って会話するんですけど
これがまた冒頭のシーンに似てて良い父親だなぁと言う気持ちとこの人もこんな感じのお父さんになるんだなって二重に感動がきましたね。

こんな感じでいい話もあれば少し骨が喉に引っかかるような話もあり様々な作品が楽しめます。
最近、「残暑」に未収録4つに書き下ろしを加えた

姫様のヘルメット

が好評発売中です!巻末でそれぞれの作品の解説も書いてあるので面白いです。姫様のヘルメット紹介時に今回紹介しきれなかった作品も語ろうかなと思います!

ではではーノシ

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