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読書日記『死刑にいたる病』(櫛木理宇,2017)

『チェインドッグ』(2015)を改題・文庫化したもの。安部サダヲ主演で映画化もされてる。

櫛木さんは『ホーンテッド・キャンパス』シリーズで知って、『世界が赫に染まる前に』(2016)『寄居虫女(ヤドカリオンナ)』(2014)を読んで好きになった。

櫛木さんの小説を読んでいると、雨が降りそうで降らない、黒くて湿った曇り空を想像してしまう。そして、「日常」というものがぐんにゃりと歪んでいて、それに気づいてしまった時の気持ち悪さ、恐怖、拒絶感を書くのが、本当に上手だ。

本作は、サイコパスでシリアルキラーの榛村大和(はいむら やまと)と、元優等生だが鬱屈した大学生活を送る筧井雅也(かけい まさや)を中心に物語が進んでいく。
全部読み終わったあとに、もう一度読み返して、筧井をはじめとする登場人物全員の行動の変わりようや、榛村の言葉選びや行動の邪悪さに驚く。この驚きを体験してほしいので、是非最後のページまで読んでほしい。


読了日:2022/10/29

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