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G.I.S.M. - Military Affairs Neurotic

リリース当時「MAN」と略されていたと思う。ハードコア、デスヴォイス、重厚さやスピード含めて硬派な要素しかないが、筆者はこのシーンのアートワークの美しさに惹かれている。髑髏であったりモノトーンであったり一定の様式がある中で素材のセレクトと配置、粗さを含めて当時のPUNK系ZINEは見つけるとつい手に取ってしまう。中でもこのアルバムのアートワークは、Crassと並んで惹かれている。

前作と比べると幾分かハードロック色が強く、ギターテクニックが存分に発揮されている。その分、ハードコア要素は後退することになるが、デスヴォイスは強化されており、サウンドの質感もあり重厚さは前作を凌駕する。

冒頭からハードロック寄りのトラックが続き、4曲目でサウンドコラージュが登場する。このコラージュが彼らのアートワークと並んで秀逸だ。ギターのフィードバックを軸にしつつあらゆるノイズが入り混じる。このコラージュは、タイトル曲も同様で、そこから察するにそれなりに重要な要素としての意図が込められていると筆者は受け止めている。このあたりに彼らの特異性を感じる。

タイトル曲は上述の通りサウンドコラージュであるが、ギターのフィードバック音とドローンアプローチの電子音ノイズが入り混じったような音が終始鳴り響いている。その奥でエコー混じりのノイズが聞こえる。ある種のアンビエントミュージックにも近い響きを持っている。ハードコアバンドが取り組んだコラージュとしてとても素晴らしいアプローチだと思う。

(過去に書いた文章を再掲しました)

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