見出し画像

PLASTICS - ORIGOTO PLACTICO

1980年作の本作はアメリカツアーの後に発表された。プラスティックスのオリジナルトラックは概ね本作で出尽くしたと思う。次作では非常にタフにリメイクされたトラックが披露されておりそこで完成の域を見るとするなら本作はかなり過渡期の印象になる。最初のアルバムで確立したフォーマットを変えず且つその中でスタイルを深掘りしていく方向性故に非常にシリアスな雰囲気に覆われているように感じる。

Diamond Headは比較的従来のフォーマットを意識しているように思う。リズムボックスとポストパンクギターにアートスクールらしい歌詞とシンプルなフレーズの集まり。しかし最初のアルバムと比べるとどこか冷めた質感が音の隙間を作っているように思う。

NO GOODは音のなるものを集めてパーカッション然としたアプローチに仕上げたパートが素晴らしい。さまざまなオマージュの末のこの形態が結果として従来のフォーマットに切り替わりGOODに流れていくところまで含めてとても美しい。NO GOODがあることでGOODの通常アプローチにどこかパロディめいた雰囲気が漂っていてこの振れ幅は本作のクライマックスの一つではないかと感じる。

DESOLATEはスローテンポで淡々と進むポストパンクにリアルタムに反応したような楽想が素晴らしい。テーマ部分は西海岸のサイケデリックロックにも通じる浮遊感を伴っていてこのフォーマットでここまで壮大に展開するアレンジも素晴らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?