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Jack Johnson - In Between Dub

ごく自然にダブが似合う人。あるいはダブから偏執的な要素を無意識に取り除けるタイプの人。とてもリラックスした聞き慣れたメロディーがエコーに埋もれていく。あくまでも飾らない、あくまでもオーガニックな音色を紡いでいく。出過ぎない。こういった要素は時にいわゆるダブと正反対のアプローチに感じることもある。しかしここではそれらが心地よく同居している。

Wasting Timeは、リズムトラックを大幅に抑制したトラックの中で歌がメロディーを刻む。そして楽曲を牽引するベースライン。間奏から徐々に入り込むリムショットがディレイの中を歌声に乗せて飛ばされていく。とても心地よい。リーペリーが静かに活躍する好演。

No Other Wayは、この人らしいアコースティックギターのストロークが心地よい。静かに施されたディレイの中でアコースティックギターが揺れる。そして柔らかく枯れた歌声とパーカッション。時おりリズムが見え隠れするがやはり出過ぎることはない。この引き加減がどの曲もとても心地いい。

リードトラックのBetter Togetherは、細かく刻んだリズムトラックがとても印象的だ。リードらしい作りでテックハウス的なアプローチも見え隠れしながらアルバムを押し進める。オーガニックな電子音という表現は形容矛盾かもしれないが、電子音は有機的たり得ることを再認識するアルバムだ。

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