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「手洗い」考②

以前、「手洗い」を促す表現を検索したことがあります。

「手を洗ってね」「手洗いチェック!」「せっけん ごしごし」
「手を洗おう」「手洗いが基本です」「手を洗いましょう」…

一番スタンダードなのが「手を洗いましょう」ですね。
ただし、「やさしい日本語」的には
「手を 洗って ください」以外はだめです。
(ふりがなは省略してます)

上記のように、いろいろな言い方をするより、
「~て ください」に統一します。
そのほうが、指示であることがわかりやすいのです。

指示は「~て ください」と覚えてください。

「て」と「ください」を分かち書きをするのも
「ください」が強調され、指示であることがはっきりわかるからです。

「やさしい日本語」の基礎講習会では、
文の作り方の12のルールを解説し
結構しつこく、例も出すのですが
直後の掲示物の作成練習で、みなさん、どうしても
「手を洗いましょう」にしちゃうんですよね~。
(力不足・・・😞)

私たちは国語教育でたくさんの言葉を覚え
同じ内容でもどれだけ様々な表現をするが
成績につながったような気がします。
ストレートな言い方は不得手ですし、
中でもクレームは遠回しに、遠回しに表現し
察してもらうのが日本文化で・・・。

いえいえ、それでは伝わりません。
単純な表現の、繰り返しでもいいのです。
「外国人住民を馬鹿にしているのか!」と文句を言う人もいますが
そもそもの目的が違うのです。

いかに明確に伝えたいことをわかりやすく伝えるのか、
それが「やさしい日本語」なんです。

誤解を防ぐためにも、誤訳を防ぐためにも
ぜひ、「やさしい日本語」のルールに従った文作りをしてみてください。

誤解の例))
避難所にて 「ご自由にお取りください」
(好きなだけペットボトルの水を取ってトラブルとなった)

「お宅のお嬢さん、ピアノが上手にならはったねぇ~
 朝から頑張って、練習したはるし~」(ニコニコしながら言われる)
(京都では有名な表現。日本語学習者は、結構この意味を知っていますね。 
 「朝早くから下手くそなピアノがうるさいねん!」という意味です)

最近、団地のゴミ集積所のゴミの出し方が悪くて困っています。
この状況が続くと、住民の皆さんに当番制で、
ゴミの日に集積所に立っていただくことも考えなくてはなりません。
今一度、ゴミの出し方を確認して下さい。
(柔らかく脅してます? ゴミの出し方を丁寧に教えてあげてください)


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