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日本語は最後に大切なことを言う
「人の話は最後まで聞きなさい!!」
子どものころ、話し半分でつい動き出してしまう私に
母はよく怒ったものです。
そうなんです、日本語は最後の最後が重要なんです。
それをちょっと工夫してみませんか?
降る、降らない、ほめてるのか、悪口か
明日は 雨が 降ります。
明日は 雨が 降りません。
明日は 雨が 降るでしょう。
明日は 雨が 降ってほしいな。
明日は 雨が 降ると困るんですよね~。
ね、違うのは最後だけです。
彼女は美人だが、性格が悪い。(←これは悪口)
彼女は性格が悪いが、美人だ。(←これはほめている)
どちらも本当に言いたいことは最後にあります。
英語の聞き取りをするとき、文頭は覚えていないけれど
文の最後の方は聞き取れる、ということはないでしょうか。
・・・・・・in the morning.
・・・・・・on Wednesday.
あくまで個人的な見解ですが
主語と動詞が聞き取れないことが多く
意識して文頭を聞き取ろうと癖をつけないと
後半しか記憶に残らない。
これはきっと日本語の構造に慣れているせいではないかと。
一番言いたいことは何?
一文だけでなく、新聞のコラムなどでも
筆者の言いたいことが最後に書いてある構成は多いですよね。
たとえば、下のお知らせ。
一番言いたいことは何でしょうか。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25791304/picture_pc_23c2d17f1293c5804eb98c146a3650ce.png?width=800)
まあ、たいていの皆さんは
「時下ますます・・・御礼申し上げます」は読み飛ばし
「さて、・・・」から読み始めますよね。
この文では、「総会をするので来てください」というのが
一番伝えたい内容です。
このお知らせ文を日本語初級者の外国人が
辞書を引き引き読んだ場合、最後まで行く着くのは至難の業かと・・・。
行間を読む? 空気を読む? 日本語の難しさ
言いたいことが文面に表れていないこともあります。
行間を読む、空気を読む、というか、読まされるというか・・・。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25792065/picture_pc_b0588223632e63029c08382e884e15d9.png?width=800)
このお知らせ文が自宅ポストに入っていたらどうします?
ヤバい! 怒ってる人がいる!
私なら、とりあえず菓子折り持って町内会長さんに謝りに・・・
実は、このお知らせ文、外国人住民がいる自治会で
実際に回覧されたものです。
日本ではクレームは書くほうも難しく
個人が個人に注意するのも難しいので
誰が、誰に、というのもわからない遠回しな表現になってしまいます。
こちらも、外国人が辞書を引きながら読んだとしても
真意をくみ取ることは難しいかと。
それでも、何か怒っている、というのだけは伝わったりします。
もしかしたら、単にゴミ出しのルールを知らないだけかもしれない
教えてあげれば、問題は解決するのかもしれない
多言語資料が市役所にあるかもしれない
気軽に相談できる人がいれば、簡単に解決する問題かもしれません。
クレーム文に頭を悩ますくらいなら
ぜひ、「やさしい日本語」でどうすればいいのかを伝え
コミュニケーションを取ってみてください。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25793010/picture_pc_f0855d870ebf2d484b75d5ef753562d4.png?width=800)
最初に伝えたいことを書く 「やさしい日本語」のルール
「やさしい日本語」の掲示物集には
災害時に避難所ですぐ使えるポスターが147枚あり、
全て「やさしい日本語」(カテゴリーⅠ)で書かれています。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25793293/picture_pc_f306e7887ae30fae101502454e64d7aa.png?width=800)
そのまま拡大コピーして必要事項を書き込んで使ったり
その写メを取ってSNSで拡散したりもできます。
この掲示物の作成ルールの一つに
一番最初に「伝えたいこと」から書く です。
愛知県の『「やさしい日本語」のてびき』でも
「やさしい日本語」作成の手順
3番目が 伝えたいことを前に持ってくる があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692673472558-B28vftzPh4.png)
日本語はとても難しい。
日本人が感じている以上に、いろいろ難しい。
多くの外国人住民はそれを一生懸命勉強しているんです。
だからこそ、日本人も「やさしい日本語」を使うことで
一歩近づくことが大切。 そう思うのです。
(やっぱり、一番言いたいことが最後になってますね。)
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