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安くなったレーシック手術だけど

最近、レーシックによる視力矯正手術の価格が下がってきましたよね。保険適用外の高価な手術から、私たちの手に届く矯正手術となりつつあります。

保険適用外であっても、学割や紹介制度などの割引制度を取り入れている施設があったり、かなりお得価格も。しかも、レーシックは確定申告で医療費控除を受けることが可能です。

施術する施設によっては、7~8万円から20~30万前後とバラツキがあるものの、視力回復のための選択肢の一つであることは間違いありません。

レーシック手術で気を付けてほしいのは、安価な場合は保障期間も短い例が多いこと。何らかの問題が発生して再手術となった時、別途高額な費用が掛かる場合もありますから、慎重に選びたいですね。

ということでレーシック手術について、簡単にまとめてみました。

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レーシックとは何ぞや

レーシックとは、角膜をレーザーで削ってカーブを変えることで、近視などの異常屈折を矯正する手術方法の一つです。というと、とても簡単なイメージですね。

メガネやコンタクトがないと困る方、大変多いです。そんな方にとって、レーシックを受けて、裸眼でモノや景色が見えるようになれば、大変喜ばしいこと。

メガネのわずらわしさ。コンタクト着用時の違和感。これらが不要になります。

ただし、レーザーで削られて形状が変化した角膜は薄くなり元には戻りません。また、レーシックで矯正できる度数には限界があります。手術前の綿密な検査が必要です。もうひとつ。レーシックとは、手術時点の屈折異常を矯正するものですから、手術後、近視などの変化を止めることはできません。ですから、視力変化が起こりえる18歳未満の手術はおすすめできません。

人間だれしも、若干の差はあれど40歳を過ぎると老眼が始まります。いわゆる調節力の低下というもので、これ、レーシックでは矯正できません。遠くのものは見えるけど近くのものが見づらくなったりすることもあります。

ということで、公益社団法人 日本眼科医会の資料から、レーシックのデメリットについて紹介しますので、参考になさってください。

(1) 夜間視力の低下
角膜の切除径や深さ、瞳孔の大きさなどが影響して、夜間光をまぶしく感じたり、にじんだように見える症状の出る方が居ますが、この症状が出た場合、改善しません。

(2) 術後の角膜変形
高度な近視矯正により角膜切除量が大きいケースなどで、稀ではあるものの、薄くなった角膜が突出して変形し視力が低下してしまうことがあります。これはハードコンタクトレンズによる矯正で視力補正するしかありません。

(3) 術後の角膜混濁
角膜をレーザーで削るため、角膜に混濁が生じる可能性があり、手術を受けたがゆえに視力が低下してしまう可能性も起こりえます。術後の感染症により、最悪の場合は角膜移植が必要となったり、失明に至ることもあります。

(4) ドライアイ
レーザー照射の前にフラップ(角膜にかぶせるフタのようなもの)を作製するため、角膜の知覚神経が切断され、術後数カ月から1年くらいの間、ドライアイが起きたり、悪化することがあります。ただし、これは時間とともに徐々に回復してきます。

(5) 緑内障の見逃し確率が高い
眼圧測定値が低めに出たり、時には眼圧の測定ができなくなることもあります。レーシックの術後には眼圧が正確に測定できないために、日本人の発症率が割と高い緑内障になっても見逃されてしまう可能性があります。

(6) 正確な白内障手術のために
加齢などにより白内障の手術をされるとき、水晶体の代わりに眼内レンズを入れて屈折矯正しますが、レーシック術後には眼内レンズの度数を正確に計算できなくなりますので、レーシック以前の目のデータと手術内容の記録が必要となります。

以上、公益社団法人 日本眼科医会によるレーシックで起こりえるマイナス要素を並べてみますと、何やら不安感が募ります。はい、ここからが大事な点です。

レーシックをお考えの方は、上記のデメリットも理解したうえで、眼科専門医にご相談ください。眼科専門医とは、日本眼科学会、日本眼科医会の会員であり、同時に眼科手術を含んだ5~6年以上の臨床研修を修了し、専門医の認定を受けた医師をいいます。

というのも、眼科専門医の認定を受けないままにレーシック専門医として手術を行っているお医者さんもいるからです。眼科専門医の資格の有無は手術施設を選ぶときの判断基準になりますよ。

保険外診療のレーシックは、術前、術後の検査など、すべての診療費が自費となります。この点も含めて考えましょう。レーシック手術費を格安告知している施設なのに、その他の検査や手技に相当の費用がかかり、合計すると全く安くなかったということもあります。

レーシックをお考えの際は、手術費用には術後の検査や薬剤の費用も含まれているのか、術後の検査における診察には責任をもってもらえるのか、確認されることをお勧めします。手術料金の過多に左右されず、総合的な判断が必要ですね。そのために一番良いのは、やはり、実際に手術された方々の口コミを丁寧にチェックすることでしょう。

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レーシックからICL(眼内コンタクト)の時代へ

参考までに、最近の視力矯正手術は、レーシックから眼内コンタクトレンズ「ICL」が注目されつつあります。しかしICLは個々人にあわせたオーダーメイドレンズを作らなければなりませんから50万円前後とかなり高価。

ICLは、強度近視を強制するための手術でしたが、安全性と有効性、そして見え方の質において、レーシックより質が良いそうです。角膜を削らないですむメリットもあります。そのため最近は中等度近視の方にも注目されています。別名、永久コンタクト!

コンタクトをずっと愛用していてドライアイになった人がレーシックを受けるとドライアイが更に悪化するおそれがあります。ICLだと悪化しないのでドライアイ向きといえます。

また、レーシックには、近視の戻りというリスクがありますが、ICLは元々の視力に関係なく近視の戻りが少ないと報告されています。

いずれにしろ、レーシック、ICLどちらも、メガネをかけると頭が痛くなる、コンタクトでドライアイの症状がひどくなってきたなど、眼に問題が生じている方のための矯正手術だと思うのですよ。メガネやコンタクトで日常生活に不便を感じないのであれば、あえて、リスクを冒してまで手術する必要はないかなぁ。

メスを入れるのは、眼の健康に不都合が起きてからでも遅くない。私自身はそう思っています。