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モノの値段は安けりゃ良いってものではないよね

先日、ある人が、SNSで呟きました。

「メーカー希望小売価格って、何? いくらで売ろうが売る方の勝手なのに、価格を縛るのはおかしいね。民主主義なんだから、自由競争させるべきでは?」

モノゴト、そうカンタンにはいかんのよ。

例えば、メーカーが希望小売価格1万円としている商品を、5千円で卸したとする。定価はあるものの、価格は売る側の自由。すると、大量に販売できる力を持つ事業所が、ネットも駆使して、6千円で販売するかもしれない。

小さな個人店は、価格では太刀打ちできない。1万円の商品がネットで6千円となれば、個人商店は仕入れたものが不良在庫になりかねない。同じ値段に落として勝負するしか方法は無い。となれば、経費倒れで赤字になり、店は潰れる。メーカーの商品価値も下落します。

いろんな業界で、こんな淘汰が発生してきたよね。

じゃあ、勝ち残った大手が何をやるかというと、価格の引き上げ。ライバルが居なくなったら高くなります。元々の定価である1万円どころか、なんたらかんたら講釈をつけて1万5千円にするかもしれない。

というかね、色んな分野でもう起きてるよね。安売りでスタートした某大手が他社をつぶして業界を席巻したあとに、たいした商品でもないのに高い値札をつけたりしてます。

実際、その店の小物雑貨を買った後で、全く同じものが百均で売られているのを見つけた時は「ええー?」となりました、はい。

反対に、ハイブランドのメーカーが、ブランド価値が壊れることを嫌って、価格統制する場合もあります。

例えば、仕入れ値5千円で「1万円」の価格がつけられているブランド商品を仕入れたものの、なかなか売れなかったので某店が3割引きセールを行ったとする。

これを知ったメーカーはすぐに飛んできて、自社のブランド商品を全部現金で買い上げていきます。この店との以後の取引は無し。こうやって、メーカーはブランド価値を守っているんですね。

さて、どちらのやり方が良いだろう。

今では、仕入れて売る、だけでなく、ネットを駆使した転売屋も存在するから、ややこしい。

自由競争の結果、あるいは価格統制の結果、どちらにおいても、売れずに在庫を抱えた事業所が、裏で横流しすることも多いし、そういう商品を専門に買い取る業者は昔からいます。

たいていは、仕入れ値にも満たない激安価格なので、元は絶対に取れないけれど、いくばくかの現金に変えることが出来る。ただし、そのあとは廃業?。コロナのせいか、ネットでは、その手の価格の崩た商品を見かけること、多いですよね。

私たち消費者は、良いモノが安く買えれば、そりゃあ、嬉しい。通常1万円の価値ある商品が、最近では2千円、3千円で販売されたりするんだから。

でも、きっと誰かが損をしてます。その損は、廻りまわって、もしかしたら自分の財布を直撃するかもしれないですよね。

税金が高くなり、食品も高くなり、収入は増えず、海外からは激安が押し寄せ、国内企業を圧迫する。となれば、失業だってあり得る話です。

いったい何のための、誰のための社会なんでしょうね、日本は。というか、モノだらけのこの社会はどこに進もうとしているのかなぁ。