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コロナで沖縄移住という選択

コロナのせいでリモートワークが可能となり、二地域居住や地方居住の選択肢が増えてきましたね。

沖縄移住を希望する人たちのSNSが異様に盛り上がってます。私が移住した2000年当時と今は社会背景が違いますが、みなさん、深く考えずに「海がきれい」だの「〇〇島が良さそう」だの、割と単純な沖縄イメージを基にしているようです。

相談に乗る側の地元、あるいは先輩移住者といえば、不動産や住宅、起業支援など、正直、ビジネスがチラついている感じ。一番大事な生活インフラの話題がおろそかになっています。

例えば、自然がすばらしい離島は医療環境に不安があり、しかも物価は高く、新鮮な食材が入手しずらい。通販の送料だって、沖縄本島よりずっと高くなり、業者によっては拒否されます。

健康なシングルならば、自由に沖縄中どこにでも身軽に動けますが、シニアとファミリー層は最初の選択を間違うと「こんなはずじゃなかった」につながりかねないです。

例えばファミリー。特に子育て世代。お子さんの教育をどう考えるかによって選ぶ市町村も変わるでしょう。「元気に育ってくれれば勉強なんかできなくてもいいさー」という自然志向のご家庭もあれば、「本土の教育レベルについていけるだけの学力は維持したいなぁ」というご家庭もあるはず。

某市の某中学校。シングルマザー率が高く、お母さんが夜の仕事をしている方も多い。頑張ってるお母さんたちだが、ネグレストもまた多い。必然的にお子さんは、さみしさのあまり夜遊びを覚え、望まぬ妊娠など、人生の方向性が変わってしまう……。こんな地域が現実にあります。

某市の某小学校。生徒の7割は本土から移住したご家庭の子供たち。しかもこの市は文化教育の充実に力を入れているため地域全体の学力も高い。教育熱心で裕福な親御さんが多い地域で、スクールバスでインターナショナルスクールや私立学校に通わせているご家庭もあります。

そしシニア世代。ご夫婦で、あるいはシングルで移住される方、けっこう居ます。どちらにしても一番大事な点は医療機関。今は元気でも、加齢による体調変化は必ず発生します。

何かあった時、離島だと大変なことになります。海が荒れて船が出ない、なんて時もありますから、健康不安がある方にはお勧めできません。また、年金世代だから質素に暮らしたいという方も、離島暮らしにはお金がかかることを忘れてはいけません。多種多様な食材は手に入りませんし、バラエティに富んだ飲食店も少ないです。

本土の方が好まれるのは海辺に立つ別荘のような家。潮風が心地よく、波音は子守歌。都会暮らしで疲れた心を癒してくれます。

一見、理想的でしょ?

そんなところに住んだら大変ですよ~。潮風ってベタベタなんです。塩分が肌にまとわりついて、正直気持ち悪いです。シャワーを一日に2回、3回使いたくなります。洗濯物は乾きにくく、車は塩でボロボロ。夜の海でスマホのカメラをかざすと白い塩の粒が飛ぶさまを見ることができます。

海に近いヤンバル某所でのこと。台風の後、家が砂だらけになる地域がありました。これがホントの砂の城! ホースを出して家族総出で家を丸洗い! いや~、こりゃ大変だ。

地元の集落は海辺ではなく、少し奥まった場所、台風被害が少なさそうな所にありますよね。海辺を好むのは本土の方なんです。

あくまでも私の個人的な意見ですが、田舎に居住して自然や畑仕事を楽しむかわりに、図書館、映画館、美術館など、知的好奇心をくすぐる要素が犠牲になる可能性があります。

重ねて言いますが、シニア世代には素早く救急医療を受けられる地域をお勧めします。

今は元気でも、5年後、10年後は……? 

ビジネス世代ならば飛行機を利用しやすい環境がベストですよね。

ということで私の場合は、友人が移住した読谷村に半年ほどお世話になり台風で盛大な雨漏りと1週間もの停電に泣き、続いて沖縄市では浸水被害で車とコンピューターがオシャカ。最後に那覇市となりました。

近所には散策できる大きな公園がいくつもあり、スーパーは歩いて行ける距離に2店保舗、さらにコンビニ、郵便局、ドラッグストア、スタバ、マック、モス、すきや、ホットモット、ゲオ。飲み屋街まで徒歩10分。ゆいレールにもほど近く、車で10分走れば海辺の公園で自然満喫。古い住宅地にある我が家は台風を想定して建てられており、24時間救急対応の市民病院もご近所です。

なお、地方暮らしで忘れて成らないのが人間関係、この件はまた改めて✌

※本文は那覇移住をお勧めするつもりで書いたものではありません。田舎暮らしを希望される場合に注意してほしい内容を紹介いたしました。