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亡き父の メガネ活かして 盆供養

#鶴亀俳句

大城さんが、古いメガネをもってきた。レンズを入れてほしいのだという。

それは、懐かしのセルロイド眼鏡。

かつて、ロイド眼鏡というものがあった。セルロイドのメガネという意味だけど、同時に、アメリカの喜劇役者だったハロルド・ロイドが劇中にかけていたことから、二つの意味をひっかけて、ロイド眼鏡と呼ばれるようになったという。

戦前の日本の標準的な眼鏡であり、戦後も作家の大江健三郎さんが愛用してことで知られているが、セルロイドの眼鏡は、今日、ほぼ姿を消している。

現在のセルフレームはアセテートが主流だ。

セルロイドは熱に弱く、燃えやすいこと。劣化で白濁黄変しやすいこと、曲げ修正が効きにくいこと、などが原因だ。

一世を風靡しながらも消えていったセルロイドのメガネ。独特の艶感と色合いを求めるニーズがあることから、何人かの鯖江の眼鏡職人たちが復活させて今に至る。

大城さんの持参したメガネにレンズを入れてお渡ししたところ、スマホにメッセージが届いた。。

「亡き父のメガネで、良いお盆が迎えられます。」


というお話から、冒頭の一句のなりました。

亡き父の メガネ活かして 盆供養

#鶴亀俳句 #鶴亀大会