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ザ・眼鏡職人

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那覇のビッグメガネから、眼鏡のマニアックな世界をご紹介します。一番目立つブランドアイコンというファッションアイテムであると同時に、ライフスタイルを左右する大切な医療ツールでもある… もっと読む
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2021年4月の記事一覧

AIが変えるUC「ロービジョン革命から」

「ロービジョン」(視力障碍)は、生まれつきの人もいますが、不慮の事故や病気、また高齢化により引き起こされます。メガネやコンタクトなど通常の矯正方法では、見え方が足りません。ルーペ(拡大鏡)を活用して読書したり、日常生活に不便を強いられます。 高齢化により最近は、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、角膜混濁などの眼疾患によりロービジョンなってしまうケースも増えているようです。色や物、人を識別できない日常生活は、ほんとに大変です。 眼は、社会の窓。私たちは生活する上で多くの情報

あなたと私の世界は違う色

昔の話です。1990年代、タグを打ってウェブ制作を始めた当初、ユニバーサルデザインについて、一応自分では配慮してるつもりでいたんだよねぇ。 「世の中には、色の見え方が違う人が居るんだよ。青と緑の文字は見えにくいんだよ。だから、その系統の色は使わないよ。」 たった、これだけ。そう、分かったつもりで全然わかっていなかった。ということで。 ▼今朝の那覇。薄曇り。こんな景色です。 ▼あるタイプの人には、こう見える。 ▼そしてまた別の人には、こんな感じに見える。 視覚の多様

時代に翻弄されたカール・ツァイス

ドイツのツァイス(カールツァイス)は、精密光学のパイオニアとして、170年以上にわたって光学技術の分野をリードするレンズメーカーです。メガネ、顕微鏡、医療機器、そしてプラネタリウムなと高精度なレンズを世界に提供しています。 創業は1846年。ロベルト・コッホが1876年に、カール・ツァイス製の顕微鏡を使って炭疽菌を発見したことで知られていますが、それ以外にも多くのノーベル賞受賞者たちが同社の光学機器を活用してきました。 日本では、東郷平八郎が発売されて間もないカール・ツァ