蘇民将来のお守りが新型コロナウィルスから守ってくれる

 遠い昔、もう20年以上も前になるだろうか、京都の八坂神社で蘇民将来のお守りを買った。このお守りは芽輪に八角柱が吊るされていて「蘇民将来之子孫也」と書かれている。
 我が家では蘇民将来のお守りを玄関に供えている。このお陰で現代の疫病、インフルエンザから守られてきたと信じている。なぜなら我が家では今まで誰も一度もインフルエンザに罹ったことがないから。きっと新型コロナウィルスからも守ってもらえるだろう。
 神頼みかよって言われそうだ。一応、常識的な予防策はしているつもりだ。でも目に見えないウィルスを防ぐことって本気でやろうと思ったら防護服を着て外出をしなければならなくなるから、それは無理。引き籠るのは得意だけれど、そんなことをできる身分じゃない。そんなわけで外出する際に普通に予防をしてみても不安は消えないので、やっぱり最終的には神頼みになってしまう。

 お守りの有効期限は1年と言われている。古いお守りは持っていると逆効果だとも言われている。これは常若の思想からきている。
 常若(とこわか)とは神道の考え方で、常に若々しく弥栄を祈ることだ。その考え方にもとづいて伊勢神宮は20年ごとに式年遷宮をしている。
 お守りを携帯型のお宮と考えると、1年ごとに式年遷宮の如く新しくするという意味でとても納得がいく。傷んだり汚れたりした古いお守りは穢れが溜まっている感じがする。

 我が家の神棚に供えられているお札や、普段身につけているお守りは一般常識にのっとって一年ごとに買い換えている。でも蘇民将来のお守りは買い換えていない。理由は八坂神社が京都にあって、めったに行けない所なのでなかなか買い換えられないという貧しい理由からだ。
 けれど、伊勢神宮でさえ20年も式年遷宮しないのだから気にしていない。式年遷宮をしない神社はたくさんあるので、新しく社殿を建て替えなくても普段からきれいに穢れを祓っておけば大丈夫だと思う。
 我が家の古い蘇民将来のお守りは今までずっと私たちを守り続けてくれた。こうして文章を書いていて改めてありがたいと思ったし、凄いことだと思った。これからも今家にあるお守りをずっと信頼できる。
 それでもお守りを更新しなければという気持ちはある。次に八坂神社に参拝する時には新しいお守りを買おうと思う。それまでは玄関のお守りに穢れがたまらないようにきれいにしておこうと思い、今日は感謝の気持ちを込めてお守りの埃をはらった。

最後まで読んでくれてありがとう。この記事を気に入ってもらえたら嬉しい。