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蔵出し:日曜特別版(第4回)from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!今日は当時の読者の方からいただいたメッセージをまとめた「日曜版」です(丁度日曜日になった!)。

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 日曜特別版
      (1999/8/8発行) 第4号    (第2/第4日曜発行)
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 日曜版は皆さんからのメールをご紹介する特別版です。まずは最新号「アメリカ式ショートケーキ」に早速いただいた感想メールから。

◇ショートーキ? ですか? ひぃぇー!!!!マジ? 
 うーん、アメリカでおいしいケーキに出会わなかったのは、やっぱ国民性でしょうか?おいしそうにみえても、めちゃ甘かったり、あまりの原色カラーのデコレーションで、体にわるそーなんてみちゃうとニッポンのケーキのなんて繊細で、おいしーことか・・・ でも、今度いったら、ぐちゃぐちゃのショートケーキ、是非味わいます。これからも、楽しいアメすん、待ってまーす。(終)

一一一この「原色砂糖ジャリジャリケーキ」を甘いコーラと食べるのですか
   ら驚きです。私は近所に甘さ控えめ、手作りのケーキ屋さんを見つけ
   (が、サイズはでかい)3回位に分割して食べています。日本のケー
   キは本当に細工が細かく、去年帰国した時には写真に撮って帰ってき
   ました。(さ)
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 前回の日曜版の「日本でもディスポーザーを」という投書について、工学者の方から「ちょっと待った」という趣旨のメールが寄せられました。

◇環境問題が脚光を浴びる昨今にあって、アメリカ式の資源・エネルギー浪費生活はあんまりおすすめではありませんぜ。ディスポーザーで生ゴミを下水に流したら、その汚水を浄化するのにどれだけ水とエネルギーが必要か考えたことはありませんか?元で処理すれば、コンポスト化して肥料にするなり、せいぜいまとめて焼却で済みます。それを一旦希釈してしまったら、回収に膨大な手間が必要になるのです。理系の人ならばエントロピーのことを考えれば容易に理解できるでしょう。

エネルギーの観点だけではありません。日本の下水道普及率を考えて下さい。また、下水道の貧弱さ、すなわち管の細さ、下水処理場の下流に上水の取水口がある現状等を考えて下さい。アメリカと違ってインフラが貧弱なのです。すでに今でも河川に自然の処理能力をはるかに上回る負荷をかけているのです。
これにディスポーザーが上乗せされたらどうなるか、自明でしょ。一部の研究者がからだを張って日本におけるディスポーザーの導入を阻止して来たのです。知りませんか? 私たちはもっと感謝しなければなりません。

セントラルヒーティングも、当のアメリカで見直されつつある、という話を読んだことがあります。余りのエネルギー消費対価に音をあげて、部屋別の空調になりつつある、という話でした(出典不明につき確認できません、ごめんしてね)。ここでもインフラの話をすると、アメリカにはほぼ全戸に天然ガスのパイプライン網が張りめぐらされています。だからこそ成り立つシステムである、ということだけ指摘しておきます。

地球のキャパシティは有限だった、そう多くの人が最近実感しているでしょう。自分の都合ばかり言っていると、他ならぬ自分の首を絞めてしまうのです。この世の中はシステムなのです。もの事は単独では存在しえないのです。便利なことには必ず犠牲が伴う、ということを忘れないで下さい。  
                            一(ぱ)一

一一一ディスポーザーは確かに便利かもしれませんが、環境問題という点か
   らみるといろいろ問題があるのは否定できないようですね。他にも同
   じ趣旨のメールがありました。「世の中はシステム」という観点で便
   利さの裏を今一度考えてみること(ディスポーザーに限らず)、便利
   さに慣れきっている私たちにこれから特に必要だと思います。(さ)
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 次は、同じく前号の日曜版、郵便番号についていただいたメールです。

◇郵便番号の話ですが、この前NHKで来年から始まるデジタルテレビ放送の事をやっていて、なんでもリモコンで郵便番号を入力すればその地区の天気や地震速報が見れるそうです。結構これから活用されてくるんじゃないでしょうか。

一一一この他、郵便番号は「クレジットや、通販を利用する際の、最初の個
   人情報となる」という情報もいただきました。これから日本でも郵便
   番号が多目的に使用されるようになるのでしょうか。後は使い勝手で
   すね。(さ)
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世界のお弁当事情について、イギリス編をお知らせいただくメールと、日本ではお弁当作りにいかに力を注いでいるかを知らせるメールが寄せられました。

◇イギリスの場合、子供のlunchには軽いサンドイッチと果物(バナナかリン
 ゴ)とスナック(chipsとか)いうのが一般的だった様ですよ。(終)

◇はじめまして! 毎回楽しみにしてます。『アメリカのお弁当』について・・
昨年アメリカに行ったときのことです。アトランタからニューヨークに向かう飛行機に乗り込む際搭乗口のところにワゴンがあり、紙袋が積まれていました。何やら英語で書いてあったのですが、後ろから人が来ていたし立ち止まらずに何だろ??と思いつつ、飛行機に乗りました。丁度お昼どきのフライトで『どんな食事が出てくるのかな~』と楽しみにしてました。でも飛行機が離陸しても飲み物は出たのに食事は出ないのです。回りにいた人たちはガサゴソ例の紙袋を開け中からサンドイッチや果物(やっぱりリンゴだった)を取り出しおいしそうに食べ始めたではありませんか!そういえば『フライト ランチ』とか書いてあったような気がする。でもそんなシステムだなんて知らない私達はニューヨークまでの数時間ひもじい思いをしました。国内便て、そうなんですか?
(帰りのニューヨーク、アトランタ間では『絶対食ってやる~!』と意気込んでいたのに、私達の乗るはずだった便がキャンセルとなり急遽1便早くNYを出発することになりました。搭乗口のワゴンはカラでまたしても私達はお弁当にありつくことができませんでした。

ところで、イギリスでホームステイしたときのお弁当もやっぱり『サンドイッチ、リンゴ、ポテトチップス、ソフトドリンク』というもので、24歳の私でさえ足りなかった。 では、またね~。     一秋田県のえりちゃん一

一一一イギリスのお弁当の組み合わせ、「アメリカの幕の内」と全く一緒で
   すね。ルーツはやはり「イギリス」にあったのでしょうか??(さ)

◇世界の弁当の件で思い出したことがあります。以前テレビで都内で細々と維持されている自主的なインターナショナル幼稚園の様子をやっていました。ランチタイムも国際色ゆたかで、やはりサンドイッチにクッキーという欧米の子(なかにはせんべいの子も)ライスにカレールーというインドの子などもいましたが、いずれも日本のあの気合いの入った幼稚園弁当とはほど遠い、簡素な印象でした。栄養のバランスとか、彩り、とかメニューのバリエーションとか、日本のお弁当ってレベル高いなと。子どものためなら、エンヤコラってところなのでしょうか。かくゆう私も自分の住んでいる町には給食がないので、弁当づくりの日々です。しかし、いわいる「チンチン弁当」(冷凍食品)ってことも多いです。最近の弁当用の冷凍食品のバリエーションったらすごいですよ。

 ちなみに子どもに作るようになったからダンナにも持たせる弁当のことを
「ついでに弁当」と呼びます。お父さんのためだけだったら、作らないわけです。夏休みになったりすると、外食になるんですねー。やっぱり、日本はお子さま第一だなあ。アメリカでは、大人は大人(親は親)、子供は子供ってかんじで母親もそんなに子供に入れ込んだりしないように勝手におもっているのですが、いかがなもんでしょう。

私自身が外国の弁当を食べたのはイタリアで列車に乗り込んだ際に買った駅弁。白い紙袋のなかには、歯ごたえのあるパンに塩味のきいた生ハムが無造作にはさんであるサンドイッチと赤ワインの小瓶が。それはそれで味のあるものでした。でも、日本のように駅弁フリークみたいな趣味はおこりえないと思います。弁当の文化ってものも調べ上げるとおもしろそうですよね。  
                             一かなみ一

一一一「ケーキ」の細工の細かさもそうですが、「お弁当」にかける情熱も
   日本が並みはずれているようですね。「ついでに弁当」とはうまい命
   名ですね。うちでは「残り物弁当」が主流でしたが、、、。以前のト
   イレとお弁当(要するに食べ物の出入り?!)この二つを見るだけで
   も、何と様々なお国柄の違いが伺えることでしょう。おもしろいです
   ね。(さ)
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第17号「アメリカ人するための必殺スキル」にいただいた感想メールです。

◇「アメリカ人するためのスキル」とてもおもしろかったです。どうも、アメリカ在住の日本人で、「もっと日本人としての誇りをもて」みたいな(大きなお世話的)ことを言う人が多いんですが、だれだって初めての土地へきたら、その土地の習慣などを学んでいこうとするのが普通ですよねえ。なのに、そういう現地へとけ込もうとする努力を鼻で笑って、自分は高見の見物を決め込んでいるような横柄な日本人が嫌いです。そういう人に限って自分のアイデンティティーが薄いんです。さらださんのは、そういうお説教臭いことを言わずに楽しく異文化交流をまとめてしまうところに、センスを感じます。これからも是非長く続けて下さいね。 (終わり)

一一一何やら身に余る、お誉めのことばを頂きこちらが恐縮しています。そ
   ういう「誇り意識の高い」人っているんですね。こちらで日本人とど
   のように付き合うか、これだけでも立派なテーマになりそうです。さ
   て、次のメールは「私も使っています、そのスキル」というお便りで
   す。(さ)

◇私は週に一度、NJから来ている青年と昼食会をしていますが、時として
「必殺おしゃべりスキル」に、悩まされているのです。彼は、ほぼ食事のあ
いだ中しゃべり続けており、話のない時は、「アーとか、ンーとか言ってお
ります」おかげで私のスピーキングが上達しません。ま、ヒヤリングと
「Humm,humm」「Aha」だけは着実に上手くなっておりますが・・・。
                            一♪のん♪一

◇私もスキルその3「おしゃべりスキル」を常時愛用している一人です。そ
の他、オプションとしまして、body languageスキル(勝手に命名しました)を合わせて使ってます。これで、最初のコミュニケーションはバッチリなんです。最初が肝心だと思うんですけど。どう、思います。 一syumi一

一一一派手に手を動かす、口をへの字に曲げながら眉を上げて「困ってる」
   という表現をする、上級編は「ウインク」です。顔面の筋トレです。
                               (さ)
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第19号「句読点の使い方」にはやはり英語での論文書きに苦労したという方からメールが寄せられました。

◇いつも楽しく、へぇ~、ふぅ~んと日米の違いについて改めて考えさせられられたりしながら、読ませてもらってます。

「学校では教えてくれなかったじゃん!英語シリーズ」はとてもうなずけますね。仕事関連で、今度改訂になる学習指導要領の改訂ポイントについてまとめていたのですが、今回の大幅改訂で小学校では授業内容が3割も減っちゃうんですよね。おまけに休みも増えて、どうなっちやうんでしょうか。「総合的な学習の時間」というのが新たに設けられるそうで、それには英語に親しむのに英会話の時間があったりするそうで、すでに小学生でも英語塾に通う子達もかなりいます(この時間に行われる内容については成績にはつかないそうなのですが)。本当に早くから英語に親しめる様にするのなら、日本人が弱いとされるWritingの最低ルールみたいなものを、中学からでも少しづつ取り入れていって欲しいものですね。

学生時代やはり英語のレポートを出すのに四苦八苦したのを思い出しました。MLAの「新英語論文の手引き」という本を渡されて、こんなに事細かいきまりがあったのかと驚きつつ、徹夜しながら(書式に気を遣いながら)タイピングしていました。脚註や、出典(Bibliography)の書き方に引用のしかたetc.。
コロン、セミコロンも厳格で、昔はタイプライターでしたので、間違う毎に
「えぇーい!」と用紙を引き抜いてくしゃくしゃポイ・・か時間があれば修正液で塗りなおして・・という感じでしたが、今のようにパソコンが手元にあれば消したり、移動したりと簡単にできて、作成時間ももっと短縮されていたでしょうに・・・。苦労して書いたレポートも「あなたの意味する内容はなにを言おうとしているのかよくわからないが、一応、書いたという努力は認めましょう。」というコメントが帰ってきたりで、とほほ・・・だったような記憶があります(これは書式に関してではなく、やはり内容に問題があったのだとは思います)。思い出しても頭が痛くなりそうなことを、現在、野菜さらださんはやっているのですよね。スゴイです。頑張ってくださいね!                      一Jaime 一

一一一補足ですが、MLAとはModern Language Association の略で、こち
   らで広く使われている書き方スタイルの一つです。このスタイルは専
   門領域によって違い、私の業界はAPA (American Psychological 
   Association)スタイルを使用しています。なお前回の日曜版で、昭和25
   年頃の英語教育事情を知らせてくださった、chomicatさんからは「句
   読点の打ち方については教わらなかった」という情報を頂きました。
                               (さ)       
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◆さらだの”まだ疑問は解決していない”コーナー◆  ~回答が0の巻~

 前回の日曜版の「バナナの皮を茎(上)から剥くか、先端(下)から剥くか」という疑問には実は一通も回答のメールがきませんでした。余りにくだらん!疑問なのかもしれないのですが、バナナを食べる度に気になっています、、、。
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◆編集後記◆
 実は「システム編」(第14~16号)をお送りした際、これはどれかに反論の
メールが来るかな、特にSocial Security Numberについては意見が割れるか
もしれない、そう思っていました。今回、ディスポーザーの件では環境問題について議論できる機会が持て、こういうテーマも『アメすん』でもっと扱って、皆でお互いの意見が交換できる場になるようにしたい、そう思いました。(私はアメリカ人の些細な行動を見るのも好きですが、社会システムについてその利点、欠点などなどを考えるのも本当は大好きなんです。)
 「ノリは軽く、中味は濃く」そんな『アメすん』になるようにしたいと思っています。日曜版にたくさんの率直なご意見をいただき、本当にありがとうございます。これからも皆さんからの真摯なご意見をお待ちしています。
                              (さ)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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