蔵出し:日曜特別版(3)from 野菜さらだの『アメリカは,住んでみなくちゃわからない!』
※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです! 今日は当時の読者の方からのメールをまとめた「日曜特別版」です!
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野菜さらだの
『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 日曜特別版
(1999/7/25発行) 第3号 (第2/第4日曜発行)
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日曜版は皆さんからのメールをご紹介する特別版です。まず最初は大学生の方からいただいた感想メールから。
◇初めまして。ずっと“アメすん”を読ませてもらっています。自分は外国人
主体の、とあるMac Users Groupに入っているので、外国人(特にアメリカ
人)と接する機会は多い方なんですが、それでもやはりこういう弁当とか授業とかいった日常的な話題はなかなか知ることができません。
しかもMUGの外国人は居酒屋好きで、やたら“日本人”しているので...これからも期待していますので、どんどん“これは”っていう話を聞かせて下さい。 それでは。 (終わり)
一一一おもしろいですね。日本人しているアメリカ人、、。こちらにいる日本人がアメリカ人しようとするのも理解可能?ですね。(さ)
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前回盛り上がっていた「トイレ特集」に、ついに新しい企画登場(?)です。
◇はじめまして。毎回、実に楽しく読ませていただいています。蒸し返すようで恐縮ですが、またまた「トイレ」の話です。
オランダでは、小便器(日本で言うところの「朝顔」タイプ)の高さが、非常に高いのには驚きました。身長2メートル近い大男が多いオランダでは標準サイズらしいのですが、日本人には、爪先立ってやっとと言う高さなのです。ニッポン人が並んで、みんな一様に精一杯背伸びして用を足している姿は、今思い出しても可笑しくなります。
水洗ボタン一つとっても、国によって、その位置、形、そして作動方法も、押す、引く、回す、踏むと様々で、これを発見するのも楽しみの一つです。
ベトナムでは、水の入ったポリバケツにヒシャクなどという、素朴で分かりやすいのもありました。
チップの小銭がなく、泣く泣くお札で支払ったこと、入り口のプレートの文字が読めず、間違えて女便所に入ってしまい、ちょっとした騒ぎになったことなどなど、いろんな国を旅すると、トイレにまつわる話には事欠きません。
みんなの話を一つに集めれば、「昨今西洋トイレ事情」などという本が出来るかも。 (ウタマロさんより)
一一一この企画おもしろそうですね。実現できればさぞやおもしろいものに?この他「トイレ特集」にはやはり8歳年上女房を持つという方から「夫
婦で腹をかかえて笑った」という感想メールも届きました。(さ)
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次は、第14号「市内電話かけ放題サービス」にいただいたメールから。
◇さて、私が前にハワイに行ったとき、公衆電話で市内に電話をかけたのです。そのときは市内通話が電話し放題なんて知らなくて、長くなりそうだと思って何枚も話しながらコインを入れていたんですね。日本のように余ったら、切ったあとに戻ってくると思って・・・。
しかし、入れすぎたかな、そういえば市内だし、そんなかからないだろ~と思っても after festival(・・・寒い?)。戻ってくることはありませんでした。
アメリカの公衆電話って、こうなんですか?
一一一35セント必要なところに50セント入れてもお釣は返ってきませんね。
それ以上入れた場合はどうなるか、試したことがないので??です。
実は私は渡米直後、公衆電話の使い方自体がわからず散々苦労しまし
た。(Area番号の前に「1」を付けることを知らなかったんです、、)
(さ)
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第15号「郵便番号のシステム」については、ドイツ在住の方からメールをいただきました。
◇郵便番号制度はおっしゃるとおり、こちらヨーロッパもアメリカとにています。とくにドイツは統一後、郵便番号も統一させました。その結果、郵便番号を言えば、地元のタクシーの運転手さんも、どの地区かわかる、というぐらいシステム化されたものとなっています。
日本の郵便番号は、本当に郵政省が、手紙を仕分ける為だけにつけたものって感じがぬぐえません。それにくらべて、欧米では郵便番号が、地域番号にもなっているため、州名(ドイツの場合都市名)、郵便番号、通りの名前、番地、だけで住所表記がすむし、その表記がすべての書類に通用するんですよね。日本みたいにいちいち、県名から書かなきゃいけないんですよね。私みたいに本籍地が田舎の場合、字やらなにやら面倒くさいこと。
と、ついぐちってしまいました。いつも楽しく読ませていただいてます。
これからも楽しい話題を期待してます! (終わり)
一一一私も郵便番号とは手紙を仕分ける為だけのものと思っていました。私もこちらに来て初めて、こんな使い方もあるのね~と感心しきりでした。
郵便番号という発想自体はどこから生まれてきたんでしょうか??
(さ)
◇いかにもアメリカ・・・なシステムですね。日本の郵便番号の利用方法は、郵便番号それだけ。確かにもったいないですね。今どき使い道が一つしか無いなんて物、なかなかありません。郵政省には郵便・通信どちらにも頑張ってもらいたいもんです。
思うにアメリカは番号で管理するのが好きなんでしょうか?良く言えば合理的、悪く言えばめんどくさがりのような気もします。日本も「国民背番号制」の導入を考えてるらしいです。住民票一枚で何十分も待たせるのを止めてくれるならいいですけどね・・・でもなんだか鑑札札つけた犬になった気分になりそう、うーん。 (終わり)
一一一郵便番号と国民総背番号制、どちらも数字で情報を合理的に管理す
る、という意味で、確かに同一線上にあるのだと思います。ただ「何
を管理するか」については、よくよく検討してもらいたい、そう思い
ます(さ)
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第16号「全車両に車椅子用リフト付き一公共バス一」にはいくつか感想の
メールをいただきました。
◇私の叔父も車椅子の生活をしているので、とても興味深く読みました。日本では障害を持つ人はなかなか外に出ませんから、遅れているのかもしれません。それとも社会が遅れているから、出掛けないのか。ちょっと考えれば今すぐに改善できる事って、たくさんあるはずなんですけどね。そういう余裕が今は、無いんでしょうか。そうだとしたらちょっと寂しいですね。
(終わり)
◇障害者の人が一人で自由にどこでも行けるようになれば、それはとてもすばらしいことです。足を怪我して松葉杖で1ヶ月過ごしたことがあります。狭い階段、ドアの開け閉め、混雑する場所等とても苦労しました。私はたったの1ヶ月ですんだけど、それが生涯つづくのであれば、とても一人で出かけるなんて・・・考えれないと思います。 (終わり)
一一一日本でも「バリアフリー」ということが盛んに言われてきていると聞
いていますが、ある建物だけは車椅子用のスロープが付いていて、一
度外に出ると段差だらけ、といったちぐはぐな感じが拭えません。少
しづつでも変えていけるといいですよね。 (さ)
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「こんなシステムあったらいいな」最後のメールは、「アメリカにあって日本にないもの特集」というタイトルです。
◇アメリカにあって日本にないもので、私があったらいいなと思うものが2つあります。ひとつはキッチンについているディスポーザーです。臭い生ゴミがいっきに流れていくのは爽快だし、清潔です。でも日本は下水道の関係で容認できないそうです。アメリカにできてなぜ日本にはできないの!!
もうひとつは、セントラルヒーティングです。アメリカにいるときはどんなに暑くても寒くても、部屋の中ではTシャツ1枚でよかったのに、日本だと部屋によって温度差がかなりあるんですよね。でも我が家は狭いので全部屋を開け放してしまえばセントラルヒーティングになっているようなもんですけど・・。(泣) (終わり)
一一一他にもどんなシステムがあると便利でしょうか?? (さ)
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さて次は、特集「私は見た!こんな変わったお弁当」にいただいたメールです。
◇十数年前のシリコンバレーでのことです。なんと、ランチに日本式の(本当
の)幕の内弁当がデリバーされて、美味しく頂いた経験が有ります。海外に出掛けても(余り頻繁ではなく、短いので)「郷に入れば、郷に従え」的で、あまり日本食が食べたいとも思わない方なのですが、スケジュールの最後の方だったのと、日本人がくるから日本のベントウだ!と気を利かしてくれた事が嬉しかった思い出です。
野菜さらださん銘々の「アメリカの幕の内」も、確かに経験しました!昨年デンバーでの仕事時に、L.A.からの飛行機が霧の為大幅に遅れ14時頃に到着。お腹ペコペコで、ターキーサンド(?)にかじりついたのですが、意外と添え物のチップスの方が美味しかった!?思い出・・・そういえば、いつもランチにはリンゴ。多いですね?!それも、ワックスぴっかぴかの・・(まるで、エナメル靴みたいナ) (Tommyさんより)
一一一そのピカピカのりんごを皆、皮のままがぶりと食べるのですよね。
(さ)
◇はじめまして。いつも楽しく拝見してます。あれは21年前の夏に、一ヶ月だけ、アメリカのシアトルでホームステイプログラムに参加しました。毎日、ホストマザーの作ってくれるお弁当を持って、近くの学校で同じプログラムに参加してる仲間と一緒に英会話の勉強をしました。やっぱりお弁当の内容は、サンドイッチとくだものだけ。育ち盛りの私にはとーっても物足りなかったです。もちろん、日本の食文化や生活様式なんかも紹介したりしました。即席でしたけど日本茶をたてたり、おにぎりや分葱のお味噌汁なんかつくったりしたんですよ。シアトルは結構日系人の方が大勢住んでらっしゃるので、日本の食材も手にいれる事が出来ました。
そして、やっぱりと言うかなんと言うか、お味噌汁を作った翌日のサンドイッチには余った分葱がはさまってました。ガブリとサンドイッチに噛み付いたときに、かみ切れない長いままの分葱がパンの間に挟まってたのを発見したときは衝撃的でした。その日の夜、日本人は長いまま生では食べない(ですよねぇ)
旨をつたない英語で伝えたのですが、翌日も挟まってました。(終わり)
一一一「相手の好きなものを挟んであげよう」という気遣いですね。(さ)
◇アメリカのお弁当のお話ですが、納得して読んでいました。というのは、私が、以前ワシントン州で、1ヶ月間ホームステイをした時のことです。私のホストファミリーは、幸か不幸か、宗教上のベジタリアンでした。そこで、初めて口にしたのが、通称ベジタリアンミートというもので、イミテーションのミートでした。恐らく、豆か何かから作られているものだったと思うんですが・・・幸い私は、おいしいな、と思って食べれたのですが、友人達は、マズイと一言。私の口に合っていたので、今でもふっとあの味を思い出すぐらいです。(ただのくいしんぼう!?)そのサンドイッチプラス、クッキーとジュースでした。
その他、ベジタリアンのための食材で目にしたのが、イミテーションチーズと何とかミルクでした。乳製品が大好きな私には、耐え難かったんですが、そのミルクの味を言い表すと、日本の低脂肪牛乳に、水を入れたような、お味でした。私のイメージでは、アメリカ、イコール濃いものだったので、もっとこってりしたものが食べれると思っていたんですが、なかなか健康的な食生活が出来、アメリカで健康になって帰って来れました。
最近、よくアメリカで健康食品が流行っていると聞くんですが、さらださんの周りでも流行っているんですか?またそんな事も聞かせてください。
(終わり)
一一一私の周りではかなり流行っています。おっしゃるイミテーション食品
も近くのスーパーに結構置いてあります。 (さ)
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最後のメールは、昭和25年頃「アメリカ人の先生から」英語を習っていたという経験を持つ、chomicatさんからです。
◇前略。なかなか面白い読み物ですね。私は63歳になりますが貴女が体験しているアメリカ生活はもう30年以上前私が体験したのと隔世の感があります。
昭和25年頃には学校ですでにアメリカ人の先生に習っていましたが、ボストンの女性で完全なキングスイングリッシュ、canをカンといわずキャンと発音すればしかられました。今で言う仮定法が当たり前でしたから若い方が教えてもらえなかったと言うのは我々の世代では理解しにくいのです。仮定法のしゃべり方が当たり前で不躾な話方は全く出来ませんでした。もちろんその後仕事でアメリカにいた時も同じでした。皆自分の分をわきまえて行動した時代ですがニューオリンズではまだ戦争の爪あとが残っていて酷い目に合った事があります。今の若い人は自由に渡航できて良いですね。
トイレのカルチャーショックはさもありなんと思います。日本でも昭和20年ごろまでは一寸田舎へ行けば別棟にトイレがあって女性でも年配者は小のほうで立ちション、もちろんオープン。大のほうでも小さな戸がついているだけ。それが当たり前でした。紙は良くて新聞紙、わらも使われました。日本的感覚で、価値観で色々な国で生活したり旅行するとショックを受けますよ。
貴女がもし古き良き時代のアメリカの市民生活を垣間見たいなら現在あるかどうかわかりませんがバーバラベルゲデス主演の映画、ママの思い出とフランクキャプラの素晴らしきかな人生を見る事をお勧めします。但しまだ黒人の人権が全く確立されていなかった時代のあくまで白人社会だけを意識した映画ですから其のつもりで。当時昭和25年頃私の家の隣りにいたキッシュ大佐の奥さんは11歳の長女のエリザベスに決してコーヒーを飲ませませんでした。12歳以上でないとコーヒーは駄目といわれました。普通の家庭でそんな事が堅く守られていました。長々済みません。今後も楽しい記事を送ってください。 (終)
一一一英語教育についてですが、私も含め仮定法の使い方をきちんと知らな
いのはたぶん「日本の学校で日本人の先生に習った場合」なのかと思
いました。また推薦していただいた映画は早速見てみたいと思いま
す。(さ)
(原題は"I remember Mama"と"It's a wonderful life"です。昔の
映画にはきちんと邦題が付いていたのですね、そういえば。探すのに
は苦労しますが、最近の原題そのままカタカナ表記より趣があります
ね。)
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◆さらだの素朴な疑問コーナー◆ 皆さんの回答をお待ちしています。
先日、韓国人の友だちとバナナを食べたとき、私はバナナの茎の方(ふさとしてつながっていた方)から皮を剥き始めました。彼女は逆の先端部から剥き始めました。私はバナナは茎の方から剥くもんだとばかり思っていたので、びっくりして「どうして先から剥くの?」と尋ねたら、「だって剥きやすいでしょ」と。私は茎から剥く方が断然剥きやすいと思うのですが、皆さんはどうですか?
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◆編集後記◆
今回は60代の方からもメールをいただき、大変嬉しく思いました。30代なんてまだまだひよっこです。年齢、性別、職業などの枠をとっぱらって、自由に意見を交換できるのも、メルマガならではの長所なのだなあと改めて実感しました。既成の枠に囚われず、いろいろな方の意見をどんどん吸収していきたいと思っています。
また、初の特集「変わったお弁当」には、実は「私も見た!アメリカの幕の内弁当」というメールは寄せられたのですが、他の国の情報はありませんでした。もしかすると「お弁当」という発想自体が他の国ではないのかなあ?と思っていたら「以前何かのTV番組で、日本に住む外国人妻の悩みのひとつとして「子供の弁当作り」を取り上げていました。特に幼稚園のお弁当問題は 深刻らしくて、皆さん苦労しているとか。」というメールをいただき、やっぱりそうなのかなあと思いました。どなたかご存じの方いますでしょうか?
システム特集にも感想メールをたくさんいただきありがとうございました。次回の日曜版に向けてまた皆さんの感想、意見などよろしくお願い致します。
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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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