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🇺🇸金利上昇とMMF

 こんにちは。野菜のカブです。歴史的な高インフレと言われる中、2022年からFRBはハイペースで利上げを行い、それに連動して国債利回りも上昇しました。金利と株価はシーソーの関係にあるので、2022年はS&P500は19%安、NASDAQに至っては33%安と、大変な年になりました。

 さて、ポートフォリオを組むとき、「株と債券は反対の動きをする」なんて聞いたことはあるでしょうか?確かに、コロナショックの時は株価が暴落する中で、超長期の国債は大きく値上がりしました。ただ、金利と債券価格もシーソーの関係にあります。2022年は金利が大きく上昇したから…当然、債券も大きく値下がりしました。世界債券は18%安と、株式顔負けの下落率です🤣
こうして、金利上昇を前にしては、株と債券の分散投資が無意味であることが2022年の相場から露呈されてしまったわけです。

 金(ゴールド)はどうでしょうか?こちらはロシアのウクライナ侵攻を材料に年始は買われたものの、利上げが始まると下落に転じ、利上げ減速が観測され始めた年末までズルズルと下がっています。金は持っていても利息が付かないので、金利上昇の場面では売られてしまう傾向があるのです。金利上昇を前には、金も無力でした。

2022年の金相場

 では金利と連動して上がったものはあったのでしょうか?これは連日ニュースになりました。円安円安と。そう、ドルです。利上げによってマネーはアメリカに集まり、ドルが押し上げられました。日本の投資家は、ドルの上昇のおかげで株式の損失を割と相殺できたのではないでしょうか。
2022年の相場は、金利上昇はドルを持つことでヘッジできることを教えてくれました。

2022年のドル/円の相場

 ドルで手堅く金利上昇に耐える投資先として、米ドル建てMMFがあります。MMFは期間1年以内の取引が行われる短期金融市場で国債、CP(コマーシャルペーパー)・CD(譲渡性預金)など、比較的安全性が高い資産に投資するファンドです。MMFの価格は基本1.00で固定されていて、運用益は毎月分配、自動で再投資されます。元本割れの可能性はかなり小さいと言えますが、過去に金融危機が起きた際には元本割れしたケースもあります。
 MMFの利回りは、政策金利の動きに連動する傾向があります。MMFの価格は1.00で固定されているので、利回り=利率とも考えられます。利上げ局面では金利上昇に連動して受け取る分配金が増えるのです。

米ドル建てMMFの利回り推移

 以上より、金利が上昇して様々なリスク資産が下落する中での有効な退避先となるのが米ドル建てMMFです。そして、金利上昇が落ち着いたらMMFを解約し、株などに資金を回すという戦略も有効です。

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