見出し画像

ヤサイちゃん訪問記 つくば分析センター

今回はつくば分析センターに見学に来ました。
ここは農産物が皆さんのもとに届く前に安全性を確認する大切なところになります。
ヤサイちゃんも以前農業をしていた時にGAP取得農場であったこともあり毎年必ず野菜の検査を行っていました。ですがやることとしては栽培した野菜のサンプルを発送するだけで実際にどんなことが行われているのか知らなかったので、その検査の様子を見せていただきました。

皆さん野菜を購入するときにその野菜は見た目がいいのか、美味しいのか、そして安全なのかすごく気になることだと思います。
野菜の安全性について栽培者は最大限気を付けて管理をしていて、いいものを作ることを意識しています。しかし、普段食べている野菜が作られている実際の栽培現場に行って安全であるのかなどの確認をすることは難しく、不安に思う方もいると思います。そのような中でつくば分析センターでは野菜に残っている恐れのある残留農薬の検査を行っています。
今回はこの残留農薬の検査方法や検査をする意味などについて伺ってきました。

早速潜入調査!

まず、残留農薬の検査を行う目的は残留農薬が健康へのリスクのある値になっていないかを確認することです。
食品衛生法によって、各農産物、各成分ごとに基準値が決められていて、その数値を超えてしまった野菜は、販売等、原則禁止されています。これは、消費者のもとに健康的に危険のあるものが流通しないようにするためものです。つくば分析センターは、民間の会社なので、生産者さんなどが農薬の管理が適切だったかを確認する為に依頼してきています。
日本ではポジティブリスト制度という制度を取っていて、個別の基準値が設定されていない農薬については0.01ppmという値で定められ、厳しめに設定されていると知りました。

検査する成分の一覧を見せてもらいましたがすごい種類が多く、検査する野菜で使用する可能性のある農薬の成分から他の野菜で多く用いられている農薬の成分までありました。
このような制度は世界的にもあって日本のものが農薬まみれと言われていたりしますがその報道の中には海外ではあまり使用されない薬品がこの値に引っかかってしまうことなども含まれる場合があるということも知りました。

基本的に農業者は農薬散布の際には近隣へのドリフト(風でほかの場所に飛散すること)を防ぐための工夫や農薬の使用方法(ラベル等に記載されているもの)を守るなど作物や人、環境への汚染が出来るだけないようにしています。
しかし、万が一ということもあるので出荷前に野菜の農薬の検査を行っています。

今回は準備した野菜を使って一部、分析の工程を見学させていただきました。
まず、検査用の試料を細かくミキサーで混ぜていきその後の抽出ができるようにしていきます。

持参したナス
あっという間に粉々に

細かくしたものを少量とりわけていきます。
ここまでは見たままで分かりやすかったのですが、ここからは内容が難しかったです。

試料を攪拌する機械

溶媒を使うであったり抽出していきであったり難しいことが多くなってきて、いくつかの機械を通して検査できる状態にしていきます。1つの工程にある程度時間のかかるものが多くてすごく時間がかかるなと思いました。

抽出物を濃縮しています

最後には検体から検出された成分を高性能の機械を使って数値を確認していく作業です。
ここで使っていた機械が驚きの価格!!大きめのトラクター、田植え機、コンバインが買えるくらいの金額で思わず、これ1台でコメ農家になれますねと言ってしまいました。とても性能がいい機械と聞いていましたがビックリです!
そしてその機械から検出されたデータの見方を教えていただき、実際に見てみました。

設定など変えて検出していきます
検出結果の見方を教えてもらっています

指標としての農薬の成分値のピークと見比べてその成分が検出されているか判断するような感じでしたが実際の画面にはいくつかのグラフが出てきていて難しかったです。

一通り分析の様子を見学し、1サンプルやるだけでも待ち時間を含めてかなりの時間がかかり大変だと感じました。
残留農薬の検査以外にもお茶の成分の検査や、米の出来具合の検査なども行っていました。そちらでは結果の項目に成分以外においしさの部分にも触れられていて、農家さんにとっても検査する意味を生んでいていいことだなと思いました。

まとめ・感想
農家をしていた時、検査費用は高いなと思っていたのですが実際に検査項目や検査の様子を見てみると安全な野菜を販売するためにはすごく大切なことだと思いました。
検査している成分も実際に散布しているときに見たことがあるものから聞いたことのないものまであってここまで検査していたらきっと安全なんだろうなと思いました。

いろいろ教えていただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?