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事実は小説を書くためのkeyなり

高校の3年間、片思いをしていた
一年時の同クラで、たまに通学路で一緒になった彼女
2年でも同じクラスになりたいね、と言ってくれた彼女

それから違うクラスになり
疎遠になってしまった

卒業式の日
最後の通学路を歩いてると、前方に彼女の姿
彼女もこちらに気付き、何か話したげ
意を決して、彼女に近づく

後ろから
他の同クラ女子が来て
流れで一緒に行くことになり
彼女に話しかけることができなかった

彼女の寂しそうな後ろ姿が、忘れられない

卒業式を終え

名残惜しむ友たちを尻目にソソクサと学校を出る
大学の手続きとかあったから

いや、それも今考えたら
最後の打席に立たない為の言い訳でしかなかった

それから何年かして同窓会の案内が届いた
もう連絡取ってる友達もいなかったが
淡い期待を抱いて参加することに

彼女は、来ていなかった

彼女と繋がりがあった子に探りを入れてみる
たまに電話くるけど・・とのこと
それ以上は聞けなかった


「◯◯さんて方から電話あったわよー」

血湧き肉躍る

こんな感情は後にも先にもこれっきり、かな

そうか
探りを入れたあの子がアシストしてくれたのか!
そうに違いない!この御恩は一生、忘れじ!

ダイヤルをプッシュする指が、震える
そして電話に出た彼女

高校の思い出のイイ部分だけが鮮明に、蘇る
地学が得意だった彼女。ある日先生から当てられ夏と冬の気温が違うのは何故か、という問いに「太陽までの距離が違うからだと思います」ゆうたら「太陽の当たる角度の違いです」と、さらりと訂正した彼女。当時流行ってた黒のHOUSEI のバッグを持っていた彼女。ある日ストパーをかけて、グッと大人っぽくなった彼女。前の癖っ毛のお下げも可愛いかったよ。

昔話に花が咲く

どうしても伝えなくては
あの日、一緒に行けなくてゴメンと
そして俺がずっと抱き続けていた想いを

「ねぇ」

同じセリフを同じ時に口にして、二人で苦笑
それからお互いどうぞどうぞ状態になり
あのトリオみたいだねと、また苦笑

彼女に先を譲った
彼女も同じ気持ちなのかな?
それともただ揶揄ってるだけ?
実はもう、彼氏とかいるんかな?
結婚して子供がいてもおかしくない

だが
それでもいい
想いだけを伝えられれば

「お願いがあるんだけど」

うん

「次の参院選で、◯◯党に投票してくれない?」



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