ゲームの著作権/版権(ウォーゲームの場合)

先週から販売を開始したDecision Gamesの『Operation Causeway』ですが、商品説明に歯切れの悪い一文があります。

※3月18日現在、公式/非公式で発表されていませんが、地形効果表がデザイナーが意図したものになっていないようです。

ルールブック内に、日本軍と連合軍とで地形が戦闘に与える影響が異なる、と書かれています。ところが地形効果表の内容はどちらも同じ。となると、エラッタとちゃうんかいと思いますが、今の時点ではそうとも言い切れないのです。

Decision Gamesの場合、ゲームは著作権ごとの買い取りになるようです。よってデザイナーが完成させたバージョンとデベロップを終えた後のバージョンで違いがあったとしても、デザイナーとしては知らんがな、ということになります。有名なところでは日本語版も出た『Eisenhower's War』。デザイナーであるタイ・ボンバ氏がつくったものとは別物なので、デザイナーとしてはルールの質問に答えられない(答えようがない)とのことでした。

とは言え、地形効果表は間違いではなかろうかと思い、デザイナーとしてはどうだったんでしょうかとミランダ氏にメールして、オリジナルを確認させてもらった次第です。PDF版日本語ルールの地形効果表は、BGG / CSW Forumとも動きがないようなので、今のところ「非公式」となります。そのうちどちらかのフォーラムでユーザーから質問が出て、デザイナーが回答して、それが準オフィシャルになると思いますが。

メーカーが抱えているのが版権だけなのか、著作権丸ごとなのかはケース・バイ・ケースでして、特に昔の作品は曖昧だったりします。デザイナーから日本語版出してOKですよ、と了承が得られても、メーカーが著作権を持っているのかわからない。しかもそのメーカーと連絡が取れない、なんてこともあります。

そのへんクリアになると出版できる大物があるんですが……突破口が開いたらまたお知らせしたいと思います。

時効だから(?)書きますと、10年以上前に『No Retreat!』の日本語版を出したいと思い、デザイナーに直接連絡を取って了承が得られました。が、何勝手なことしとんじゃわれ(意訳)と、メーカーから横槍が。いやこの場合はメーカーが正しく、デザイナーとしては著作権は自分にあるものと思っていたのですが、契約上、メーカーに移っていたのです。そんなわけで『No Retreat!』の初版はメーカーからライセンスを得て日本語版が出ました。

ただこのメーカーの偉いところは、活動休止に当たって著作権をデザイナーに返した(そういう契約だったんですかね)ことで、そのおかげですんなりと『Bulge 20』の版権をデザイナーであるミランダ氏から取得することができました。年内に出る、出したい、出せればいいなあ。

あ、ボンサイ・ゲームズでは著作権はデザイナーが保持するものとし(SSシリーズで鈴木銀一郎氏が取ったのと同じ方式)、例えば海外からライセンスのオファーが来た時など、そのまま話を通させて(つまり中抜き(誤用)などせずかに)いただいておりますよ。

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