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非英語圏の英語ルールブック

多分にブーメランな内容です。

今年、スペインの新興パブリッシャー・スナフさんの『Ambon』の日本語版を出しましたが、驚かされたのが英語ルールブックが極めて読みやすかったこと。読めないのでスペイン語のルールブックは手にしていないのですが、章立ても文章も、例えばDecision Gamesあたりのルールブックを読むがごとしですらすら。たいへん助かりました。

ならばと、同じスペイン・ルドプレスの『アレア』の英語ルールブックに挑戦しましたが、こちらは大変でした。ウォーゲームのルールブックではあまり使わない表現や、統一すべき用語を分けて使ったり(close combatとmeleeとassaultとcharge、leaderとofficerとwarlordなど。使い分けに意味はありませんでした)。公開されている英語ルールブックの中に、同じ段落がダブって記載されていたりするので、もしかすると翻訳ツールの結果をコピペしたのかもしれません。また、後で説明されている概念が注釈なしで前のほうで用いられたりしているので、ルールブックの構成という点でそもそも問題があったのかも。

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▲「プレイの例」がなければ即死だった。

しかしながら「ご当地モノの魅力」には抗えない。アレア第36号は第三次リーフ戦争でスペイン軍が大敗したアンワールの戦いをテーマにしたゲームがついており、第37号の付録ゲームは第二次世界大戦中に連合軍が計画したスペイン保護領モロッコに対する上陸侵攻「バックボーン」作戦(初耳)です。イタリアの『パラベラム』もそうですが、ご当地ゲームはコンポーネントを見るだけでもいろいろ発見できて楽しい。

さて英語ルールブック、ちゃんとやりたいと思って幾星霜、未だに他人任せであります。しかしながら日本製ウォーゲームも英語圏でニーズがあるのも事実。ゲームマーケットで非常にありがたい参考書が出るようなので、こちらを買って(今度こそ)勉強したいと思っております。

個人の意見ですが、非英語圏の英語ルールブックの読みやすさは

ドイツ・フランス>イタリア・セルビア>>>中国>>>>>ポーランド

というところでしょうか。もちろんメーカー、ゲーム、デザイナーによりますが。

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