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1月12日CPI発表!相場はこう動く

1月10日は朝一にパウエル議長の講演があり、相場がある程度動くかと思われましたが、金融政策や経済見通しに関するコメントが一言もなく、相場的には意味のないイベントとなりました。株価としては1日を通じて良い動きとなりましたが、ナスダックが引き続き好調であることから、相場はインフレ・CPI、そして金利に対して楽観的に捉えていると考えられます。そのほかも大して大きなニュースもなかったので、今日は12日発表のCPIについて深堀しようと思います。重要な指標には変わりないのですが、今の相場では先日お伝えした通りEPSの見通しがより重要にはなってくると思います。

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12日消費者物価指数発表

次の大きなイベントは12日の消費者物価指数になります。FRBはインフレを抑制しているために利上げしているわけですが、その効果がでているかどうか、消費者物価指数の内容は1ヶ月の経済指標の中でも最も重要な指標と言っても過言ではないでしょう。

以前から動画で何度かお伝えしてますが、消費者物価指数(CPI)で大事なのは前年同期比ではなく先月同期比です。先月同期比が加速してるか減速してるかでリアルタイムのインフレ具合を測定します。今回予測では総合CPIが+0.0%、すなわちインフレ率0%を予想してます。エネルギー等を除いたコアCPIでは+0.3%とやや高めのインフレ率を予想してます。エネルギーやコモデティが落ち着いてるとはいえ、総合CPIがMoM+0.0%というのはやや楽観的な予想のように思えます。

重要なのはShelter(帰属家賃)

消費者物価指数には色々な指標がありますが、最も重要なのは総合CPIの3割、コアCPIの半分を占めるShelter(帰属家賃)でしょう。こちらが前回は+0.6%と結構高めの数字でした。既に住宅価格や家賃は下落し始めていますので、この帰属家賃にいつ反映されるかに注目してます。一般的にCPIは遅行指標と呼ばれており、帰属家賃もまた詳細は省きますが6ヶ月ほど遅れて数字に出ますので、そろそろ鈍化が期待できるのかなと思います。

住宅価格と家賃は既に下落

最も有名な住宅価格指数であるCase-Shiller 指数は6月をピークに下落してます。Shelterは6ヶ月遅れで反応しますので、そろそろ鈍化を期待したいところです。また、The Apartment List Researchが公表してる家賃統計データも12月は引き続き下落し、過去4ヶ月連続で家賃価格が下落してます。引越しのシーズンが8月に終わるので8月以降は下がりやすいとはいえ、過去と比較しても下落率は大きくなってます。

このようにShelterのベースとなる住宅価格や家賃の下落は既に始まってますので、一度Shelterの鈍化が見られたらその後インフレが加速するのは考えにくいと思われます。

原油・コモデティも下落

こちらは原油(WTI Crude Oil)とコモデティ(CRB Index)のチャートになります。30日曲線を引いてますが、こちらも12月を通じて下落傾向です。1月もさらに下落が続いているので来月以降も今の所は良い数字なるかと思われます。ただ、原油は中国の再開に伴って上昇になるのではと予測している人もいます

中古車も下落

先月、先々月のインフレの減速を大きく牽引した中古車も Manheimのレポートによれば12月はさらに11月比で0.8%下落してるとのことです。

所感・今後の見通し

まず第一に消費者物価指数がどうであれ、今1番の相場のファクターはEPSの成長予測になります。なのでこれが決算でどうなるか次第で上にも下にも動きます。

その前提で、一般的にはCPIの予測が上回ったら金利高、株価安、円安ドル高に動くと予想されており。予測が下回ったら金利安、株価高、円高ドル安に動くと予想されるでしょう。FRBの使命は金利を引き上げてインフレ率を抑えることなので、予測をうわまりインフレ率が高いとマーケットが判断したらFRBは金利をますます引き上げるだろうと解釈されるからです。

特にここ数日の株価の動きを見ている限り、ナスダックを中心とするテック株により恩恵があると考えられ本格的な金利低下局面になったらやはりベットすべき指数はナスダックではないかなと考えてます。

予想を上回る

まず予想を上回った場合ですが、その程度にもよりますが+0.2%程度の上振れであれば、発表直後、当日、数日は金利高、株安、円安ドル高で反応すると思われますが、数日も経てば金利は落ち着いてくると予想しています。なぜなら先ほど示した通り、インフレの全体トレンドは既に下落傾向に入っており、1月も今の時点では続落してます。相場は先へ、先へと織り込んいきますので、短期的に金利高で反応したとしてもそれは短期トレーダーの動きなので、引き続き長期トレンドではインフレ減速・金利低下の動きには変わらないと思います。当日よりで債券が大きく売られ金利急騰も、引けにかけて債券プラス、金利はマイナスで終わるなんてこともあり得るかもしれません。ただし、金利が落ち着いたからといって株価が上昇するわけではありません。それは決算次第でしょう。今回はやや楽観的な予想になってますので私は予想超えを少し警戒してます。

予想を下回る

既にある程度、楽観的な予想になってますが、もしその楽観的な予想を下回った場合は更なる金利の低下になるかもしれません。金利が低下した場合、一般的には株にとっては好材料ですので株価も当日・数日は堅調が続く可能性があります。特に金利低下に関してここ最近はナスダックはよく反応してるので、大きく下回ればここがテック株の底になる可能性もあります。米国の金利が下がることはすなわち円高・ドル安にもつながります。ただ、株式全体(S&P等)としてみれば一時的に金利低下で株価上昇したとしても利下げの時期はまだまだ先ですので決算が悪ければ再度売りに転じてしまうこともありますので、今現時点ではインフレ減速、金利低下でテックを含む株買いに飛びつかない方がいいかなと私は考えてます。金利低下で最も恩恵を受けるのは円と債券になりそうです。

引き続き債券中心に

引き続き業績反転のサインが見えるまでは債券中心に積みてたていくという方針でいいのかなと思ってます。引き続き債券には底堅い買いが入ってるように思います。ただ、最近の値動きを見ている限り金利低下に対してナスダックは良い反応をしているように思います。決算前に購入するのはリスクがあると思いますが、今回の決算を超えたら内容次第では債券とQQQに同時に積み立てていくというのもありかもしれません

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