ティモシー・ガルウェイのインナーゲーム(1)♪二人の自分
みなさんは、初めてラケットを持つ中年の女性が、
20分でラリーができるようになる、
と聞いたら、どう思いますか?
そんなはずはない?
でも、そのような、相手の能力を最大限に引き出して、
本人もびっくりするようなパフォーマンスができるように、
うま~く指導するコーチ、それが、ティモシー・ガルウェイ
でした。
本当にそんなことができるなら、
その人の理論、知りたくありませんか?
やる気と元気のでるコーチ♪
くわはらなおこです。
私がコーチングセミナー、というものを初めて受けた時、
講師の方に「何か良いお勧めの本はありますか?」と
お聞きして教えてもらったのが、
「インナーテニス」という本でした。
いまは、新インナーゲームという名前になっています。
折に触れ、再読する本、というものがありますが、
この本もそう。
何度読んでも、おもしろい!読むたびに発見があります。
私は、もともとの仕事が、音楽、ということもあり、
いかに本番で、
そのとき最高の自分の力を発揮するか、
いかに、短い時間で、
集中して質の高い練習をして上達するか、
というテーマは、
教える立場でも、演奏する立場でも、
長年かかわってきたことでもあります。
ガルウェイさんは、自分の中には、
二人の自分がいる、と言います。
彼は、それを、
セルフ1、セルフ2
と名付けました。
この二人、ほっておくと、あまり仲良くできないみたいなんですよね。
自分の中のこの「二人の自分の葛藤」をどのようにマネジメントするか。
実は、これは(コーチングの)コーチがやりたいことでもあるんですね。
なので、本の内容も少しご紹介しつつ
コーチングに関連付けて考えてみたことを
書いていきたいと思います。
♪前提;人は誰でも「エクセレントな自分=セルフ2」を持っている
よく私たちコーチも例に出すのが、赤ちゃん。
赤ちゃんが歩くようになるのに、
どんな指示も、ことばもいらない、ということなんです。
つまり、環境さえ整っていれば、
誰でも「できる自分」を内面にもっている、ということを
前提にガルウェイの理論はなりたっています。
すべての可能性を含んでいる自分、それを、ガルウェイは、
セルフ2 としました。
そして、あれこれ言葉で教えようとする、うるさい自分を
セルフ1 としました。
ちょっと考えると、考えるって良さそうですよね?
でも、パフォーマンスをよくするためには、
考えるのはジャマでしかない、
単なる雑念で、本来もってる能力を妨げている、と。
♪自分を邪魔するもの=セルフ1の妨害
ガルウェイは、自分を邪魔するのは
自分=セルフ1だ、と言い切っています。
セルフ2に対し、
何かをしているときに自分の中に浮かぶ知性、
あーしろ、こうするな、と
あれこれうるさく言う自分をセルフ1。
一人の中に、二人の自分がいるわけですね。
このセルフ1、まるでおせっかいで心配性なお母さんと、
口うるさい学校の先生(失礼!)を足したような存在です。
何か1つのことをやり遂げたい時に、
もし、横にいる人から始終次のように声を掛けられたら、
どうでしょうか?
「もっと、こうして」
「ちがう、ちがう、こうするのよ!」
「あー、それじゃだめだめ」
「ほら、もうちょっとで、○○よ、気をつけて!」
やれることでも、できなくなりそうです・・・
ここまででなくても、
励ましたり、頑張ろう!と力むのも、
あんまりいい結果を生まない、と彼は言います。
♪努力こそ上達の障害?!
曰く、
「努力こそ上達の障害」(*_*)
確かに、何かパフォーマンスしている時に、
「もっと頑張れ!」
「勝ちたい!勝たねば!」
という思いが渦巻いてたら。よけいに緊張しそうです。
うまくいったときに、
「やった!」
「ばっちりうまくいったぞ~」
なんて考えてると、次の瞬間・・・あれえ?ということ、
確かによくあります。
にしても、努力することが上達の障害とは!
おそらく、小さいころ、まだまだ言語能力が未発達だったころは、
何も考えずひたすらやる、ということができていた私たち。
いつのころからか、
言語で思考を始め、知識は増えていったものの、
そんなセルフ1のおかげで、逆に、
不安でいっぱい、自信のない自分になってしまったのかもしれません。
それでは、いったいどのようにすれば、
理想的なセルフ1とセルフ2の関係になれるのでしょうか?
関係を考える前に、
理想的なセルフ1のあり方、
理想的なセルフ2のあり方について、考えてみたいと思います。
(続きます)
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