見出し画像

ここで燃えなきゃ漫才師じゃねぇって話


いつぞやのビールをのむ太ちゃん。


 2022年が終わる。

Mウエストランド優勝おめでとう。初めて会った時から芸人としての馬力が、モノが違うと思ってはいたけど、チャンプになられちゃあもう何も言う事はない。本当におめでとう、なんだか誇らしいよ。

 

 我々ヤーレンズは敗者復活戦で6位。全国で15位…という事にしておこう。

恐らく出場者の中でカゲヤマの次に食えていないヤーレンズにしては大健闘。だが、それだけ。

15位という結果と、煽りVで使われた僕の断末魔が残って、また一から。また鬼のように漫才をする日々が始まる。


史上初の正統派高学歴最下位。
出番終わり、すぐに動画を撮るカゲヤマ。

 

 新生M-1が幕を開けて8年、準々決勝で落ちる事6度(3回戦1度)。本当に苦しかった。

「もう無理なんじゃないか?」

「門は閉じたんじゃないか?」

と何度も疑心暗鬼になった。

 そんな中、井下好井さんと長年一緒にユニットライブをやっていた。その井好さんは今年準々決勝で落ちて解散した。

どこかのタイミングで我々と結果が逆でも全然おかしくなかった。このお年頃になったら常に薄い氷の上に立っているようなもの。

 養成所の頃から組んでいる同期はラストイヤーを終えた。見取り図も、金属バットも、ランジャタイも、もうM-1にはいない。

ライブでも賞レースの会場でも、後輩に囲まれる事になる。

ありがたい事に「来年頑張って下さい」と言われるけど、友達が優勝して、卒業して、解散していなくなって、一番結果を出していないコンビが後輩に囲まれて食うや食わずでやっていく事は、そんなに簡単じゃない。

だから敗者復活戦の冒頭でNONSTYLEの石田さんが褒めてくれたのは凄く嬉しかった。
すぐに駆け出してチャンプに漫才の教えを乞いたかった。続けたいです、どうすればいいですか、と聞きに行きたかった。

明るい要素はそんなに無い。あと何年あるとか、そんな事は考えてない。背水の陣だ。

でもね、ここで燃えなきゃ漫才師じゃないぜ。

今年ようやく少し開いた門。その隙間に指つっこんで、来年は絶対こじ開ける。今年行けなかったのは痛いけど、いろんな人に知ってもらえた見てもらえた。今までより格段に。

状況はちょっと良くなってる気がする。ここ数年よりは見通しは明るいと信じて、来年もやり続けるしかない。

上手くて、速くて、全世代が笑うおもしろい漫才。

優勝できる。絶対に。

そうやって自己暗示のように自分に言い聞かせて、また2023年を勝負の年にする。誓いを立てる意味でここに書く。

来年変えるわ 人生。

コーヒーが飲みたいです。