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【珈琲】最近のお豆さん〜超音速の衝撃〜

コーヒーの話。最近飲んだコーヒーの中で特に美味しかった豆について。



“EL SALVADOR FINCA HIMALAYA”(GLITCH COFFEE)


フィンカヒマラヤというエルサルバドル共和国のお豆さん。



いたって個人的な話だが、エルサルバドル共和国 のコーヒーをあまり自ら選ぶ事はない。勧められれば飲む…程度の認識だったが、改めなければならない。



こちらがその豆。

GLITCH COFFEEなので当然浅煎り。

農園はFINCA HIMALAYA(標高1500m)。何がヒマラヤなのかは謎だ。

どうも複数の農園の豆をブレンドしてる事もあるようだが、2018年のCOE(カップオブエクセレンス)にも選ばれている豆もあるのでエルサルきっての素晴らしい農園のようだ。

しかし、問題はその下の精製方法である。


『SUPERSONIC NATURAL』


聞いたことがない。


精製方法とはコーヒーチェリーから果実を取り除いて種子(生豆)を取り出す際の作業方法

つまり…

これを

これにする作業の事。

多くはwashed (ウォッシュド)と表記される水で洗い流す水洗処理方法 


或いはnatural (ナチュラル) sun dry (サン ドライ)と表記される天日干しにして乾燥させた後に脱穀する非水洗処理方法


他にもその中間にあたるパルプドナチュラルや、スマトラ式など、細かく分かればたくさんあるが大体はウォシュドかナチュラルが相場だ。

そのどれでもないスーパーソニックナチュラル。

話を聞くと通常のナチュラル製法(非水洗式)を行った後に冷暗所で保管してさらに天日干し…といった三段階の工程を経るとても手間のかかる手法らしく(決して超音速で豆を発射するといった訳ではなさそう)

世界選手権で使うような、例えば100gで数万円するような高価な豆と同じようなクオリティのものをより一般層にも…という熱い思いから、有名なバリスタの世界チャンピオンのおっさんがやってくれてるらしい。ありがとう、おっさん。


そして肝心のテイスティングノート(味の紹介)を見ると…

FRUIT BOMB ...フルーツボムである。

果物爆弾。微笑みの爆弾や愛のバクダンなら聴いたことがあるし、もっとたくさん落っことしてくれてなもんだが、フルーツボムである。

通常はオレンジとかアプリコットとかベリーとかが書いてあるのだが、よもや爆弾と書いてあるとは…これはもう飲むしかない。


味は表情から読み取っていただきたいが、はっきり言ってどっひゃーである。

ベリー系の果実味のあるコーヒーはたくさんあるが、ここまで果実味が押し寄せてくるのも珍しい。ほかのどれとも違う複雑な酸味と甘み。フルーツボムの名に偽りなし。

良いコーヒーは冷めても美味しいなんて話を聞いた事があると思うが、これも当然冷めてからの方が味の輪郭がよく分かってくる。甘さがより感じられて美味しい。

果実爆弾の余韻を楽しみながらコーヒーが冷めるのを待つ…まさに至福のひと時である。




コーヒーが飲みたいです。