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外資系戦コンの「ケースインタビュー突破に向けて準備するべき6つのこと」

まえがき
私は、私立大学の文系学部を卒業した後、日系事業会社に新卒で入社し、7年間の勤務を経て外資系戦略コンサルティングファームに転職した経歴を持っています。
その転職の際の、半年から1年弱のケースインタビュー準備の経験を通し、複数のTop tierファームからオファーを勝ち取るだけでなく、ビジネスマンとして以後非常に役に立っているスキル・感覚を養うことができました。
この経験は、たとえオファーが1社からももらえず、前職に残留していたとしても、その後のキャリアを変えるようなインパクトがあったであろうと考えており、Noteを通じて皆様にお伝えできればと思い、記事を書くことにしました。
ひとりでも多くの人が、本記事を参照し、せっかくの一度の人生・キャリアを謳歌できるような一助となれば幸いです。
(適宜、内容を更新していきます)



この記事でお話したいこと

1. ケースインタビューの準備は、今後のキャリアにおいて役に立つ可能性が非常に高い

まず、このNoteをご覧になっているほぼすべての方は、特に戦略コンサルの面接を通過するためにケースインタビューを突破したい、と考えて記事をご覧になっているのではないでしょうか。

もちろん、戦略コンサルティング会社のケースインタビューにおいて、ほかの受験者より良いパフォーマンスを発揮し、熾烈な倍率を勝ち抜いてこそ得られるキャリアが戦略コンサルタントなのかもしれません。

しかしながら、ケースインタビューで良いパフォーマンスを出すために準備することは、大学生にとっても、社会人にとっても、(ひょっとしたら、幼稚園児にとっても) 必ず今後の人生・キャリアにプラスになるということを、MBBでの戦略コンサルタント経験を持つ筆者が、声を大にして言いたいことです。ケースインタビューは本質的には「問題解決能力」を問う手段の一つにすぎません。従い、ケースインタビューに必要な頭の使い方を鍛えることは、問題解決能力を向上させていることと同意なのです。

実際に、私は幼稚園に通う娘にも、日ごろからケースインタビューのような質問を投げかけ、自分で問題を定義し、解決する力をつけられるように意識しています(笑)
私は事業会社から転職して外資系戦略コンサルに入社しましたが、新卒でその事業会社に入社した時は、コンサルティング業界への興味は全くなく、ケースインタビューの存在すらも知りませんでした。
今、思うのは、「もっと早くケースインタビューの存在を知り、その練習をするというプロセスをなるべく早く経験しておくべきであった」ということです。

なぜなら、大手総合商社であろうが、戦略コンサルタントであろうが、きっと羊飼いであろうが、私たちが日々行っているのは、「問題解決」に他ならないからです。事業会社で優秀だと感じていた先輩や同僚には、例外なくこのスキルが自然と備わっていたのだなと実感しています。(一部の方々は、これまでの経験を通して、自然と問題解決スキルを身に付けているケースもあります)

それでは、ケースインタビューの練習を通して身につくのは、どのようなスキルなのでしょうか。私は、主に下記の4つのスキルだと考えています。
問いの設定) 本質的に解くべき「問い」を考える癖・習慣
課題の構造化) 複雑な問題を、解きやすい小さな単位の問題に分解する力
仮説思考) 問題に対して、自分なりの仮説を持つ思考力
ストーリー作成) 仮説をまとめ、意味合いを抽出し、ストーリーラインをつくる力

これらのスキルは、コンサルタントのみならず、すべての人が持っておいて損はないものだと信じています。
もし、もっと早くこれらのスキル開発に力をいれていたら、前職でもっと力を発揮できたはず・・・もっと早くゴルフのスコアを上げられていたかもしれない・・・もっと早く、このNoteのように、多くの人に自分の体験から仮説・意味合いをもとにストーリーを伝えられていたかもしれない・・・と思うのです。

また、問題解決能力を鍛えるというのは、特にマネジメントに求められているものでもあり、すなわち経営者への準備という意味でも非常に有益だと考えます。多様化し、急速に変化している市場環境やビジネスモデルの中で、企業や組織をいかに導いていくか。この時に求められるのは、30年ひとつのものを売り続けてきたり、つくってきたりした経験ではなく、問題解決能力を筆頭としたマネジメント力なのです。
従い、今後経営層に早くなっていきたいという方たちにも、ケースインタビューの対策を通じて、問題解決能力向上について興味を持ってほしいと思います。

つまり、これから戦略コンサルの道に進んでいかれる皆さんはもちろん、残念ながら縁がなく別会社や現在の企業に留まる方も、また、そもそも戦略コンサルのインタビューを受けないビジネスマンの方々、また学生の皆さんにも、ぜひこの問題解決能力の向上につながるケースインタビューというものに、興味を持っていただければと思っています。

2. 外資系戦略コンサルのキャリアは控えめに言って、"最高に楽しい"

それでもなお、あなたの直近の最も大きなモチベーションは、外資系戦略コンサルタントになりたい、ということであるかもしれません。私は大賛成です。

なぜなら、外資系戦略コンサルティングファームの仕事・職場は、控えめに言っても、会社員として実現しうるベストなキャリアの一つであると考えるからです。

人の観点において、社内と社外の関係者に分けて考えてみましょう。社内の関係者、すなわち同僚はきわめて意識の高い、いわゆるビジネス戦闘力の高いひとが多いと思います。ファームに入るまでは、勉強ができる秀才が多いイメージを持っていましたが、実際に入ってみると、それにプラスしてコミュニケーション能力が非常に高いひとが多数派であることに気づきました。これは、コンサルタントの仕事は常にクライアントワークとなり、最終的なバリューはクライアントがどれだけより良くなったか、で左右されるからです。クライアントに対するバリューを発揮するためには、自ずと対人関係の構築、深化していくことが求められます。(そうは言っても、新卒でファームに入って最初の1-2年は、いわゆるアナリストとして、分析や調査という直接クライアントとかかわりを持たない仕事をから鍛えていく、というのも事実です)
また、ほぼすべての人が極めて強く「能動的」に入社してきているため、前向きに仕事に取り組む雰囲気がしっかりと醸成されています。
例えば新卒入社の人たちは、経団連の定める一斉就活とは別で、独自に早期からインターンに応募し、英語でのレジュメも準備し、当然ながらケースインタビュー対策を自ら積極的に行ってきています。
また、中途入社の人たちも、すでに素晴らしいキャリアを築いていたにもかかわらず、わざわざそこから抜け出して、チャレンジをするのです。
意外に多くない、「能動的」な意思を持ち、実際に行動を起こしてきた優秀な人たちがあつまり、大企業の難題を解決していく集団というイメージです。
仕事それ自体、報酬面、その後のキャリアの広がりという観点では、また別の機会に話したいと思います。

3. オファーをもらう人に共通しているのは「違和感」の有無

ファームでは、多くの同僚が採用インタビューに参加していました。当然、守秘義務もあるので候補者に関する会話はまったくありませんでしたが、話をする中で気づいたのは、きっとインタビュアーとして自分が候補者と対峙したら、「違和感」がない人に通過してほしいと願うのだろう、ということでした。
ではその違和感はどこからくるのでしょうか。人となり、のような雰囲気みたいなものはここでは言及せず、あくまでケースインタビューに絞って考えてみました。
最も大きく、皆気づいていても意外と陥りやすいのが「設定する問い」に違和感が生じてしまうことです。インタビュアーが問題として聞いていることを正しくキャッチできず、まったく別の問いに答えてしまうことは避けなければなりません。これは、言うは易く行うは難し、といったところで、こんなことは当然のことだろう、と思うでしょう。私もそうでした。しかし、話しているうちに、本来設定すべき問いから離れた問題に行き着いてしまう、ということがままあるのです。
例えば、インタビュアーが「まず、おにぎりの市場規模を求めた上で、コンビニチェーンがおにぎりの売り上げを伸ばすための方策を考えてください」と問うたとします。候補者であるあなたは、おにぎりの市場規模をセグメンテーションに切ったうえで構造化し、1,000億円と算出しました。その後、いざコンビニチェーンの売り上げを伸ばす方策を考える際には、市場規模を求めた際のセグメンテーションを無視して議論を進めてしまうのです。
インタビュアーが設定してほしかった問いは、「市場で最も攻めるべきセグメンテーションはここで、このペルソナをこう仮定してみました。すると・・・」というように、市場規模で求めた際に分析したプロセスになぞって設定してほしかったのです。
私が考えるケースインタビューは、実務にできるだけ近づけたゲームを、現役コンサルタントが候補者と一緒にプレイしてみる、というものです。そこで重要なことは、いかに「実務を一緒にスムーズに進めている」という感覚をインタビュアーに持ってもらうことに他なりません。この違和感をいかにして取り除くか。この後紹介するの6つのことは、この目的のために行うといっても過言ではありません。

4. ケースインタビューは、「地頭」だけを計るテストではない

今までのお話にもあった通り、もしケースインタビューでの目的が、違和感を生まないこと、だとすると、地頭の良さがオファーに直結するわけではありません。もちろん、分析の鋭さや計算の速さ・正確さなどは戦略コンサルタントの必須要件です。しかしながら、それらが一定の基準を満たしている限り、地頭の良さとオファーの確立が比例しているとも限らないのです。
このあとご紹介する6つのことを実践するのには、図抜けた地頭は必要ありません。ここまで断言できるのは、私自身がそうではないからです。
私は、地方の田舎で高校まで公立の学校に通った後、私立文系大学に入学しました。そこでも合格点ギリギリで、在学中の成績も下から数えたほうが早いくらいでした。
そんな私でも、海外のトップティア大学や東大京大がボリューム層となるような候補者の中でオファーをとれたのは、効率的にケースインタビューというゲームを攻略できたからだと思います。

5. ケースインタビューに向けて準備すべき、6つのこと

さて、いよいよケースインタビューに向けての準備について話していきたいと思います。

どうすれば、インタビュアーである一人前の戦略コンサルタントに「違和感」を感じさせずに、この人と働いても良いな、働きたいな、と思ってもらえるのでしょうか。

これからお話しするのは、私が実際に実践してオファーを取得したものを、実務としてのコンサルティングも経験した上でより実態に即した形で更新したものです。インタビューを受ける前にも現役のコンサルタントのアドバイスをもらっていましたので、それをさらにブラッシュアップしてみました。
それでは、取り組むべき6つのことについて、触れていきます。

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