出発の儀

カメルーンは、足のかたちをしたアフリカ大陸の、ちょうど土踏まずのカーブ（ギニア湾）に位置する国。

カメルーンに出発する前には、いつも子ども達と地元の海に行く。
母さんは、海の向こうに行きます。
寄せては返す波のように、ちゃんと帰ってくるからね。

海の向こうにも、人の暮らしがある。
わたしの仕事は、海の向こうに暮らす人に出会うこと。
出会った先で、一緒にできる仕事を探すこと。

コロナ以降、海の向こうには行けなかった。
「すぐにまた会えるよ」と別れた人たちとの、1年半ぶりの再会。

再会の前に、また、海に行った。
これから出発します、と海に伝えた。
旅が始まる前の、出発の儀。