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家族はゆるやかに壊れていく #2

前回はこちら→https://note.com/yaotl/n/n222319153682 仕事を退職し、無趣味で、酒を飲み歩くことだけが楽しみの義父の話である。 ある日突然、その義父の片方の目が、もう片方の目と連動しなくなった。数日前には普通にゴルフに行っていたのに(とはいえ18ホールどころかその半分を歩く体力もなくなっているそうだが)。 慌てて各種精密検査を受けたところ、ウェルニッケ-サコルニフ脳症と診断された。 初めて聞いた時、ウェル…何?となった。 初耳の病名だ。

    • 家族はゆるやかに壊れていく #1

      そんなような名言をどこかで聞いたことがある気がする。 実際は、完全に幸せな家族などいないし、少し幸せで少し不満のある家族が大半だと思う。不幸な家族については「当たり前だろ」としか言えない。 しかし、昔の名言にケチをつけるのはやめにして、私の家族の話をしよう。 これは義父の話である。 義父は七〇代後半だが、数年前まで経営者という立場だった。中小企業の経営者にありがちなように現場が好きで、日本の本社にはほぼおらず、長年海外の工場に滞在していた。定年六〇歳? 六五歳? 何それお

    家族はゆるやかに壊れていく #2