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[なんてことのない話#4]今までで最もマシな卒業式と、友だちの話。
このシリーズは、日常の出来事にちょっとだけフィクションを加えた、物語です。
日々あったことを、ちょっとしたストーリーに載せながら書いていきます。
みなさんが少しでも共感してくれると嬉しいです。
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今日は、卒業式。
卒業式。
天候は晴れ。空は、真っ青。まさに、絵に描いたような卒業式日和。
今日は、もう教室には入らないらしい。近くにある施設に集合して、ちょっとした、朝の会。
朝の、7時50分から8時10分の間に入室完了する必要があるらしい。
いつもより、少し遅めに家を出ても大丈夫そうな時間だ。
ただ、答辞を仕上げなければ、、、、。やることは、意外とある。
そこで、今日は、いつもより30分早い4時半に目覚ましをかけ、起床することにした。
働き者の目覚ましくん。ばか正直で、真面目。必ずセットした時間に起こしてくれるいいヤツでもあるし、時には敵でもある。
今日は、いいヤツの日だ。ちゃんと起こしてくれたおかげで、着々と準備は進み、卒業式は近づいてくる。
そして、6時半。我が家は、平日はこの時間に朝食が始まる。私も、部屋を出て、キッチンへ。
一息つきながら、割とのんびりと朝ごはんを食べる。うん、いい朝だ!
そして、6時50分。食器を片付け、自分の部屋へ。続きの作業に取り掛かる。
そして、気がついてしまった。制服のボタンをつけるのを忘れていたということに。
いつもは、身だしなみとかほとんど気にしないが、今日は少し気になる。急いでボタンをつけると、出発まであと5分。
やばい!まだ、着替えてもないし、準備もできてないのに、、、、。
いそいで、着替えつつ、片手で、ipadを操作し、答辞をプリントアウトする。なんとか、ギリギリ間に合いそうだ。
着替えも終わり、プリンターが吐き出した答辞を急いで手に取り、バックに詰める。
自転車に乗り、急いで学校へ。
8時ピッタリに学校に到着。まぁ、間に合ったって感じだ。
集合場所の施設に入る。もうほとんどみんな揃っている。
卒業式の日とあって、少しいつもとは違う空気が漂っている。
赤い花が配られる。あの卒業生が胸につけているアレだ。ちょっと、こころなしか安っぽい気がするが、、、。
ま、多少は許してやろう。ww
それを胸のポケットに入れ、先生の話を聞く。
「今日は、卒業式です。」
みたいなことを言っているような気がする。
で、そこから謎のフリータイムが出現。教室はにわかに騒がしくなる。
友達のところに手紙を持っていく姿もチラホラ見える。
もうすでに手紙を読んで泣いている人もいる。
いや、もう読んだんかい!!
読むなって言われてるのに、読む人もいるし。まったく、ちょっとした混乱でしょ。
友達と連れ合って、トイレへ。便器のところに、
「臭々警報発令中!」
と書いてある。初めてだ。こんな張り紙は。こうやって、文章にしようとしても、変換が出てこない。
うん、面白いわ!ww
部屋に帰って、いよいよ入場。
ちょっと、深めに礼をして、入場する。いつも思うことだけど、卒業式の入場のときってなんであんなにゆっくり歩くんだろうか?
あんな歩き方をすると、どうやって歩けばいいのか見失ってしまう。
あ、もしかして「当たり前のことを見直す体験」というのをさせようとしているのだろうか。うーん、卒業式でする必要があるかなぁー。
ゆっくり歩くというのが、なんだか面白くて、更にゆっくり歩いてみる。
先生がめちゃくちゃ見てる気がする、、、。
堂々と胸を張って、先生の目を真っ直ぐに見返す。あっ、目をそらされた、、。
出席番号が一つ前の、Kくんを見る。おい!笑うなよ。アブナイアブナイ。つられて笑うところだった。
そんなこんなで、卒業式は始まる。
まずは、卒業証書授与。この行事のクライマックスだ。クライマックスが一番最初に来るものなんて他にあるだろうか。
たかが儀式。されど儀式。それらとどう付き合っていくかは、一人一人が考えなければいけない。
私は、この状況をできるだけ面白いものにしようと努力することに。
返事をするタイミングを少しだけ早く。そして、卒業証書をもらうときに、少しだけ大きめの声で「ありがとうございます。」という。
自分だけ、心のなかで少し楽しめればそれで完璧だ。
お次は、式辞。
まずは、PTA会長。つぎに、校長先生の順番だ。
今年は、某ウイルスの影響で、来賓の出席がなく、式辞の数が極端に少ない。
いやぁーーーー。うれしいぃーー。ww
いつも思ってたこと。それは、なぜほとんどあったこともないような人が、自分たちのことをわかったかのように話すのを聞かなければいけないのかということ。
それが、とても示唆に富んだものだったり、感動するものだったら喜んで聞きたい。
でも、そんな式辞とはyoutubeでしか出会ったことがないので、、、。
ま、校長先生の話はご多分に漏れず内容が入ってこない。
それでも、話を聞こうと必死に目を向けて耳を向けて頑張るが、心が向かない。
読解力が足りないのか、何が言いたいのかが伝わってこない。
ただ、一生懸命何かを言おうとしていることがわかる。うん、それで十分だ。
そして、次は、在校生の送辞。新生徒会長のNくんが前に立つ。
真面目で、実直なNくんらしい送辞。
とても、うれしい送辞だ。
心から思ってくれていることがよく分かる。こういう人が、人から好かれるんだろうなとも思う。
ほんとうに、いい人だ。これから先の中学校で頑張っていってほしい。
(どこから目線だよ!?ww)
そして、私の答辞。(元生徒会長なので、答辞があるんです)
この答辞も色々なストーリーがあるのだけれど、長くなるので今回は話さないでおく。
椅子を離れ、ステージに上る。
先生方とステージの国旗に軽く礼をして演台へ。
当時の原稿を包んでいる半紙のようなものをゆっくりと剥がす。そして、そこには、2種類の原稿が。
一枚は、先生のチェックを受けて作られた正規?のもの。もう一枚は、最終的に自分で考えたもの。
さて、どっちを読むのか。結局、自分のを読むことにした。
冒頭の文章は、どちらも同じだ。
そして、ところどころ違うところが出てくる。ちらっと先生の方を横目で見る。
満面の苦笑。
こんな苦笑は初めて見た。
ま、それはほっといて、みんなの顔を見る。
最前列・2列目・(3列目もかな?)にいるのは、3年間毎日のように見続けてきた顔。
飽きるほど見てきたはずなのに、いつもとは違って見える。
そしてその後ろには、在校生。少なくとも1年は同じ校舎で同じ時を過ごしてきた人たちだ。
そしてその後ろ。そこには、誰よりも長く共に時間を過ごしてきた保護者の人。
色々な思いが、この体育館に集まっている。その空気に、少しでもなにか追加できるように。必死に長い長い文章をみんなと共有する。
実のこと言うと、校長先生の式辞よりも長い。
長い文章は嫌いな人なのに、、、、。
ま、今日は、許してもらおう。
卒業生の顔をひとりひとり見回す。でも、直視はできない。思いが溢れて止まらなくなってしまいそうだから。
くすくす笑っている人もいれば、涙を浮かべている人もいる。
この答辞では、泣かないように、笑いと思い出をいい感じに挟んであるはずなのに、、、。
もう!!まともに顔を見れないじゃないか!
ようやく、答辞も最後に差し掛かる。
って、え!?
最後の一枚がない、、、、。
何月何日卒業生代表〇〇っていうところだ。
私は、日付を覚えるのが、少し苦手で覚えていないし、、、。
あっ!そうだっ!
先生の検閲を受けた?方の原稿には、日付が記入されている。それを見ればいいんだ。
ガサゴソと、もう一つの読まれなかった原稿を取り出し、最後のところを読む。
ふぅーーー。
危機一髪。危なかったぜ。
が、最後の難関。答辞が半紙に入らない。そりゃそうだ。だって、原稿1つ分用におられた半紙に、2つ分の原稿を入れようとしているのだから。
ま、いっか。なんだか、半紙はふわふわしているが、これでよしにする。期せずして、なかなかいい終わり方に。
そうして、国旗に軽く礼をし、ステージを降りる。
赤絨毯のところで、
先生方に向かって深くて長い一礼をする。
ほんとに迷惑をかけました。ありがとうございます。これが、私のやり方です。先生たちのことを嫌いなわけではありません。
色々な思いを込めて、長い礼をする。
着席。
あとは、校歌を歌って、退場するだけ。
ま、退場もなんやかんや。少しだけ、一人遊びをする。
あー。今までで一番マシな卒業式だった!!
そして、最後のHRへ。
一人一言ずつ、メッセージを言っていく。
泣いていて、なかなか言葉が出ない子もいる。
自分の感情をストレートに出すことができるのは、強いなと思う。悲しいときはしっかり泣いて。嬉しいときは思いっきり楽しむ。
そんな人に憧れる。でも、私にはできない。それでも、そういう人達を見ているとつられそうになる。同じ感情を共有したい。自分の思いと素直に向き合いたい。
ヘラヘラ笑ってるのは、悲しいという気持ちを隠すためだと思う。それはそれで、十分に悲しんでるんだけど、、、。
もう、何が言いたいのかわからなくなってきたので、ここらへんで終わりにする。
そうやって、HRが終わったあとは、写真撮影会。写真は苦手、、、、。
でも、思い出として撮っておきたいという気持ちもある。
そして何より、この人達と会うのは、これで最後になるかもしれない。
別に、今の学校がめちゃくちゃ好きって言うわけではない。むしろ、もうちょっと良くなればいいのにって思うことも多々ある。
きっと、どこの学校に行っても、誰と同じクラスになってもおんなじことを思うんだろうなというのは感じる。
でも、私にとっては、このクラスが全てだ。
離れ離れになりたくないと思うし、ずぅっとこのメンバーでいたいと思う。
どこが好きとか。そういう話じゃない。このクラスが好き。
でも、同時に、早く、卒業してみんなと別れたいという気持ちもある。
だって、これから先はもっといろいろなことがあるはずだから。中学校なんて世界を飛び出して、もっと広い世界に行きたい。
そして、将来どこかで、更に成長したこの人達と会いたい。
ま、どんなことを思っても、どんなことをしても。文字通り、泣いても喚いても、卒業だ。
3月いっぱいは一応、中学生のようだけど、それでも、卒業。
みんな、ありがとう。ほんとに、ありがとう!
そして、またいつか会える日が来ることを祈っています。
どう表現したらいいのかわからない気持ちをやっぱり表現できないけど、ここらへんで終わっとこ。
何回目かわからないけど、ありがとう。そして、
Goodbye for a while and hope to see you again someday!
-終
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