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朝ドラに見る時代の空気感

最近、脳みそを使う時間が増えたので、意図的にnotoから遠ざかっていました。5月に入り人付き合いも減りました。社会から距離を置いた隠遁生活です。

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毎日、同じような生活をしていますが、朝ドラ「虎に翼」だけは毎日すごいスピードで時代が流れていきます。時折映る新聞は不穏な記事が書かれています。先週まで彩り豊かな着物を着ていた人が、地味なモンペとカーキの国民色になりました。豊かな食卓は質素で量も減りました。いよいよ主人公の夫が出征しました。どうしようもない時代の流れに流されていくしかないのです。

私たちは歴史を学んでいるので、これから主人公や家族が辛い想いをしていくことが予想されるので、そこに希望がないことを知っています。

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いつも思うのですが、戦争が始まっても明治維新になっても急激に生活は変わらないのです。偉い人が住む都市部から、じわじわと地方へと広がっていったと想像します。

毎日の生活が急に変わるわけではなく「あれ物価が上がったな。」「最近モノが少なくなったな。」「なにかと法律の締め付けが厳しくなったな・・・」とゆっくりと生活が変わっていき、気がつけば庶民はモンペを履いて食材を求めてあちこち走り回っているのです。

「虎に翼」もですが、朝ドラ「カーネーション」でも同じようにじわじわと庶民の暮らしの変化が描かれていました。

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私の娘がいいました。「私たちは、就活も婚活もなんでも頑張らないと手に入らないのよ。お母さんたちはなんでも何となく出来ていた時代の人でしょ。」

なるほどその通りです。バブル後期の豊かさは今とは比較もできません。仕事は成果を求められ厳しい。能力のある人はスキルアップし消えていく。そしてさらに人手が不足し人間関係もギスギスしてくるという悪循環のサイクルに飲み込まれているのです。

「なにより給料から引かれる社会保障費は50%近い。結婚も出産も夢を見ることさえ難しいのよ。」娘がため息をつきました。

人は生まれた時代を選べないのです。これは朝ドラ「芋たこなんきん」で戦争中のシーンでのよく似た台詞がありました。

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失われた30年の総決算か、最近の生活はハッキリと苦しくなっていきています。6月からは電気代も上がるとか、もうため息しかでません。私の日常の変化は、ドラマに見るような戦争前の空気感に似ているなと感じるようになりました。

つまり現在放送中の朝ドラ「虎に翼」はその空気感が恐ろしいくらい現代とリンクしているのです。恐ろしいことに戦争前に空気感に類似しているのです。

とはいえどのような世の中になっても私たちは生きていかねばなりません。泣きながら食べて寝て、朝ドラの主人公たちのように立ち向かって生きていくしかないのです。

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こんなことを考えるのに脳みそを使っている私です。

平和だからこそ知的障害者の息子は散歩に出かけます。私は本を広げます。

不穏な空気感を感じ恐れながら、平穏な今この瞬間には感謝しかありません。

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