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【短歌】「年下の君、年上の人」その弍

「夏の色」

年上の人           年下の君

不機嫌の           髪切った
その原因は          我に気づかず
我にあり           先歩く
君の変化に          君の背中に
気づくことなし        あかんべーする

            
別々の             腹を立て
時間のながさ          言葉の槍を
測るより             浴びせども
過ごす時間を          喧嘩にならず
測ってみよう          年上の人


梅雨明けに          地下街の
咲きはじめるか        花屋のワゴン
ロータスは。         夏の色
君が好みし          陽も当たらずに
泥に咲く花          向日葵が咲く

あとがき

 この2人は私の創作作品のレギュラーなのですが、名前がありません。かつてシナリオ講座の脚本家の先生から、黒澤明監督は「7人の侍」の時に、一人1冊のノートを費やすほど、人物設定を綿密に行ったというエピソードを聞きました。

 ですのでせめて名前ぐらいは、と思うのですが、監督ほどの凝り性でもない一般人の私は、名前をつけるのが苦手で、名無しのまま数年が経過しています。決まっているのは、男女の歳の離れたカップルという設定ぐらいです。今はそれだけです。

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