病人モード
息子がコロナ感染の疑いが濃厚となった時には、もう私は感染は濃厚です。
狭い部屋でストーブつけ、ゴロゴロしている息子と一緒にいます。
一縷望みがあるとしたら、私の免疫力でこの状況をやり過ごせるかです。
いま振り返るとおかしな兆候が出ていました。
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昨日、柔軟剤を詰め替えたあと、キャップの隅に柔軟剤の塊を見つけました。爪楊枝でこすって、その塊を流しにポトリと落としたまま忘れていました。
夜、レタスをちぎって洗っているとき、1枚のレタスの葉を流しに落としました。手触りが変だなと思いながらも、面倒なのでお皿に盛り付けました。
さて食べるとどうもおかしな味がします。レタスがほんのりフローラルの香りがしました。こりゃまずいと息子に「おかしな味がしたら、食べなくていいよ。」と注意をしました。息子は知的障害者なので、いちいち声かけをしなければ危険回避が難しいのです。
息子はニヤリと笑い、フフンと鼻を鳴らし、何を思ったのかお皿のレタスを一口で全部押し込みました。「偉いやろ。」と言わんばかりの得意げな表情はアホにしかみえませんでした。
こうして私と息子はフローラルレタスを食べてしまいました。でも息子と私が変死した時のために娘に、柔軟剤レタスを食べたことを伝えました。とりあえず墓は要らないので、〇○寺に入れてねと連絡しました。フローラルレタスで命を落とした場合は末代まで笑いのネタにして良いと追伸しておきました。
よく考えると注意力が散漫すぎます。
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読みかけの小説「錨を上げよ」の最終巻を読了し、そのまま寝てしまいました。するとソビエトの巡視船に追いかけ回される夢を見ました。海は冷たく流氷も浮いています。これは「錨を上げよ」の第3巻にあった情景でした。私は氷の海は寒い寒い!!と震え上がって目が覚めました。
まだ夜中です。夢から覚めても頭が痛みます。これは感染したかもしれないと、すぐにロキソニンを服用し、もう1度横にまりました。
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朝目が覚めると、喉が痛みます。でも熱はありません。少し咳もでます。「いよいよ来たぞ」と葛根湯を服用し、気合を入れて掃除、洗濯、買い出しに行きました。
帰宅すると回復した息子が本屋に行きたいと騒ぎます。その時分には私は、カラダも怠くすっかり病人のようになっていました。遊びに行きたいと騒ぐ息子を放置して毛布にくるまって寝ました。
しっかり食べて、ゆっくりしています。昔から見たかった「白線流し」のドラマを見ました。見ている間、若き日の長瀬智也と柏原崇の美しさが薬になったようです。
見終わった頃には、喉の痛みを再び起こってきました。これから本物の薬を内服します。対処療法で乗り切ります。
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フローラルレタスを食べ、ソビエトの巡視船に追いかけられるなんて、やはり通常ではありません。
私はやはり病人でした。
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