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閑話休題〜10代最後の長崎、50半ばの長崎。〜

10代最後の夏、短大のゼミ旅行で訪れたのが長崎でした。

木製で平家の長崎駅、角の店でカステラを買ったことしか記憶はありません。

それでも街を歩くと、あの夏の記憶が、ポロポロと蘇ってきました。

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茶碗蒸しを食べようと、店に辿りついたら、ちょうど火曜日の定休日でシャッターの前で悔しくて、ぎりぎり歯軋りしたこと。後にその店は吉宗というお店だと、長崎で生まれたという友だちが教えてくれました。

稲佐山のホテルで盛り上がりまくり、階下からクレームが来たとか。

島原で、服のまま海で泳いだ人がいたり。若さが弾けるような旅でした。

26人聖堂は音の響きが美しい場所でした。ちょうどソプラノとアルトがいたので、讃美歌を歌いました。誰もいない展示室に私たちの歌声が美しく響きました。100倍増しで天使の歌声みたいでした。

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はるか昔の旅を思い出話をしながら歩きました。

「若いって、ほんとバカみたいなことして楽しいよね。」ひと回り年上の三重さんがつぶやきました。

「確かにバカだったね。でもさ今もあまり変わらないよ。バカみたいに楽しかったわ。」

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道に迷ったり、歌ったり、酔っ払って盛り上がっていた、あの夏の長崎。

あれからゼミの先生は長い闘病生活の末に亡くなりました。奥さまから「短大で教えていた時代が1番楽しかったとよく話していました。」と聞きました。 

確かにどの写真の先生も私たちもみんな楽しい顔をしていました。

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あの夏、大浦天主堂の前で4人で写した1枚の写真。すごく楽しそうな女の子たち。

1人は東京へ嫁に行き。
1人は稼業を継いで、社長になった。
1人はケンカして、消息不明
私は、また長崎へやって来ました。

50代になって、息子と友だちと再び訪れた長崎を楽しんでいます。

また新しい思い出が増えました。

これが生きる喜びなのだと思いました。


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