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来ない朝

こんな苦しい夜から逃げ出したいはずなのにそれよりも朝が来て欲しくない。

明日が来てしまったらまたこの苦しみを忘れてしまうのが怖い。

明日が来てしまったらまた学校に行かなきゃいけないのが怖い。

クラスの人達が心配しているよと言われても心配させている事が申し訳なくて行けない。

励ましてもらっても学校に行けない事は変わらないのが怖い。

毎朝親が学校に電話する受話器を持って怒鳴ってくるのが怖い。

何もついていけない授業が怖い。

蒸し暑い自分の部屋にまた帰ってきて物理基礎の教科書を開いて訳の分からない単語を何度も反芻して懺悔する様に勉強をしたつもりになるのが怖い。


このぬるま湯のような鬱に浸かったまま、微睡むように死ねたらいい。朝は来なくていい。

心地の良い憂鬱な夜のままでいるか、もしくはこんな最悪で居心地の良い夜に向かう途中の焼けるような夕日に染まった部屋で終わりたい。

終わりたかった。

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