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中国における不正の典型的なパターンー利益相反&不正会計

利益相反取引

会社の役職員の利益相反取引に関する考え方について、中国と日本とで大差はありません。

中国の会社法や労働法等の関連法規にも、当然、利益相反取引の禁止又は制限に関する規定がありますが 、中国現地法人の役職員が不正な利益を獲得するために、自らが会社を設立し、又は親戚や友人をして会社を設立させたうえで、当該会社を利用して、不当な条件で、中国現地法人と取引を行うことが、業種を問わずに、存在します。

利益相反取引は、製造型現地法人の調達担当者と販売担当者がよく利用する不正手段です。特に親戚や友人の会社を通じて行う場合は、実務上、日本本社や現地法人内部の調査ではなかなか発覚しにくいです。

特定の従業員による利益相反取引に関する内部通報を受けても、確実な証拠が見当たらないため、証拠不十分によって調査を終わらせてしまうケースがよくあります。

不正会計

中国現地法人の董事長又は総経理は、現地法人の業績を良く見せるために、不正な会計処理を行うケースがよくあります。

不正な会計処理は、特に長年現地駐在をしている董事長又は総経理が本社の業績目標を達成するために行いがちの不正です。多くの日本企業は従業員の出向期限を厳格に守っていますが、人材不足等の諸事情により、中国現地法人の駐在員を長年変えない日本企業もあります。これらの現地法人の場合は特に留意する必要があります。

不正な会計処理の手段としては、日本での不正会計と同じように、資産又は収入の過大又は過小の計上、収益や費用等の期間帰属の操作、架空の収益の計上等が散見されます。


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