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ノリノリのマンボ!で涙する ~ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ

見る度に、胸が熱くなり、涙してしまう動画があります。

グスターボ・ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラが演奏する「マンボ」の動画です。

「マンボ」は、アメリカの指揮者・作曲家の、レナード・バーンスタインが、ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」のために書いたダンス音楽。ジャンルを超えて、世界中の人々に知られている曲です。

「マンボ」は南米生まれの音楽。幼い頃から、心身に染み込んだラテンのリズムに、湧き上がる喜びを抑えきれない演奏者と聴衆。アンコールとはいえ、クラシック音楽のコンサートとは思えない光景。

「これが本物のマンボなんだ! 知らないオーケストラだけど、メンバーも観客もラテン系のよう。老若男女みんなで音楽を楽しんでいる! 私も歓喜と熱狂の渦の中に入りたい!」と、感動の涙を流したのは8年前のこと。

それからは、ふと思い出しては、この動画を見るように。
どんなときでも、必ず感動させてくれる、オーケストラと聴衆のみなさん。
お金を使わずに、約2分間感動できる、ありがたい動画なのです。

演奏しているシモン・ボリバル・ユース・オーケストラは、「エル・システマ」という社会活動から生まれたオーケストラ。

「エル・システマ」とは、1975年ベネズエラでスタートした「誰もが平等に音楽教育を受けることが出来る」社会活動です。

ベネズエラは、中南米でも特に治安の悪い国。
犯罪や薬物、虐待、貧困に苦しんでいる子どもたちが多くいます。
「エル・システマ」は、そんな子どもたちに音楽を通して、協調性や規律を学び、目標に積極的に取り組む姿勢を育んでいくことによって、希望や誇りをもつことを目的としています。

現在、60万人の子供たちが参加。多くのユース・オーケストラや子ども合唱団が生まれました。
クラシック音楽以外にも、ポップス、民族音楽、ジャズといった、数多くの音楽ジャンルの楽団も輩出しています。

音楽で、希望や誇りを持った若者たち。
喜びと生命力に溢れる演奏は、聴く人の心を熱く、動かすものがあります。
そして音楽は、心だけでなく、行動や、人生をも変える力があることを、この動画の中の、音楽と人々に教えてもらったのでした。

ちょっと疲れた日のお昼休憩。人目のつかないところに座ります。
YouTubeで「マンボ」と検索、画面をタップ。
ヘッドフォンから聴こえるのは、いつものトランペットの音に、パーカッションのリズム。スマートフォンの画面を見つめながら、鼓動が高鳴るような音楽に、人々の歓喜する姿に、胸が熱くなり、人知れず涙する私。
そして「音楽って、最高! 今日もきついけれど、もうちょっと頑張るか」と思うのでした。

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