専門家とは
あるひとつの連絡
大学教員になってから「専門型裁量労働制」を正確に理解しないまま1年が経ちましたが、所属する大学からある連絡が来たことをきっかけに調べることにしました。
それは、「教員は教育や校務に携わる時間が、月の労働時間の半分を超えないこと」という内容でした。
大学に着任して、専門型裁量労働制についてフレックスタイムくらいの感覚でいたのですが、実際は労働時間について完全に自分の裁量に委ねられていることを知ったのはつい最近のこと。
これは着任以来ずっと授業に追われており、1年間サラリーマンのようなリズムで仕事をしていたためでもあります。
専門型裁量労働制
専門型裁量労働制では、任された授業や委員会の業務をこなせば、あとは一般の会社員のように決められた時間に仕事をする必要はないのです。
そして冒頭の連絡は、その専門型裁量労働制が適用されるには、教授研究の業務のうち、主に研究に従事するものに限るというルールに基づいて発されたものでした。
これはつまり、研究をしない教員は専門性の高い業務に従事しているとは言えないということなのでしょう。
この業界のことをほとんど知らないサラリーマン出身の私は逆に、教育と校務に勤しむ教員ほど評価されるものと思い、自身の実務及び研究活動は遠慮しながらこの1年間過ごしていた(授業に追われていたことも大きい😅)ので、これは本当に青天の霹靂でした。
研究者たれ
思い返せばこの件以外でも、大学からは「教員は研究者たれ」というメッセージが端端で発されていたように思います。
ちょうど実務家として大きなプロジェクトが始まるタイミングで、当初は教育と校務の都合を考えて身を引こうかとさえ思っていましたが、このことで気持ちが切り替わり、このプロジェクトに正面から力いっぱいぶつかろうと思います。
そして、高い成果をあげると同時に研究材料としたいと思います。
助手も非常勤も経ずに専任の教員になった異端児(?)の私は、大学教員という仕事について少し誤解をしていたようです。
実務と研究と教育と
実は着任をしてから、教育についてはいささか考えることがありました。
心理や教育を専門に学んでいない私が学生に対して、自分の専門以外の何か常識めいたこととか、行動の様式を押し付けることに強い抵抗感があったのです。
そのモヤモヤに一つの光が差し込みました。教育と公務もとても大切なのですが、その前に私は専門家です。私はこれからまずその専門性を高めることに注力し、学生には専門家としての私の背中を見て、自ら考え、感じてもらいたいと思います。
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