最低賃金1,002円に思う
先日、最低賃金の引き上げが決定し、全国平均1,002円(宮崎は最低クラスの892円)となりました。
働く人は少しでも高いほうが良いし、経営者は少しでも安いほうがいいという、真実の問題です。
この両者のバランスをうまくとるのが、適正な最低賃金だと思います。
わたしは経営者目線ですから、一般の意見にはそぐわないと思いますが、一般消費者が1円でも安いところから買うという心理に近い、と考えていただけたら少しご理解いただけるかと思います。
ここ数年、最低賃金が上がり続けています。
中小企業に影響が出る、とマスコミにでていますが、私たち農業者は零細企業です。全国でみれば、農業に限らず、この零細企業が占めていると言っても過言ではないでしょう。
零細企業に価格決定権はありません。
しわ寄せは、自分の身を削ることしかできません。
特に農業の分野で言わせていただくと、価格は需要と供給のバランスで決まります。それと店側の「値ごろ」も重要です。
「1円でも安く」買いたい消費者の「圧」は、ものすごく大きいものです。
農業者の人口は急激に減少しています。
令和3年の全国の新規就農者は3万6890人で、49才以下は7,190人だそうです。
これで全国の農地が守れ、日本の食を守る農業を維持できるはずがありません。
実感として、近所に若者はいません(67才のわたしも、村では「ワケもん」)。
あと10年、確実に20年後には、この村も、いや地域全体が限界集落(危機的集落)になっていることでしょう。
農業はキツイ、儲からない。
何故なら、価格決定権がないから。
最低賃金から、はなしが飛躍しましたが、消費者の皆様、どうか農業のこの現状をご理解いただき、「食を守る」という視点で温かい声援をいただきたいと、切に思うしだいです。
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