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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら」

今から14年前に出版されて大流行した本。当時30代だった私は読書から遠ざかっていたことと、流行り物にのっかるのはダサいと勘違いをしていたので手に取ることはなかった。

現在はSUNABACOのDX講座の卒業制作真っ最中なのだが、講座で紹介されたことをきっかけに制作の合間にいっちょ読んでみるか!という気持ちで読了。
当時読んどきゃ良かったわ、これ。もちろん今からでも遅くはないと思いつつ、仕事の仕方や生き方変わってたかもしれない。(大げさ)


要約

知らない人はいないと思うが、概要をChatGPTさんにご紹介いただく。

岩崎夏海による「もしドラ」シリーズの「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は、ビジネスの現場で応用されるドラッカーのマネジメント理論を、高校野球のマネージャーが学び、実践する物語です。

要約:
この本は、高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメント理論を学び、野球チームの経営に応用する様子を描いています。ドラッカーの考えを実際の現場でどう生かすかというプロセスを通じて、マネジメントの基本原則をわかりやすく説明しており、ビジネスだけでなく、スポーツや日常生活における応用も示唆されています。

ChatGPT Pro

要約にあるように物語形式なので読み進めるのに苦労はなかった。最後は物語として悲しい部分もあるんだけど、さっと読めるしオススメ。「マネジメント」かじったと言えるようになる、かどうかはわからないw

これより気になった点をつらつら書いていくのだが、各章と「マネジメント」の取り上げ箇所がズレているように感じると思う。これは前章で取り上げたものを次の章で実践のような物語の進行になっているので引用を間違えているわけではない。

第一章 みなみは「マネジメント」と出会った

マネジャーの資質(129ページ)
根本的な資質が必要である。真摯さである。(130ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

マネージャーとして管理能力などの才能はあるに越したことはないが、真摯さが必要。人を扱う役割なのだから当然。能力高くても真摯さに欠ける人には誰もついて行かない。

あらゆる組織において、共通の物の見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、「我々の事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠(22ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

組織の定義づけ。自分たちがどのような組織で何をするべきなのかを組織全体で共有していないと、そもそも何をしたらよいかわからなくなる。多様な人が集まるのが組織なのだから定義を明確にしないと同じ方向に向かうことはできない。

第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ

企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。(23ページ)

真のマーケティングは顧客からスタートする。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。
顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである(17ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

提供側の都合でいくら良い製品やサービスを提供しても今の時代は特に相手にされない。顧客を満足させる事が大切。プロダクトアウトではなくマーケットインの考え方、ここにも出てくる。

第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ

マネジメントは、生産的な仕事を通して、働く人たちに成果を上げさせなけれなならない。(57ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

成果を上げさせるためには働きがいが必要。意欲が湧かなければ良い仕事はできない。

働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなけれなならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習か不可欠である。(74ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

自分事として当事者意識を持つには責任が伴っていないといけないことは同感。他人事だとどうしても仕事そのものに身が入らずおざなりな対応になる。また責任を持つことで、何とか役に立ちたいと思える。

専門家にとってははコミュニケーションが問題である。自らのアウトプットが他の者のインプットにならないかぎり、成果はあがらない。
このことを専門家に認識させることがマネジャーの仕事である。組織の目標を専門家の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアウトプットをその顧客の言葉に翻訳してやることもマネジャーの仕事である。(125ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

エンジニアの端くれではあるが、もはや最前線ではない身としては最前線で活躍している彼らと現場の橋渡しをしている。このやり方については正しかったようだ。間に翻訳者が入らないと大抵の場合喧嘩になるので、地味だがとても重要な役割だと認識している。

第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした

成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。(262ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

仕事は準備が9割!来るチャンスに何も準備できなければ即応できない。そのためにもマーケティングを先におこなうことはとても重要。

人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。(80ページ)
人は最大の資産である。(79ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

人がいるからこその組織。顧客もまた人。最も大切なのは人なのである。行き過ぎた個人主義が横行している現代、人を大切にして活動できる組織は強い!

消費者運動が企業に要求しているものこそ、まさにマーケティングである。それは企業に対し、顧客の欲求、現実、価値からスタートせよと要求する。

マネジメント【エッセンシャル版】

企業の目的は顧客への価値提供。それができずに顧客から要求されるようでは先が知れているということ。マーケティングは常に必要と認識。

第五章 みなみは専門家人の強みを活かそうとした

仕事を生産的なものにするには、四つのものが必要である。
①分析である。仕事に必要な作業と手順と条件を知らなければならない。
②総合である。作業を集めプロセスとして編成しなければならない。
③管理である。仕事のプロセスのなかに、方向づけ、質と量、基準と例外について管理手段を組み込まなければならない。
④道具である。(62ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

①は何をすべきかを決める目標設定。②③はPDCAのことと理解。④道具、自分の場合だとまともに動作するPCとかかな?

自己目標管理は強い動機づけをもたらす。(140ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

人に押し付けられるより自ら決めたことのほうが当然やる気出るよね?という理屈。ごもっとも。
まあ、中には人には決めてほしい層も一定いるので、それはそれで構わないと思う。ただし文句は言ってはいけない。

働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。(74ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

一人一人に役割と責任を与えるとと働きがいが生まれる。自分でやってしまった方が早いので人に任せなかった過去を反省。

イノベーションとは科学や技術そのものではなく価値である。組織のなかではなく、組織の外にもたらす変化である。(266、267ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

顧客はもちろんのこと社会に対しても良い影響を与える価値がイノベーション。組織の中にいても外を見ていないとイノベーションは起こらない。
組織内に目を向けすぎず、外の世界との接点をなくさないことが大切と理解。

イノベーションの戦略は、既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。
イノベーション戦略の第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てること(269ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

過去の成功体験に囚われず、接触的にマーケティングをおこない、新しい価値の創造に試行錯誤し続けることが必要。

マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題の解決について貢献する役割がある。(9ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

会社単位で言えばCSR、社内で言えばセクショナリズムを排除して協力し合いなさいということか。

第六章 みなみは専門家人の強みを活かそうとした

正当性の根拠一つしかない。すなわち、人の強みを生産的なものにすることである。これが組織の目的である。(275、276ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

適材適所だけにとどまらず、人の持っている強みを他者のために活かす。利他的に行動することで自己実現にもつながる。これを組織として実行できればかなり強いものになる。

人は、優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを試みる。(145、146ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

新しい試みをすることを推進する。挑戦に失敗は付きものであるし、このVUCAの時代何が正解かわからないのだから試行錯誤するしかない。失敗を許す(むしろ称賛)文化を醸成しないと未来はない。

トップマネジメントのメンバーは、自らの担当以外の分野について意思決定を行ってはならない。
トップマネジメントのメンバーは、仲良くする必要はない。尊敬し合う必要もない。ただし、攻撃し合ってはならない。会議室の外で、互いのことをとやかく言ったり、批判したり、けなしたりしてはならない。(228ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

DX講座にも出てきたオルフェウスの原則におけるチームの考え方に近いと感じた。お互い自立して行動することで責任を分担できる。

真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。(147ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

能力云々、できるできないではなく、人や仕事に対して真面目で熱心に取り組んでいるかどうか、そこがとても重要。
信頼のない関係は何についても上手くいかない。

集中の目標の目標は、基本中の基本というべき重大な意思決定である。(29ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

限りあるリソースをイノベーションの元になる新しいことへの取り組みに集中させるためにもとても重要。やらないことリストやトレードオフ・スライダーなどを使い、やることはもちろんだが、それよりやらない決断をすることこそ大切であることを知った。

第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ

成果こそ、すべての活動の目的である。
成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯覚を生んではならない。仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。(200ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

努力そのものを否定することはないが、成果(アウトプット)なしには単なる自己満足で終わってしまうだろう。

成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段(147ページ)

マネジメント【エッセンシャル版】

組織の中においては特にだが評価が重要になる。それによる金銭的なリターンや権限の拡大が、行動に遥かに影響をあたえることは間違いない。

最後に

終盤にが悲しい結末を迎えつつも、無事甲子園への切符を手にしたって、それは小説ですからね。
ただ、最後の正義の言葉
「ぼくたちは、顧客からスタートしたいのです。」
ここにすべて回帰するのだなと。
顧客開発から始めよう!
SUNABACOのDX講座の直後ということもあり良い復習になった。

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