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【減災学習】今年度最後の理科の授業

最近、東北地方で震度6強の地震が起きたり、和歌山でも小さな地震が続いていることもあり、南海トラフに関係する巨大地震がいつ来るのかと少し敏感になっています。

これまで、家の模型やAR、VRなどを使って、地震の伝わり方や和歌山で予想されている津波や液状化現象の実験をおこなってきました。実験を多くしたのは、現象をできるだけ自分ごととしてとらえてもらいたいからです。

今回の授業では、大きな地震による災害に備えることは、和歌山に住んでいる私たちにとって非常に身近な問題です。「命を守るため」にどのよう準備をしておくことが大切なのかを「減災」の観点で考えてもらいました。

<気象庁のWebから地震情報を読む>
3月16日に起こった東北の震度分布を気象庁のWebページを使って調べました。震度の分布が同心円状にかなり広範囲に広がっていることを確かめました。また、震央のすぐ西側の相馬市だけでなく、少し離れた石巻市の北に位置する登米市が震度6強になっている原因についてもみんなで考えました。


<標高を調べる>
南海トラフによる地震の津波は、和歌山市の到達時間40分、津波高8mと想定されています。自分達がどんな高さに住んでいるのかを国土地理院の地理院地図で調べました。画面の左隅に標高の数値が出ているので、簡単に調べることができます。

土砂が高野山から紀の川を流れて河口付近に堆積物がたまってできたのが和歌山市なので、標高が低いところが多いです。こういう地形を沖積平野といいます。

<南海トラフ地震のムービーを視聴>
内閣府作成のムービー(南海トラフ地震対策編全体版)を視聴しました。
「海溝型地震が起こる仕組み」や「100-150年周期で南海トラフ沿いで巨大地震が起こっている」こと、「何分でどんな高さの津波がやってくるのか」についてとてもわかりやすく解説してくれています。特にCGでの津波の被害がわかりやすいです。

<東京防災ブック>
「防災と減災の違い」や「自助」「共助」「公助」の解説しました。
そのあと、避難開始までの準備時間が5分ということで、何を持って逃げるのかをグループで話し合いました。


大体のグループが「 スマホ」「 お金」「 衣類」「 食べ物や飲み物」「防災バック」などと答えていましたが、あまり「ラジオ」「毛布」といったものは出てきませんでした。

そこで、どのようなものを持っていけば良いのかを東京都が作成した「東京防災ブック」をみんなで見ました。330ページもあり大ボリュームですが、かなりのおすすめです。

<地震に対するアンケート調査>
授業の初めのロイロノートのアンケートを紹介しました。

【質問1】地震に対してどう思っていますか?
 大変怖い73% 少し怖い14% あまり怖くない10% 全く怖くない3%

【質問2】恐ろしいと思うことは何ですか?(複数回答)
 大きな揺れ48% 建物の倒壊75% 火災51% 地面の液状化現象28% 津波73% その他21%

【質問3】家で地震対策をしていますか?
 きっちりしている6% 少ししている62% あまりしていない26% 全くしていない6%

【質問4】どんな対策ですか?
・家具の固定
・避難場所の確認
・電池を多めに用意している
・寝室や玄関に避難バックを置いている
・家具の少ないところで寝ている
・食料を用意
・ブレーカーの自動オフ
・ペットボトルの水を多めに常備
・携帯ラジオを家の中に置く
・祖父の家と繋がるキャラクタケースを置く
・家を建て替えるときに耐震工事
・住所や電話番号を常にカバンに入れている

<トリアージ的発想>
大規模な災害が起きたときのように被害者が多すぎる場合は、救助が必要な順番をまず決めてから対応するそうです。

減災に関しても、時間や人で費用の問題があり、全ての対応策を同時にすることはできません。

そこで、トリアージ的な発想を取り入れて、地震に対しての不安要素をバタフライチャートでカードを個人で分けました。そのあとグループになり、分けた理由を話し合いました。


そして、最後に振り返りとして「今の自分に何ができるか」「将来の自分は何をしたいか」をロイロノートにまとめて提出しました。

ちょっと盛りだくさんの授業で、振り返りを交流できなかったのが反省ですが、防災・減災意識を生徒が高めることで、きっと家族も意識を高めることに繋がると思います。
大きな災害が起こったとしても、助かる命が増えることを願います。

#減災学習
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#電子黒板
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