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映画「シン・仮面ライダー」を観賞しました(※ネタバレ無し)

【ご注意】
 ネタバレはありませんが、これから鑑賞予定の方は読まないことをお勧めします。

 映画「シン・仮面ライダー」を鑑賞しました。

 庵野秀明監督が「シン・ウルトラマン」に続いて送り出した「仮面ライダー」のリメイク作品です。

 上映開始日の3月17日金曜日から所用があり観賞できなかったので、20日月曜日に4DX版を観賞しました。

 平日の昼間と言う事で、予約時点で埋まっている席はありませんでした。例によって上映の二時間前に到着しましたが、パンフレットもグッズも普通に買えました。ただ前日の日曜日までに売り切れてしまったグッズもあったようです。上映時の観客は20人ほどでした。

 この作品は「仮面ライダー」TVシリーズに加えて石ノ森章太郎先生の原作漫画からもエピソードを取り入れており、TVと漫画の折衷のような物語になっています。また、石ノ森章太郎先生の他作品からオマージュしたキャラクターも登場し、特撮ファンはニヤリとさせられます。

 各キャラクターや敵組織も現代風にアレンジされていて、本作の敵ショッカーは原作の「世界征服を企む悪の秘密結社」から、まるでカルト宗教のような「人間の幸福を追求するための組織」となっています。ただ、この「幸福」とは大多数の幸福ではなく最も絶望した者を幸福に導くことであり、その手段も皆殺し(それ以上苦しまない)だったり洗脳(何も考えなくて良いから)だったりと、何をするかは作戦を実行する幹部怪人(オーグと呼ばれます)に任されています。

 ショッカーの創設者は既に死亡(自殺)しており、巨大なコンピューターの人工知能によって管理され、その端末として初期型は左右半身でデザインが異なるアンドロイド、新型は赤いブレザーを着たロボットが登場します。因みにロボットの声は元赤い侍の人ですが初見で全く分かりませんでした。

 「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に出演した俳優陣が何人も出演しています。このnoteではネタバレしないことに決めていますが、何せこの作品は俳優の名前や役名を書くだけでネタバレに繋がってしまうので迂闊に書けません。是非映画館で確認してみて下さい。

 本作の本郷猛は頭脳明晰・スポーツ万能ながらコミュ障と言う現代風の性格が与えられ、池松壮亮さんが新しい本郷猛を演じています。また、緑川ルリ子は、本郷を改造した緑川博士が組織と共に開発した生体コンピュータと言う設定で浜辺美波さんが演じています。最初は感情を出さなかったルリ子が本郷と過ごすうちに感情を表すようになる姿は、まるで早口の綾●を見ているようです(笑)

 2号ライダー一文字隼人は柄本佑さんが演じます。初登場時には有名なあの台詞が聞けます。そう言えば、中盤で本郷があるトラブルの為戦えなくなり、代わって一文字が参戦するのですが、その映像表現が事情通なら「そこはそう言う解釈なのね」と膝を打つこと請け合いです(笑)

 本郷たちの協力者としてあの人たちが登場します。そう来たかと思いました。いや、職務上その名前は本名では無いかも知れないとパンフレットで演者さんがコメントしているので分かりませんが。序盤に他作品からの引用キャラが出てくるのは、終盤まで名前を明かさないこの人たちから観客の気を逸らすためだったのではないかとさえ思えます。

 引用キャラと言えば、終盤に出てくるオーグは、あのベルト、あのマフラー、全くあのキャラクターでした。

 アクションシーンはCGによるスピード感溢れるもので迫力満点です。よく「ライダーキックより普通に蹴ったほうが威力が強い」と言う人が居ますが、このアクションなら文句は言われないでしょう。CG以外はスーツアクターではなく各々の演者さんがアクションも演技しているのだそうです。特にバイクのアクションシーンが良かったです。平成ライダーになってからほとんどバイクに乗らないので。やはり仮面ライダーならバイクに乗らないと。

 私は4DXで観賞したので、バイクのシーンや戦闘シーンで風の演出が、血しぶきを浴びるシーン(本作はPG12指定です)で水しぶきが飛んできます。シートの動作などもありましたが弱めの設定のようです。作品を邪魔しないので良い感じでしたが、次に観るときは通常の上映で観ると思います。

 「シン・ウルトラマン」同様、TVシリーズや連載漫画をリメイクしているので、あらすじを追うような展開になってしまっています。それでも庵野監督としては泣く泣く切った展開もあったのだろうけど。結局目の前の敵を倒しただけで物語としては全然完結してないし、もしかして続編作る気満々なんでしょうか。だけど本郷は●●しちゃったし、でもルリ子が色々細工してたので何とかなりそうな気もします。終わってからも続きが色々想像出来るエンディングになっています。その点では上手い引きだと思いました。

 映画作品として綺麗にまとまっているので、TVシリーズや漫画を知らない人でも楽しめると思います。予習していくより観た後で復習するほうが楽しい作品です。庵野監督の狙いも実はそこに有るのかも知れませんね。


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