vol.23 会計士によるワーケーション体験記
はじめに
先日北海道苫小牧市 (「苫小牧市」) による「森と港の冬CAMPワーケーションin苫小牧」に参加してきました。
ワーケーションという言葉は聞いたことがあるものの、実際にどういうものなのか、イメージできない方も多いかと思い、今回はその体験記とさせて頂きます。
ワーケーションとは何か?
観光庁はワーケーションを以下のように定義しています。
さらに観光庁はワーケーションを以下の4つのワーケーションタイプに整理しています。
今回の苫小牧市の企画は「福利厚生型」をメインとし、一部「地域課題解決型」における地域関係者との交流を織り込んだものでした。
経済規模とその関係者
2022年9月と少し古いですが、矢野経済研究所が、国内のワーケーション市場を調査し、2021年度の国内ワーケーション市場規模を約700億円、2023年度は1,000億円を超える規模になるとの予測を公表しています。
ワーケーション市場は、「誘致を目指す自治体」、「新たな働き方を模索する企業」、そして「多様な働き方を求める個人」といったプレーヤーによって構成されています。
今回は誘致を行った自治体は苫小牧市 (オートリゾート苫小牧アルテン
及び株式会社ツーフィールドによる企画・運営協力)、参加者は多様な働き方を求める個人でしたが、もう少し深掘りしてみていきたいと思います。
1 苫小牧市
苫小牧市の概要は以下のとおりです。
北海道南西部に位置し、新千歳空港から車で約20分。
気候は冬の降雪が少なく、北海道の中でも比較的温暖な地域。
人口は2023年12月末で約16万人であり、ここ数年は減少が継続。
苫小牧港と新千歳空港のダブルポートを持ち、製造業が発達。
樽前山、ウトナイ湖、オートリゾート苫小牧アルテン等の観光資源が存在
私はこの度初めて苫小牧市に行きましたが、新千歳空港からの近さには驚きました。移動中、雪がどんどんと少なくなる実感もあり、冬であってもアクセスしやすい場所だと思います。
2 参加者
続いてどのような方が参加されていたかです。
デザイナー
データサイエンティスト
コーチ
ボディビルダー
会社員
会計士 (私です・・・)
といった形でした。やはりIT関係の方が多いといった印象を受けましたが、実に多岐に渡っていますね。テクノロジーの発展と共に、ネット環境さえあれば場所は関係ないといった職種は増えており、今後も他の職業や海外のインバウンド型ノマドワーカーも増えてくるものと思います。ノマドワーカーによっては国境自体あまり意味がなくなりつつあるので、この点は国や自治体を競争といった様相を呈してくるかもしれません。
ワーケーションを通じた気づき
今回ワーケーションを通じて気づいたことを、それらを感じたポイントと共に列挙してみます。
1 自分自身を見つめ直す
あえて日常とは異なる環境に身をおくことによって自分自身を客観的に見る時間が増えます。この過程で自分が生きていく上で必須なものは何かについて考えさせられます。色々なもので溢れかえっているこの世の中において、何が必要で何が必要でないかを見直すよい機会を提供してくれました。
オートリゾート苫小牧アルテン内の静寂さ
ワークショップ
冬の焚き火
2 ネットワーキング
通常の生活を送っていたら恐らくお会いすることのないであろう方々とつながることができます。お互いどういう経緯でワーケーションにきているのだろう、と好奇心を持って接し、苫小牧市の方で企画して下さった各種イベントにも参加するので、自然とネットワーキングが形成されます。
しばれ焼き体験
模擬せり体験
キャンプディナー交流会
3 チームビルディング
非日常の空間何か同じものに取り組む、という体験はチームを同じ方向にまとめ、より生産性の高いものにしていく効果があるものと考えます。例えばリモートでの共同作業をリモートベースでやっている場合、一度顔合わせのためにもワーケーションの仕組みを活用し、直接同じことに取り組めば、仕事の質にも好影響を与えることが期待されます。
交流カーリング体験
4 まとめ
ワーケーションに向いている作業、あるいは向いてない作業というものはあると思います。私は今回の体験をふまえ、単純な事務作業をワーケーション先で行うのは勿体無いと感じました。せっかく時間をかけて移動するのだから普段できないこと、例えば普段会えない仲間とのコミュニケーションに投資する。そういった思いでワーケーションに取り組むと人生の質も上がっていくものと考えます。
今後の展望
平日は8時から17時までオフィスに通勤し仕事、週末は休む。このような働き方は産業革命以降に発展した働き方であり、人類の長い期間で考えた場合、ごく短い間の例外的な生活スタイルなのかもしれません。
テクノロジーの発展と共にフリーランスの人口が増えるに連れ、仕事と休みの垣根はなくなり、仕事と休みが統合していく (毎日がワーケーション !?) ものと思われます。
また、企業であっても個人であっても生きていく上ではチームベースでの作業は必須であり、ネットワーキングやチームビルディングのニーズは今後も底堅いでしょう。
このような状況の下、ワーケーションは地方創生や人口減少に悩む自治体と組織力や生産性を上げたい企業や個人とがWin-Winの関係になる絶好の機会となります。
ワーケーションを通じ、各自治体が良い形で競争をし、企業や個人が生産性を上げることにより、地域経済や社会全体にもプラスの影響を与えることを期待しています。
まとめ
苫小牧市での経験を「会計士によるワーケーション体験記」としてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
お仕事の内容にもよると思いますが、皆さんもご関心があれば是非ワーケーションを試してみてください。
最後に日本ワーケーション協会の言葉を引用し、この記事を締めようと思います。
5 おわりに
この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。ご意見や感想は、noteのコメント欄やX (@tadashiyano3) までお寄せください。
この記事に記載されている内容は、私の個人的な経験と見解に基づくものであり、過去に所属していた組織とは関係ございません。
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