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【本の感想】介護現場の研修は知識より面白さが9割!?

介護現場での研修は大切だけれども、聞いている人(参加者)たちがどうも楽しそうではない、むしろ眠たそう…

介護研修の講師として話したことがある方はそうした経験があるのでないでしょうか?

私も立場上、海外で働く外国人向けに「日本式介護」とは何か、その意義やメリットについて語る研修を受け持つことがあり、言葉や文化、考え方が違う外国人たちにどのように研修を提供すればよいのか、悩むことが少なくありません。

そんな事情があり、今回、むぎちゃ著・NB Publishing 編集『介護現場の研修は面白さが9割!?:さらば、つまならない研修』(kindle版)を読んでみました。

『介護現場の研修は面白さが9割!?』は介護施設の元研修委員だった「むぎちゃ」さんが調べ、考え続け、実践してきた「研修を面白くするノウハウ」をまとめたガイドブックです。この本の主張のポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 研修は組織にってどの様な行動をすればより良いのか、サービス利用者の為にしてはいけない事は何かといった、チームの秩序を確認したり、強化・改善の為に必要な積極的アプローチ。

  • 研修から「当事者感」「変化」「内容の多様さ」「声音」といった工夫を欠落させると、その研修は「早く帰りたい研修」「眠くなる研修」(単調な研修)におちいってしまう。

  • 研修企画者は、研修というのは参加者にとって知識の強化ではなく、単なる言葉の羅列ではなく、その時間を目一杯を使って参加者をワクワク、感動させる「プレゼント」と考えたほうがよい。

  • 研修企画者の目標は単なる知識や情報の伝達ではなく、組織(チーム)が共通の解釈をもって、共通の認識(倫理観)で、次の行動を思考できるようになるための取り組み。

海外の外国人に向けて介護研修を実施するときには、外国人にも有益になるような知識・情報を伝えようとして、これが講師のプレッシャーになってしまうことがあります。しかし、研修のよしあしは講師が語る研修内容のみで決まるわけではありません。

組織(チーム)から参加者に対して研修を実施する動機(意義)づけがしっかりできているか、講師が参加者に対して話し方の工夫や当事者感を持たせる工夫をしているか

むぎちゃさんは、研修は知識(内容)を伝えることよりも参加者をワクワク、感動させることが大切、「研修は面白さが9割」と語っています。そうでなければ知識が参加者の記憶に残らないからです。

研修をする際にはその内容以外にも、講師はより多くの事柄に配慮しながら研修の企画・工夫をしていく必要がありますね!

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