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当意即妙 #芸術文化の抵抗戦略

政治・社会的困難と文化を考えるための展覧会

京都芸術センター(四条)で開催されている展覧会「当意即妙」のイベントに参加するため、京都に来ました。

京都芸術センターは、小学校の跡地を利用した趣ある建物です。
展覧会は南北の2カ所に分かれていました。

映像、風刺漫画、そしてかるた

ギャラリー南へ進むと、壁一面に映像が映し出されていました。「3AM Performance Art Collective」の作品「Civil War 内戦」。

それぞれの民族の料理が並ぶ平和な食卓。理由もわからないまま、突然争いが起きていく。無意味な破壊を見せられ、最初は呆気にとられ、一体何が起きているのかわかりませんでした。でも、その意味に気付く時、虚しさと苦しさに襲われます。

ドキュ・アッタンの映像ブース、WARTの一コマ漫画の展示、そして来場された方からの感想、応援の言葉が壁や床に書かれ、部屋全体が、この展覧会の間に、作られていくのだと感じました。

一番奥の、小さな小部屋に、ヤンゴンかるたの部屋もありました。
特設の畳ブースに並べられたカルタ。
私たちが最初に作成したプロトタイプの手作りカルタも展示されています。
TVではカルタの遊び方の映像が流れていました。

私がヤンゴンで暮らしていた2019年から2021年の平和な暮らし。いまは薄暗く閉ざされた小さな小部屋の中で、ひっそりと存在していますが、この壁を破り、広く明るい場所で、たくさんの人が夢や希望を語れる日が、1日も早くきて欲しいと感じました。

「Musking Unmasking Life」そして祈りの船

ギャラリー北の扉を開けた瞬間、恐怖を感じて立ちすくみました。悲しいのに、凄みのある美しさも、同時に感じました。

空間に浮かぶ、いくつもの顔。
床のQRを読み込むと、彼らが確かに存在していたことを知ることができます。

彼らはなぜ命を奪われたのか。そして誰が奪ったのか。彼らはもう声を発することはできないけれど、その場に立つと、たくさんの訴えが聞こえてくるようでした。

祈りの船。ミャンマーで生きる人々にも、また日々、祖国と家族や友人を思い支援を続ける人々にも、平和が訪れるようにと、祈りました。

私は明るい色を折ることがどうしてもできなかった。

扉を開けると、冷たい雨が降っていました。
明日、イベントでお話しする機会を頂きました。クーデターから3年、改めて、自分にできることを考えたいと思います。

雨に濡れながら、黙って歩きました。

野中優那


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