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「聴く音楽」より「聴かない音楽」を訊ねてみる。

「どんな音楽聴くんですか〜?」
「どんな音楽が好きなんですか〜?」
「一番好きなアーティストって、誰ですか?」

こういう質問の仕方は、自分自身なるたけしないようにしている。
自分がされると、ちょっと答えに困ってしまう質問だからだ。

音楽についての会話ができるというのは、とても嬉しいことだ。しかしながら、会話の相手がどんな音楽を聴いてきたのか、きっかけを掴むのは簡単でない。私自身、いろいろ聴くので、だいたいそういった類の話題が出るときの会話のフローには合わない答えが頭の中を駆け巡る。できれば、こんな答え方はしたくない。

「そうですね〜、ロックとかいろいろ、、」
「邦楽も、洋楽も聴きますよ、、」

答えているようで、ほとんど情報がない。

最近、とてもUXの高い質問をしてくる人がいた。
その人は私にこう質問してきた。

「聴かない音楽のジャンルってあります??」

「え、聴かない音楽ですか??」

と、つい聞き返してしまった。
あまりにもピンと来たために、

「その質問、いいですね。」

と、音楽からコミュニケーション論に関心が移った。と、同時に「この人、面白いな、、」と感心していた。

「音楽って、いろいろじゃないですか。だから、そういう風に聞くようにしてるんです。」

ここから具体的に音楽の話題が深まったかといえば、そうではない。

だが、そのときのその人との関係性やシチュエーションを想像すると「なんかいい距離感だなぁ。」と思ったのだった。

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