2012.11.20 路上の火曜サスペンス

昼過ぎに散歩に出た。
自宅から隣の町までを線路に沿って。
「歩くとセロトニンが出るからね、歩くといいよ歩くと!」
と、かかりつけの先生も言っていた。
あの日先生の頬は終始紅潮していて、
昨日ヤったかそれとも風邪か、
と思わず邪推せずにはいられなかった。

道端の木々もそろそろ色付く季節だなと思って歩いていると、なぜなぜどうして、生ゴミ入りの三角コーナーが道のど真ん中に転がっていた。

中身が全部ぶちまけられていて、中の人参やら大根やらが散乱していた。

幸せな主婦に訪れた、突然の惨劇。
ミツコはいったい何処へ。

来週あたり片平なぎさか山村紅葉が登場しそうだ。
だがそもそも、なぜ三角コーナーを持って逃げなければならない状況だったのかが毛頭分からないでいる私なんかはきっと、サスペンスを心から楽しめない部類の人間なんであろうな。

とはいえ関わりたくないので事は荒立てず、一瞥して猛ダッシュ。
ミツコと三角コーナーのことはそれきり忘れ、それよりも夕飯、夕飯は何を食べようかとウハウハしながら帰路につく薄情な豚の頬は、夕暮れに染まっておいしそうだった、とかなんとか。

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